老化は「宿命」?それとも治療できる「病気」?

老化は避けられないもの...。

そんな概念が変化してきています。

というのも、近年のさまざまな研究によって、老化現象のしくみが明らかになってきているのです。

老化のしくみや原因が明らかになるということは、老化を食い止めたり、はたまた若返るといったこともできる可能性が出てきたということです。

老化はもはや、避けることができない「宿命」ではなく、治療できる「病気」になるかもしれません。

 

この記事では、さまざまな老化のしくみやいつまでも若々しくいるにはどうすれば良いのかといったことを解説していきます。

老化は「宿命」?それとも治療できる「病気」?

もの忘れ、シミ・しわ、よくつまずくようになるなど、老化はカラダの至るところでみられます。

ここでは、人間を人間たらしめる脳の老化、外見にもろに表れる皮膚の老化、健康寿命を脅かす骨・筋肉の老化のしくみを解説していきます。

20代からはじまる「脳の老化」

手足を動かす、五感、記憶、思考など人体の司令塔である脳の老化は、脳内部の空洞や表面のしわの落ち込みが大きくなる(脳が萎縮する)ことで起こります。

脳の老化の原因としては、「血液や栄養分の供給量不足」と「神経細胞の変化」が挙げられます。

東北医科薬科大学医学部の福田寛教授らの研究によると、個人差はあるものの、脳の老化(脳の萎縮)は20代からはじまることがわかっています。

脳の老化を加速させる要因としては、ストレス、偏った食事、病気の有無、睡眠不足、遺伝などさまざまな要因があります。

 

【脳細胞や神経伝達物質に関する記事】

外見にもろに影響する「皮膚の老化」

シミ、しわ、たるみといった皮膚の老化の主な原因は紫外線です。

紫外線による老化現象は「光老化」とも呼ばれており、若い頃からどんどん蓄積していきます。

ちなみに、白髪も加齢だけではなく、光老化も関係しています。

健康寿命を脅かす「骨と筋肉の老化」

以前まで「平均寿命」の長さばかり注目されていましたが、近年は「健康寿命」が注目されています。

健康寿命とは、自分で立ったり歩いたりできる日常生活を過ごせる年月のことです。

男性 女性
平均寿命 80.98年 87.14年
健康寿命 72.14年 74.79年
平均寿命と健康寿命の差 8.84年 12.35年

参考:ウェルネスメモ「数字で見るニッポンの“食と健康”」

このように、平均寿命と健康寿命との間に大きなギャップがあることが問題視されています。

この健康寿命を脅かすのが、骨・筋肉の老化です。

 

骨は古くなった骨を破壊して新しい骨を生み出すことで、常に作り変えられています。

しかし、加齢によって「骨の破壊と新生(骨リモデリング)」のバランスが崩れ、新生よりも破壊が速くなることで中高年に多い(特に女性)骨粗しょう症になります。

 

骨リモデリングのバランス崩壊や筋肉量の減少は、適度な負荷をかけることで防げることが分かっています。

つまり、高齢になっても動き続けることで健康寿命を長く保てるのです。

いつまでも若々しくいるための方法

いつまでも若々しくいるための方法

あなたの同級生に「コイツ老けたなぁ~」って人もいれば、「あれっ?同じ年だよね?若返りの薬飲んだ?」みたいな人もいると思います。

いつまでも若々しい人たちは若さを保つために、どんなことをしているのでしょうか?

腹八分目が寿命を伸ばす!?

1935年アメリカの栄養学者クライヴ・マッケイ氏(1898~1967)らは、ラットの摂取カロリーを制限する実験を行いました。

すると、摂取カロリーを80%にしたグループがカロリーを制限していないグループと比べて、寿命が20%伸びました。

また、1980年にアメリカのウィスコンシン大学がアカゲザルを対象に行った実験でも、摂取カロリーを70%に制限したグループがカロリー制限していないグループと比較して、糖尿病などの病気にかかりにくくなり、脳の萎縮も抑えられるという結果になりました。

この現象に関わっていると考えられているのが、“長寿遺伝子”とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」です。

 

ラットやアカゲザルは摂取カロリーを制限したことでサーチュイン遺伝子が活性化し、アンチエイジング効果をもたらしたと考えられます。

しかし、人でもカロリー制限によって寿命延長効果があるかどうかはまだわかっていません。

カロリー制限を1年間行った人が骨密度が低下したという報告もあります。

闇雲に食事の量を減らすと、かえってカラダに悪影響をもたらす可能性もあるようですね。

男性も必要なスキンケア

シミ・しわ・たるみといった皮膚の老化は見た目に表れます。

皮膚の老化を防ぐために大切なのがスキンケアです。

 

今では男性でも洗顔後に化粧水・乳液をつけている人は多いと思いますが、日焼け止めは塗っていますか?

