「ありがとう」と伝えることの科学的な意味!快楽適応に注意して!

 

長続きする人間関係を構築するための秘訣、それは「ありがとう」と伝えることです。

 

認知と情動に関する問題を扱う科学雑誌『Cognition & Emotion(コグニション アンド エモーション)』に掲載された調査によると、

 

周りの人々
もっとあなたと時間を過ごしたい!

 

と思ってもらう秘訣は、彼らに対する「感謝の気持ち」です。

 

感謝こそは、僕たちに幸福をもたらす最強の武器で、良好な人間関係の礎なのです。

 

しかし、人は「ありがとうと伝える」という、とても簡単なことがしばしば出来なくなります。

最初は「○○をしてくれて、ありがとう」と言っていても、やってくれるのが当たり前になると、そのありがたみを忘れてしまいます。

 

こうした傾向を心理学者たちは「快楽適応(ヘドニック・トレッドミル現象)」と呼びます。

 

この記事では、「ありがとう」と伝えることがなぜ良いのか、そしてありがたみを忘れてしまう「快楽適応(ヘドニック・トレッドミル現象)」について解説していきます。

 

 

「ありがとう」と伝えることの科学的な意味

アメリカの心理学者でポジティブ心理学の創設者の1人、マーティン・セリグマン氏の研究によると、「ありがとう」と伝えることは自分の幸福感が増すとともに、他者も幸せにする最も効果的な手段の1つです。

 

言葉で直接伝えるのが照れくさいなら、メールでも、手紙でも良い。

 

感謝の気持ちを示すことは友情をより一層深め、その後の人間関係を良好なものへとしていきます。

 

では、なぜ「ありがとう」と伝えることが幸福感を高めるのか、根拠を説明していきます。

 

幸福ホルモン「オキシトシン」がドバドバ出る!

「オキシトシン」は脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンです。

 

主に女性ホルモンのエストロゲンによって、オキシトシンの分泌が増加し、分娩中に子宮を収縮させたり、母乳を出したりする役割があります。

「オキシトシン」が発見された当初は、女性に特有のホルモンだと思われていましたが、現在では男性からも分泌されることが明らかになっています。

 

【オキシトシンの効果】

  1. 幸せな気持ちになる
  2. ストレスを感じにくくなる
  3. 他人と仲良くなりたいという気持ちが高まる
  4. 病気やケガの治りが早くなる

といった素晴らしい効果があるため、オキシトシンは幸福ホルモンと呼ばれています。

 

オキシトシンは

  • 良好な人間関係
  • 恋人、パートナーとのスキンシップ
  • 子ども、ペットとのスキンシップ

などによって、分泌されます。

 

「ありがとう」と言われて、嫌な人はいません。感謝の気持ちを伝えることがコミュニケーションを促進し、人間関係を良好にしていきます。

すると、オキシトシンが分泌され、自分も周りの人間も幸福感が高まっていくのです。

 

感謝の気持ちは仕事の生産性も高める!

「ありがとう」と伝えることの効果はこれだけではありません。感謝の気持ちを伝えると仕事の生産性も高まるのです!

 

イギリスのウォーリック大学(University of Warwick)のアンドリュー・J・オズワルド(Andrew.J.Oswald)らの研究によって、幸福が仕事の生産性に対してポジティブな影響を与えることを示しました。

その研究では、被験者をコメディ動画を見せて幸福感を高めるグループと、統制群として幸福感を高めない動画を見せたグループに分けました。

 

その後、簡単な計算などの課題を行ってもらい、グループ間で成績の違いがあるのかを調べました。

すると、幸福感を高めたグループの方が12%も生産性が高くなっていたのです。

 

この研究から分かったことは、ビジネスの場においても「ありがとう」「いつも助かるよ」などと感謝の気持ちを伝えることが仕事の生産性を高める有効な手段だということです。

 

アメリカの世論調査企業のギャラップ社によると、アメリカでは労働者の不満がもたらす生産性による損失は年間3千億ドルもあるそうです。

 

マインドパレッサー
いくら給料が高くても、職場が楽しくなかったら働く気力が湧かないですよね。そういった状況も「ありがとう」の一言で改善されるかもしれません!

 

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ありがたみを忘れてしまう「快楽適応(ヘドニック・トレッドミル現象)」とは?

 

新婚ホヤホヤでまさに幸せの絶頂の時間も、小さい頃から夢に見ていた職に就けた喜びもおよそ一年間で消えてしまうと言われています。

 

人間はどんなに幸福を感じていても、次第にその幸福に慣れてしまい、新たな変化を求めます。

心理学者たちはこの現象を「快楽適応」あるいは「ヘドニック・トレッドミル現象」と呼びます。

 

直訳すると、ヘドニック(hedonic)=快楽的な、トレッドミル(treadmill)=ランニングマシン、なので「快楽のランニングマシン」という意味になります。

これはつまり、「人は常に幸福(快楽)に向かって走るものの、決してゴールには到達しない」という状態です。

 

人間には、外部から何らかの刺激が加わった時に一定の状態に保とうとする「恒常性維持機能(ホメオスタシス)」という機能があります。

例えば、外が暑くて体温が上がると発汗して体温を下げようとしたり、逆に外が寒いと身体を震わせて体温を上げようとしたりしますよね。

 

また、とてもショッキングな出来事が起きた時も、その瞬間は「もう立ち直れない」と思っても、次第に元の状態に戻っていきます。

この一定の状態を保とうとする機能は残念ながら、幸せを感じている時にも働くので、次第に幸福感に慣れてしまうのです。

 

定期的にありがたみを思い出そう!

じゃあ、どうすれば幸福感を忘れずにいられるんだろう?

 

マインドパレッサー
幸福感を忘れないためには、「定期的に振り返ってありがたみを思い出す」ことが大切です。

 

快楽適応とありがたみを再確認することの大切さを示した良い例であるティム・クレイダーのケースご紹介します。

 

喉を刺された男、ティム・クレイダーのケース

ティム・クレイダーという男性が楽しい休暇中に喉を刺されてしまいました。傷は頸動脈をわずか2ミリ逸れた場所で危うく命を落とすところでした。

その後の1年間、彼は何が起こっても平静でいられました。

 

なぜなら、ティムはただ生きているだけで「幸福だ」と感じていたからです。

「喉を刺され危うく命を落としていた」という災難に比べたら、日常で起こるネガティブなことなんて大したことないと思っていたのです。

 

しかし、時が経つにつれて「快楽適応」が発動し、ティムはケガをする前と同じように渋滞やコンピュータの不具合などの些細なことにイライラするようになりました。

快楽適応によって、再び生きていることが当たり前になったのです。

 

ティムは「生きていることのありがたみ」を忘れないようにと、毎年、“刺された記念日”を祝うことにしました。

そうすることで、彼は自分がどれほど幸福な男なのかを再確認し、ありがたみを忘れないようにしたのです。

 

最後に

僕たちが今、こうして生きていられるのは家族、友人、学校の先生などの多くの人の支えがあったからです。

 

しかし、人はしばしばそんな当たり前のことを忘れてしまい、「今の状態が当然だ!」と思ってしまいます。

 

たった一言で良いんです。「ありがとう」

日頃、お世話になっている人たちに伝えてみましょう。

 

この記事を読んでくれて、ありがとうございます。

 

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