あなたは一日に何回食事を摂るのが、健康的だと思いますか?
恐らく、多くの方は
と思うのではないでしょうか。
実際、NHKが2016年に実施した「食生活に関する世論調査」によると、「平日の一日に平均何食とるか」という質問に対して、「3食」と回答した人が最も多く、81%を占めていました。
しかし、成人が一日に必要な摂取カロリーは1800~2200キロカロリーと言われており、外食が多い現代人が3食しっかり摂ると必要以上にカロリーを摂取してしまいがちです。
例えば、ハンバーガー・フライドポテト・ドリンクのセットなら1000キロカロリーが軽くオーバーしますし、ファミレスへ行けば800~1000キロカロリーのメニューがたくさんあります。
もちろん、必要摂取カロリーはその人の年齢・性別・生活習慣によって異なりますが、運動不足気味の現代人が一日三食摂ると「食べ過ぎ」になる可能性があるのは想像に難くないと思います。
それを証明するように、アメリカの最新の研究では食事時間を制限し、「食事をしない時間(空腹の時間)を作る」ことが健康や若さを維持するのに有効だという論文が次々と発表されています。
この記事では、一日三食はなぜ多いのか、断食をする効果、人体の奇跡「オートファジー」について解説していきます。
なお、この記事はさいたま糖尿病クリニック院長の青木厚さんが執筆した『「空腹」こそ最強のクスリ』を参考に書いてます。
2時間もあれば読めてしまう本ですが、今後のあなたの生活習慣に大きな影響を与えるほどの目からうろこ情報がとても分かりやすく解説されています。
- 血圧・血糖値・コレステロール値を正常値にしたい
- 薬を使わずにがん・認知症・糖尿病を予防改善したい
- アレルギーや花粉症から楽になりたい
- 慢性的な疲れやダルさを解消したい
という方は手に取るべき本です!
1-1.一日三食だと内臓が休めない
1-2.血糖値が急激に乱高下する
2-1.蘇れ!内臓!
2-2.生活習慣病をまとめて遠ざける
2-3.人体の奇跡「オートファジー」
3-2.リーンゲインズの大変なところ
3-3.少しの運動は必要
4.最後に
一日三食のデメリットを分かりやすく解説
江戸時代まで日本では、一日二食が一般的でした。
一日三食になったきっかけは、
- 江戸時代初期の明暦の大火の際に復興にあたっていた大工さんが、朝と昼だけではなく、昼食も摂るようになったから
- 江戸時代後期に明かりが普及して、一日の活動時間が伸びたから
- 明治維新後、政府が軍隊に一日三食提供したから
など諸説あります。
そして、1935年に国立栄養研究所の佐伯 矩 医学博士が「日本人男性が一日に必要とするエネルギーは2500~2700キロカロリーでそれを2食で摂るのは難しく、3食に分けてバランスよく摂ることで健康に生きられる」と提唱したことも一日三食の習慣が定着した要因です。
そもそも食事は身体に必要な栄養を補ったり、基礎代謝・運動によって消費したカロリーを補充するためです。
年齢別の基礎代謝は以下の通りです。
30~49歳 男性 1500キロカロリー 女性 1170キロカロリー
50~59歳 男性 1350キロカロリー 女性 1110キロカロリー
70歳以上 男性 1220キロカロリー 女性 1010キロカロリー
と考えると、2500~2700キロカロリーはちょっと多過ぎるような気がしますよね。
一日三食だと内臓が休めない
食事で摂った食べ物は消化されるまで胃の中で平均2~3時間、脂肪分が多いものだと4~5時間だと言われています。
そして、小腸は胃から送られてきた消化物を5~8時間かけて分解し、水分と栄養分を吸収します。
最後に大腸で小腸で吸収されなかったものを15~20時間かけて吸収します。
しかし、一日三食だと食事と食事の間隔が4~7時間となるので、前の食事で食べたものがまだ胃や小腸に残っている間に次の食べ物が運ばれてくることになります。
そうなると、内臓が休みなく働きつづけなければならなくなり、どんどん疲れていきます。
内臓が疲れると以下のような弊害が生じます。
- 食べ物からきちんと栄養分が吸収できなくなる
- 疲れやすくなる、ダルくなる
- 肌や髪のコンディションが悪くなる
- 胃もたれ、胸やけ、食欲不振
- 腸内環境が悪化し、悪玉菌が増え、病気になりやすくなる
医学的な機器を使わないと、内臓を見ることは出来ませんが、身体の中では各臓器が一生懸命働いていることを忘れてはいけません!
