4月7日に発令され、5月31日まで延長することになった緊急事態宣言。
政府によると解除の目安は、
- 累積患者数が一定以下(直近2~3週間)
- 感染経路の不明な患者数が一定以下
などであることが伝えられました。
と思われた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、海外の大学による研究や数学的なシミュレーションによって明らかになった外出自粛解除の目安をズバッと解説していきます。
【コロナ自粛の解除の目安】科学的にいうと、いつまで自粛は必要なのか
世界各国の大学や研究者たちが「自粛はいつまで必要なのか」について議論をしています。
この記事では、南カリフォルニア大学とシドニー大学の研究を紹介します。
外出禁止・都市封鎖などを行った場合でも、少なくても44日間は必要
南カリフォルニア大学は世界36か国のウイルス感染パターンを分析しました。
そして、2つの指標をもとに、どれくらい自粛する必要があるかを解析しました。
- ウイルスの日時増殖率‐日ごとの感染者の増加率
- 累積症例の倍数までの時間‐感染者数が2倍になるまでの時間
この2つの指標は感染パターンを把握するのに、信頼性が高いと考えられてます。
その結果、「外出禁止」や「都市封鎖(ロックダウン)」などの強い規制を行った場合でも、ウイルス感染の封じ込めには、最低44日間は必要ということが分かりました。
- 感染者数の減少などの効果が現れるまでには3週間
- 感染者数がコントロール可能になるまでには1か月間
という期間を要することが明らかになりました。
しかし、日本の場合は「外出禁止」ではなく、強制力のない「外出自粛」です。
自粛中も仕事をしなければいけない人、食料品を買わなければいけない人もいますし、自粛中にも関わらず、パチンコに行ってしまう人もいます。
そうなってくると、「自粛率」と「自粛の解除までの期間」の関係が気になるところ。
その関係に関しては次のシドニー大学の数理モデルでご説明します。
国民の自粛率70%以下だと、制御不能になる!?
シドニー大学は数学的なシミュレーションを使って、オーストラリアにおける新型コロナウイルスがどのように拡大していくのか、隔離対策はどのくらい効果があるのかを調べました。
その数理モデルによると、
- 国民の自粛率(ちゃんとソーシャルディスタンスを保ってる人の割合)が90%で3か月
- 国民の自粛率が80%で4か月
という結果になり、なんと国民の自粛率が70%以下だと感染者のコントロールが制御不能になりました。
日本の政府が公表していた「自粛率80%」というのは数理モデルから見ても、的を射た数字と言えるということですね。
この記事で紹介した内容は海外の研究です。
そのため、日本とは状況が違うので、あくまでも目安として理解してください。
参考
参考論文
「Modelling transmission and control of the COVID-19 pandemic in Australia」
外出自粛の解除がなかなか出来ない理由
新型コロナウイルスは未だかつてないウイルスなので、専門家と言えども正確にはいつまで自粛する必要があるのかは分かりません。
これまでの研究で分かってきた「新型コロナウイルスの厄介なところ」をまとめていました。
- 感染しても大半は無症状、または軽症
- 物体表面上での生存期間の長さ
- 感染して治ったあとも、再び感染するリスクがある
こういった理由から、専門家でも自粛規制を解除するタイミングが分からずにいるのです。
まとめ
新型コロナウイルスの影響をもろに受けている飲食店、イベント関係、宿泊業などに従事している方にとっては、「いつまでこの状況が続くの?」と不安な気持ちで一杯だと思います。
かくいう僕自身も、4月末から自宅待機になっているので、一日でも早く収束して欲しいと強く思ってます。
今はじっと耐え忍ぶ戦いをしましょう。
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