感情とはそもそも何?感情の定義や種類、獲得した背景を解説!

Young beautiful girl holds and changes her face portraits with different emotions.

あなたは「感情って何ですか?」と聞かれたら何と答えますか?

 

えっ感情は感情だよ!怒ったり、泣いたり、嬉しかったりする!

 

改めて考えてみると、よく分からないですよね。

物心がついた頃からずっとあるものだから、あまり「感情とは何か?」と考えませんよね。

 

この記事では、心理学において用いられている”感情”の定義と感情がどのように獲得されたかという話をしたいと思います。

 
 

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感情の定義

実は心理学の世界でも「感情」を厳密に定義することは難しくて、一般的に認められた標準的な定義は存在しません。

ただ、オートニーら(Ortony,Clore & Collins ,1988)は以下のように定義し、最も広く使われています。

感情とは、人が心的過程の中で行うさまざまな情報処理のうちで、人、物、出来事、環境についてする評価的な反応である

心的過程」とは簡単にいうと、心の変化のことです。

また、ここでいう「評価」とは、対象を良い‐悪い・危険‐安全・好き‐嫌いなどの軸に位置付けて、認識することです。

「反応」は、脳や神経、身体の作用から、表情や行動、主観的な心的体験まで広い範囲を含みます。

 

つまり、この定義によると感情とは、自分自身を含めてあらゆる対象について、それが良いものか悪いものかなどを評価した時に、その人に生じる状態ということですね。

 

感情の種類

感情の種類
Image by Gino Crescoli from Pixabay

感情は「情動」と「気分(ムード)」に分けられます。

情動とは、交感神経系や内分泌系の活動による身体の興奮状態を伴うような強い感情のことです。

怒り、恐れ、悲しみ、喜びなどが情動にあたります。

 

気分とは、原因が必ずしも明らかではなく、比較的長期間継続しますが、それほど強くない快‐不快の感情のことです。

情動は進化の過程で獲得されたもので、他の動物とも共通性が高いと考えられています。

 

感情を獲得した背景

感情を獲得した背景

最後に感情を獲得した背景について解説します。

先程、少し触れましたが、感情は「進化の過程で獲得されたもの」です。

 

人間の原型が出来たのが、約680万年前だと言われています。

約2万年前に農耕時代に移行したと考えると、600万年以上もの間、人類は狩猟採集時代を過ごしていたということになります。

そのため、人間の筋肉・骨格・感情などあらゆるものが、その時代を生き抜くために獲得されてきたものだという考えが有力です。

 

それでは恐怖・怒り・悲しみといった感情は狩猟採集時代にはどういった機能があったのかを具体的に説明したいと思います。

 

「恐怖」は人間の生存確率を上げる

人間が最初に獲得した感情は恐怖だと言われています。

なぜなら、「恐怖」という感情は人間の生存確率を上げるからです。

例えば、森で茂みからカサッカサッと音がして、猛獣のうめき声がすると、心臓は一気に高鳴り、全身に血液を巡らせて、逃げるか闘うかの準備をします。

 

その時まで、

油断している人
今日の獲物はどうやって食べようかな?

とか別のことを考えていたとしても、茂みの中にいる猛獣に意識を集中します。

 

恐怖がないと、そのまま歩き続けて猛獣に襲われてしまうでしょう。

人間は「恐怖」を獲得したことで生存確率を上げたのです。

 

蜘蛛や蛇が苦手な人は多いと思います。これは木の実などを摘みに森に入った時に、毒蜘蛛や毒蛇に襲われて命を落とす人がいたためです。

高所恐怖症などの恐怖症も後天的に高所で恐い思いをしてなった可能性もありますが、その人の先祖の周りで高い所から落下して、命を落とす人が居たために獲得してDNAに元々刻み込まれていた可能性もあります。

 

「怒り」は自分の財産を守り、上下関係をはっきりさせる

怒りは集団の中で上下関係をはっきりさせる機能と自分の財産・権利を守る機能があります。

 

集団内で意見が対立したとき、一方が威嚇し、他方が退けば、威嚇した方が上で、退いた方が下ということになります。

そして自分の財産や権利が侵されそうな時は怒りを露わにして守ってきました。

 

怒りを感じた時も、恐怖の時と同様に心臓が高鳴り、全身に血液を巡らせる闘争・逃走反応(fight or flight)が起きます。

 

「悲しみ」は周りの人と感情を共有し、絆を深める

最後に悲しみです。

いつの時代も人間は1人では生きていけません。

人は何かを失った時に悲しみを感じます。周りの人達は同情し、助け合い、絆を深めます。

 

現代に当てはめてみると、失恋して悲しみに打ちひしがれても友人に話を聞いてもらったり、やけ酒・やけ食いしたりして乗り越えます。

つまり、悲しみ問題の状態から抜け出すための行動を促すステップであるとも考えられます。

 

感情の4つの機能

感情の4つの機能

ここでは、怒り、喜びのような一時的に強く生じる感情状態の「情動」の4つの機能について解説します。

 

 目標管理機能

例えば、帰り道で見るからに獰猛そうな野犬に遭遇しました。

そのときにスマホで陽気な音楽を聴いていたとしても、一瞬にしてその獰猛そうな野犬にくぎ付けになり、逃げるか闘うかの体制に入ります。

 

つまり、情動の「目標管理機能」は何か自分にとって重要な出来事に直面したときに、意識をその出来事に集中させ、目標を達成できるようにするという機能です。

 

 記憶強化機能

 

感情を司る扁桃体と記憶を司る海馬は近い場所にあるので、情動を経験したときの記憶は忘れにくいという性質があります。

 

例えば、子供が誤ってアイロンに触って、ちょびっと火傷をしたとします。

傷自体はそんなにひどくはないにしても、子供からしたら一大事でその時のことはそうそう忘れないでしょう。

すると、次にアイロンを見た時には「前にひどい目にあったからな。今回は気をつけよっと」と考えるのです。

 

 情報伝達機能

「情報伝達機能」は自分の感情を声や表情を通じて、相手に伝えるという機能です。

それによって、周りの人がその人の内面や状況に関する情報を共有出来る場合があります。

 

分かりやすい例でいうと、登山に行ったときに、上の方からすごい勢いですごい形相をした人が駆け下りてきたら、「うわっきっとクマが出たんだ!逃げよっと」となる訳ですね。

 

または、自分が今にも泣きだしそうな悲しい顔をしていると、周りの人は心配して声をかけてくれると思います。 

自分の悲しみが周りに伝わり、自分の状況などを理解してくれる人の行動を促し、絆が深まるという訳です。

 

 利害調整機能

情動は先ほども話しましたが、表情や声を通じて周りに伝わったりしてしまうので、自分の利益を守るためには役に立たないような気がしますよね?

 

でも、そうでもないんです。

例えば、家に強盗が入って金品を盗まれたとします。

そこで、警察にまかせておくだけではなく、大金を探偵を雇い、犯人を捜すことにしました。

周りの人からすると、「探偵を雇うとはすごい執念深いな」という印象を持たれると思います。

 

つまり、周りに自分が”執念深い”という印象を持たれることで、将来起こりうるリスクを減らすことができるという訳なんですね。

 

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【参考文献】

 

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