そして、僕たちが休みなく働いたら疲弊するし休みが必要なのと同様、内臓にも休息が必要なのです。
血糖値が急激に乱高下する
ご飯・麺類・パン・甘いものを食べると血糖値が急激に上昇します。
血糖値が上がると、すい臓からインスリンというホルモンを分泌し、血糖値を下げます。
この血糖値の上がり下がりが緩やかであれば、そんなに問題はないのですが、血糖値が急激に上がると、インスリンも大量に分泌されて血糖値が必要以上に低下します。
この血糖値の乱高下はダルさ、眠気、イライラなどの症状を引き起こします。
そして、こういった血糖値の乱高下の状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高まります。というのも、血糖値が高い状態が続くとインスリン抵抗性がついてしまうです。
インスリン抵抗性とは、身体がインスリンに慣れてしまい、インスリンの量が多くないと血糖値が下がらない状態です。
インスリンをどんどん分泌しないと血糖値が下がらないので、すい臓は働きつづけますが、ある時、疲れ切って働けなくなります。これが2型糖尿病です。
「断食」が最強の食事法!
それでは、健康になるためにはどうすればいいのでしょうか?
答えは簡単です。空腹の時間を増やせばいいんです!
空腹の時間を増やす、つまり、「断食」です。
断食と言っても、この記事でご紹介するのはプチ断食「リーンゲインズ」です。
こちらの記事もあわせてご覧ください。
簡単に説明すると、リーンゲインズは食事を8時間以内に済ませて、残りの16時間は何も食べないという食事法です。
と思うかもしれませんが、睡眠時間を含めてもOKなので、例えば8時間寝る人であれば、8時間食べないだけで16時間です。
食事をする8時間はその人のライフスタイルに合わせられますし、8時間の食事時間帯であれば、特に「これは食べちゃダメ!」というものがありません。
カロリー計算も必要ないですし、割と簡単ではないかと思います。
実際に、僕は2年ほどこのリーンゲインズを続けられています。
では、僕がリーンゲインズを2年も続けているのか、そのダイエット効果だけではない、たくさんのメリットを解説していきます。
蘇れ!内臓!
一日三食だと、内臓は働きつづけなければならないので疲弊してしまいますが、8時間に食事時間を抑えることで、内臓はしっかりと休むことができます。
しっかり休むことが出来ると、体力が回復した内臓はちゃんと働いてくれますし、食物からも十分に栄養を吸収できるので、肌や髪の状態も良くなります。
生活習慣病をまとめて遠ざける
最後に食事を摂ってから10時間ほど経つと、体内では脂肪の分解が始まります。
食事で摂取した糖質は腸で消化・吸収され、血液に乗って肝臓へ行き、全身へと運ばれます。
糖質は脳や筋肉、内臓が働くためのエネルギー源として使われますが、摂取しても使われずに余った糖質の一部はグリコーゲンとして、筋肉や肝臓に蓄えられます。
しかし、筋肉や肝臓に蓄えられる量はそんなに多くないので、そこに収まらなかった糖質は脂肪となって、脂肪細胞に蓄えられます。
食事を長時間摂らないでいると、外部から糖質を補給することができないので、まず、肝臓に蓄えられたグリコーゲンを利用してエネルギーを生み出します。
そして、食事を摂らない時間が10時間ほどになると、肝臓のグリコーゲンもなくなり、今度は脂肪を分解してエネルギーを生み出そうとします。
つまり、断食をすればするほど、体内の余計な脂肪が燃焼されていくのです。
脂肪が分解されれば、血液中の脂質が減り、脂肪によって圧迫されていた血管が解放されます。
その結果、血液や血管の状態が改善されるので、高血圧や血行不良に伴う体調不良が改善されていくというわけです。
人体の奇跡「オートファジー」
断食がもたらす最大のメリットは何といっても「オートファジー」です。
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんが研究したのが「オートファジー」でしたね。
オートファジーは細胞内の古くなったたんぱく質が分解・再構築され、新しいものに作り替えられる仕組みのことです。
つまり、オートファジーが起こると細胞が内側から生まれ変わるのです。
そのため、オートファジーはがんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、肌や筋肉の老化防止など様々な効果があると考えられています。
なぜ細胞が古くなると良くないのかと言いますと、細胞内でエネルギーを生み出すミトコンドリアの活動量が低下するうえ、活性酸素がたくさん発生させてしまうからです。