皮膚科医の間では、晴れている日も曇っている日も365日、日焼け止めを塗ることが当たり前だそうです。

 

【参考動画】

やはり大事な「睡眠」「食事」「運動」

健康な生活を送る上で気を遣うべきなのが、「睡眠」「食事」「運動」の3つです。

 

睡眠

まず、睡眠は脳の老化を防ぐ上で非常に重要です。人は睡眠中に脳の老廃物(アミロイドβ)を除去しています。

これが蓄積すると、アルツハイマー型認知症を発症するきっかけになります。

他にも、睡眠には「ホルモンバランスを整える」「免疫力を上げる」「記憶の整理・定着」など、さまざまな役割があります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

食事

人のカラダは食べたものからできています。

お菓子やジャンクフード、偏った食事などを続けていたら、不健康になるのは当然です。

やはりバランスの取れた食事が健康なカラダを作ります。

 

食事バランスガイド
画像引用:農林水産省「食事バランスガイド」

 

また、近年では「何も食べない空腹の時間」をある程度とることで疲弊している内臓を休ませることができるとされています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

運動

骨・筋肉の老化を防ぐためにも運動は大切なのですが、運動にはそれ以外にも素晴らしい効果がたくさんあります。

運動をすると、脳内で「脳由来神経栄養因子」という肥料のようなものが分泌され、神経細胞(ニューロン)の新生・成長を助けます。

 

また、運動は神経伝達物質の「セロトニン」が増え、気分が明るくなります。

運動とメンタルヘルスは一見関係なさそうですが、“運動をしないことはうつになる薬を飲むのと同じだ”と言われるほど、メンタルヘルスにとっても重要です。

 

【運動に関する記事】

「主観年齢」が低いと死亡リスクが小さい!?

あなたは自分を何歳だと感じていますか?

「自分が自分を何歳だと感じるか」という「主観年齢」は、心身の健康に影響します。

なぜなら、人は主観年齢によって服装や言葉遣い、行動が変わるからです。

 

大阪大学大学院人間科学研究科の佐藤教授は次のように言います。

主観年齢は実年齢よりも健康状態や寿命、幸福感などとの関連が大きいことが近年の研究によって明らかになってきました。

高齢者について考えるうえで、主観年齢の重要性は増しています。

引用:科学雑誌「Newton」(2021/04)老いの教科書

実際に高齢者では、主観年齢が低い人の方が死亡リスクが小さいことや記憶力などが優れていることを示す研究が報告されています。

まとめ

  • 近年の研究によって老いのメカニズムが解明されてきており、老化が避けようのない「宿命」から治療可能な「病気」になるかもしれない
  • 脳の老化は20代からはじまり、「血液や栄養分の供給量の低下」「神経細胞の変化」などが原因
  • シミ・しわ・たるみ・白髪といった皮膚の老化の主な原因は紫外線
  • 自分で自由に動ける年月である「健康寿命」を脅かす、骨と筋肉の老化を防ぐには、運動などによって適度な負荷をかけることが大切
  • 動物実験で食事を腹八分目にすると長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」を活性化させると考えられている
  • 皮膚の老化を防ぐには、洗顔・保湿・日焼け予防が大切
  • 「睡眠」「食事」「運動」に気を遣うことがいつまでも健康でいるために重要
  • 「自分が自分を何歳だと感じるか」という「主観年齢」は心身の健康に影響を及ぼす

「人生100年時代」と言われていますが、ココロやカラダが健康でない状態では幸せとは言えません。

これから続く長い人生を幸せに暮らすためにも、この記事で紹介したようなことを実践したり、健康に関する正しい情報を集めてみてください。

 

【参考文献

科学雑誌「Newton」(2021/04)老いの教科書

【あわせて読みたい】

▼このブログを応援する▼

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です