【読書の効果】なぜ子どもに読書をさせることが大切なのか?

読書の大切さは昔から言われていることなので、多くの人は疑っていないでしょう。

ただ、いざ「読書はなぜ大切なの?」と聞かれると、ハッキリ答えられる人は多くないのではないでしょうか?

パッと思いつくのは、「読書によって得られる知恵を活かせるから」でしょう。実際、そういった目的で読書をする人は多いです。

 

しかし、最近の脳研究では、別の観点から読書の大切さを主張しています。実は、読書をする人としない人とでは、脳回路に大きな違いが生まれるのです。

この記事では、なぜ子どもに読書をさせることが大切なのか、読書をすると脳にどのような変化が起こるのかを解説していきます。

【読書の効果】なぜ子どもに読書をさせることが大切なのか?

普段、何気なくやっていますが、人の文字を認識するスピードは驚異的です。1秒間に平均10文字も認識します。

しかも、「あ」と「お」、「さ」と「ち」、「捨」と「拾」、「侍」と「待」、「憂鬱」「薔薇」など、似ている文字や複雑な文字まで瞬時に識別し、意味を理解します。

こうした識字訓練を子どもの頃からやっているのといないのとでは、当然、脳回路に違いが生まれてきます。具体的には、次のような変化が生じます。

  1. 文字を見たときの脳応答が強く、反応精度が上がる
  2. 文字以外にも日常用具、建築物などへの視覚反応の精度が上がる

文字に対する脳の反応が変化する

フランス国立保健医学研究所のドゥアンヌ博士らは、文字を読むことが上手な人と子どもの頃に読書をする機会がなく、ほとんど文字を読めない人が文字を見た時にどのような違いがあるのか脳波を測定しました。

すると、文字を読むことが上手な人ほど、文字に対する脳反応が強く、反応精度も高いことが分かりました。

それに対して、ほとんど文字を読めない人は最小限の脳反応しか観測できませんでした。

 

この調査で分かった大切なことは、大人になってから学習して文字を読むことができるようになっても、脳反応がほとんど改善されないということです。

マインドパレッサー
「子どもに読書をさせるのは大切だ」と言われる所以はこの点にあるのかもしれませんね。

視覚反応の精度が上がる

ドゥアンヌ博士らはさらに、文字を読むのが上手な人は文字だけではなく、顔や日常用具、建築物などへの視覚反応の精度も高いということを発見しました。

また、見た対象物が左右対称かどうかを判断するテストにおいても、成績が優れているということも分かりました。

読書(インプット)も大事だけど、アウトプットも忘れてはいけない

いざ学習するとなったら、何かを読んだり、聞いたりといった「インプット」をすることに意識がいくと思います。

多くの人がインプットを重視して、アウトプットを疎かにしがちなのです。

 

しかし、知識を頭に詰め込む「インプット中心の学習」は非常に効率が悪いです。

というのも、インプットした知識を「誰かに話す」「SNSで発信する」などのアウトプットする、つまり「使う」ことで脳は

これは重要な情報なんだな。覚えておこう!

と捉え、長期記憶として脳に保管されるのです。

精神科医の樺沢紫苑氏が言うには、インプット:アウトプット=3:7が良いそうです。

このような脳の基本的なしくみを知っている人と知らない人とでは、人生が全く違うものになるでしょう。

 

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最後に

文字には、形が似ているものや作りが複雑なものまであります。

子どもの頃から読書をすることで、そういった微妙な違いなんかに気付く能力が、文字に対する脳反応や文字以外のさまざまな事物にも適応されていたのです。

 

【参考文献】


 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。