サイコドラマ(心理劇)ってどんな心理療法?特徴や期待される効果を解説

 

「サイコドラマ(心理劇)」とは、言葉ではうまく表現できないことを即興的なドラマで表現することで、自己洞察・自己理解を深める心理療法です。

サイコドラマは心理療法としてだけではなく、矯正施設や教育現場にも適応できるとして注目を集めています。

 

この記事では、サイコドラマのはじまり、特徴や期待される効果を解説していきます。

 

サイコドラマ(心理劇)ってどんな心理療法?特徴や期待される効果を解説

サイコドラマ(英語:psychodrama)はクライエントの抱える問題について演技、すなわち行動を通じて理解を深め、解決を目指す集団精神療法の一つです。

 

サイコドラマにはあらかじめ書かれた脚本はなく、参加者が即興で作り上げていきます。

参加者はそのプロセスを通じて、自己の問題に向き合い、自己理解を深めたり、感情を表現して*カタルシスを得たりすることを目標としています。

 

カタルシス(英語:catharsis)はギリシャ語で「排泄」「浄化」という意味ですが、現在では「心の浄化」という意味で用いられます。

現代ではカタルシスは「心の中のわがかまりやモヤモヤが解消されて、スッキリした気分になること」という意味で使われます。

感動する映画や本、心理カウンセリングを受けるとその効果が得られます。

 

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サイコドラマのはじまり

サイコドラマはルーマニア生まれの精神分析家のヤコブ・モレノ(Jacob L.Moreno,1889-1974)と心理療法士で妻のザーカ・モレノ(Zerka T.Moreno,1917-2016)によって創設されました。

 

1917年にウィーン大学で医学博士を取得し、医師として活動します。

当時、心理学界の巨匠フロイトとの出会いもありましたが、フロイトの「精神分析」には批判的な立場を取り、即興劇を活用した療法を行うようになります。

 

モレノは個人が状況に対して創造的に反応するためには自発性、すなわち即興で作り、瞬間的に反応することが重要であると考えました。

自発的に反応し、自分の中にある無意識的な衝動に基づいた創造的な方法で、個人が問題に立ち向かうよう励ますことによって、生活の中で問題に対する新たな解決策を発見し、彼らがその中で生活できるような役割を見に付けられるようになります。

 

1925年にモレノはニューヨーク州に「ビーコンハウス」というサイコドラマのスクールを開設しました。

この地で多くのサイコドラマティストが誕生し、世界的にサイコドラマが広まっていきました。

5つの構成要素

サイコドラマは以下の5つの要素から構成されています。

  1. 監督
  2. 補助自我
  3. 演者
  4. 観客
  5. 舞台

監督

サイコドラマに精通したカウンセラーが務めます。

劇の責任者で場面設定、配役、進行などを行います。

補助自我

演者が行き詰ったときに演者を代弁したり、支えたりする役割です。

また、助監督として監督を補佐する役割も担います。

演者

劇の中で実際に演じる人です。

観客

劇を見る人々です。

舞台

劇を演じる場所です。

 

観客って劇を見てるだけで、あまり意味ないんじゃない?

 

マインドパレッサー
観客はクライエントを支えると同時に、劇を客観的に観る社会を代表していて、サイコドラマにおいて重要な役割なんですよ。

サイコドラマの手順

サイコドラマは一般的に10人前後が適当とされていて、所要時間は60~90分です。

手順は以下の通りです。

  1. ウォーミングアップ
  2. ドラマ
  3. シェアリング

ウォーミングアップ(約20分)

軽い体操や身体運動を伴ったゲームなどで緊張をほぐすための時間です。

この時間にドラマのテーマや配役を決定します。

ドラマ(約40分)

演者が場面設定した舞台上で即興のドラマを演じます。補助自我は監督と連携しながら演者を助けます。

他の参加者は監督の指示で観客になったり、演者になったりしながらドラマに参加します。

シェアリング(約20分)

ドラマが終わったら、演者を中心に感想を話し合います。

これによって、お互いに新しい発見や気づきがもたらされて、内面の成長や変化につながっていくのです。

期待される効果

心の内面を即興ドラマで表現するサイコドラマには以下のような効果が期待できます。

  1. 客観的に自分を捉えることができるため、自己理解・自己洞察が深まる
  2. 自分や他者に対する新しい気づきや発見が得られる
  3. 自主性や創造性を育むことができる

サイコドラマの主な技法

モレノによると、クライエントが即興的に表現する心の中の葛藤は性的・社会・文化的に規定された役割の葛藤です。

つまり、固定した役割観念にとらわれて、現実の対人関係の中で求められている役割を発見することができないことによるものとみなされています。

こうした葛藤を明らかにし、解決するためにさまざまな技法が考案されています。

 

ここでは、その中の主な技法を3つご紹介します。

役割交換法

即興ドラマにおいて、途中から役割を交換する技法です。

演者と補助自我が役割を交換することで、お互いに相手の感情や感覚を理解することを目的としています。

二重自我法

補助自我が演者の「もう一人の自分」(ダブル)を演じる、つまり、2人で1人の役を演じる技法です。

補助自我は演者が気づいていない内面の感情を明らかにしていきます。

補助自我は演者の少し後ろにいて、演者の表面上の演技から本音(気づいていない内面の感情)を読み取って、後ろからそれを話すことで、演者に自分の本音を気づかせます。

鏡映法(ミラー)

自分の役割を他者に演じてもらい、鏡を見るように自分を観察する技法です。

 

これら3つのサイコドラマの技法はいずれも、自己理解を深めて、自己洞察をすることが中心的な目的となります。

まとめ

サイコドラマは近年増えてきていると言われる大人の発達障害者に対する支援としても用いられます。

 

大人になって初めて発達障害だと診断された方の多くは幼少期にいじめや虐待のようなネガティブな経験があり怒り・不安・妬みなどの感情を抱いても、グッと感情に蓋をすることで何とか社会に適応しようとしてきた方です。

 

つまり、彼らに対する支援で大切なことの一つは、ずっと蓋をしてきた怒り・不安・妬みなどの感情を解放して、社会に対するネガティブな感情を減らすことです。

その方法としてサイコドラマは有効なのです。

 

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