活性酸素は「ものを錆びさせる力」があり、それによって体内に入ってきたウイルスなどを殺菌しますが、活性酸素が多すぎると敵ではない体内の細胞をも傷つけてしまうのです。
活性酸素が増えすぎると、細胞の老化が進行し、肌のしわ・シミの原因になり、細胞に障害が起きて、がんなどの様々な病気を引き起こす可能性があります。
リーンゲインズをやる上で
ここまで読んでいただけた方には一日三食が人類にとって多すぎるということと、断食のメリットをご理解いただけたと思います。
本当に素晴らしい効果がたくさんあるリーンゲインズですが、やらない方が良い人やデメリットも存在します。
リーンゲインズのデメリットとやらない方が良い人
リーンゲインズのデメリットに筋肉が減ってしまうというのがあります。
糖質は筋肉と肝臓にグリコーゲンとして蓄えられるとご説明しましたが、外からの糖質の補給がなくなると、筋肉をも分解してエネルギーを生成しようとしてしまうからです。
そういったことも踏まえて、以下の人はリーンゲインズをやらない方が良いです。
- 子ども
- 高齢者
- 既にガンを発症している人
- 既に認知症を発症している人
子どもはたくさん栄養が必要ですし、高齢者はただでさえ年齢によって筋肉量が低下しているので、身体を支えることが難しくなる可能性もありオススメできません。
なぜ既にガンを発症している人にはオススメできないのかと言うと、がん細胞には飢餓状態に陥りやすいという特徴があります。
そのため、がん治療において、よくがん細胞に栄養が送られないようにする「兵糧攻め」が行われますが、断食をしてオートファジーが働くと自分で栄養を作り出すため、がん細胞気残りやすくなってしまうのです。
また、認知症を既に発症している人にもオススメできません。
2015年に東京医科歯科大学が発表した研究によると、アルツハイマー型認知症を発症している場合、オートファジーが脳内のアミロイドβを増やし、症状を悪化させる可能性があることが示されました。
アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因だと考えられている物質です。
リーンゲインズの大変なところ
僕はリーンゲインズを2年ほどやってます。やっていて大変だと思ったのは、やはり「凄まじい空腹感」です。
僕のライフサイクル上、8時~16時の間が食事の時間でそれ以外は断食というスケジュールなのですが、夜に食べないというのがかなりキツイ!
人間は朝起きたときが最も脳が働き自制心などがあるのですが、時間が経つにつれて脳も疲れてきて自制ができなくなり、欲望に負けやすくなります。
そのため、仕事終わりにお腹がすくとどうしても帰り道にあるコンビニで何かしら買い食いしてしまいます。
なので、リーンゲインズのオススメの時間帯は朝食を抜き、12時・13時~20時・21時の時間帯で食事を摂るのが良いと思います。
ただ、寝る前2時間以内は食べないようにしてください!
眠りについてから数時間の間が最も成長ホルモンが分泌されます。
しかし、成長ホルモンには血糖値を上げるという効果があるため、飲食をして既に血糖値が高い状態だと成長ホルモンが分泌されず、翌朝目覚めても疲れが残っていたり、ダルかったりします。
リーンゲインズをやる上で一番大変なのが空腹感に耐えることなので、『「空腹」こそ最強のクスリ』の著者 青木厚先生は断食の時間帯でも素焼きのナッツなら食べてOKとおっしゃってます。
あと、僕が空腹を抑えるのにオススメしているのがバターコーヒーです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
少しの運動は必要
リーンゲインズのデメリットのところでご説明しましたが、断食をすると、エネルギーを生み出すのに筋肉をも分解してしまいます。
なので、簡単な運動・筋トレをして減少した筋肉を補うことが必要になります。
ただし、特別な運動は必要ありません。
- 階段の上り下り
- 腕立て伏せ・腹筋・スクワットを数回やる
といった程度のことで十分です。
運動をするモチベーションを上げたい方はこちらの記事をご覧ください
最後に
僕は運動・断食・瞑想をやれば、大体の方が幸せに生きていける!と本気で考えています。
その中の断食についてこの記事ではご紹介しました。
リーンゲインズは今からでも始められるくらい簡単ですが、得られるメリットはたくさんあるという最強の食事法です。
一食抜いたことで浮いたお金を夕食に回してちょっと豪華なものにしたり、趣味に費やすこともできます。
リーンゲインズをやって、いつまでも健康でいましょう!
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