【コロナ疲れに要注意】繊細でストレスを感じやすい「HSP」とは?

ストレスの感じやすさは千差万別です。ストレス耐性が非常に高い人もいれば、ちょっとしたストレスにも反応する人もいます。

多種多様な人がいる中で、近年、注目されているのが「HSP(Highly Sensitive Person)」と呼ばれる人たちです。

HSPは繊細でストレスを感じやすい気質を持った人のことです。

COVID-19が猛威を振るっている状況下で、ストレスを受けやすいHSPは“コロナ疲れ”に注意が必要です。

 

この記事では、HSPとはどんな人なのか?HSPの持つ4つの特徴とは?、最後に自分はHSPなのかを判断する「HSPセルフチェック」をご紹介します。

 

コロナ疲れに注意して欲しい、繊細でストレスを感じやすい「HSP」とは?

HSP(Highly Sensitive Person)」とは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン(Elaine N. Aron)博士が提唱した「刺激にとても敏感で、繊細な気質をもった人」のことです。

このような気質は病気や障害ではないので、国際的な精神疾患の診断基準(DSM、ICD)には載っていないし、医療機関でも「あなたはHSPです」と診断されることはありません。

アーロン博士は世界中の15~20%、約5人に1人がHSPだと言います。

 

アーロン博士によると、HSPは感覚刺激を処理する脳部位の働きに特徴があります。その特徴によってHSPは、匂いや音、光など様々な刺激に敏感です。

また、細かいことが気になったり、他人の気持ちに影響を受けすぎてしまったりすることがあります。色々考えすぎてしまうため、周りに機嫌が悪い人がいるだけで自分も緊張してしまうことがあります。

HSPの中には、不安やストレスを感じすぎることで、うつ病や不安症といった精神疾患を発症してしまう人も多いようです。

 

しかし、HSPは他人の気持ちを敏感に察知し助けたり、共感することが得意なので、その気質を上手くコントロール出来れば、良好な人間関係を築くのに役立ちます。

 

【精神疾患の診断基準(DSM,ICD)に関する記事はこちら】

【日本人に多い精神疾患に関する記事はこちら】

 

HSPの持つ4つの特徴「DOES」とは?

Image by Tumisu from Pixabay

HSPは「DOES」と呼ばれる以下の4つの特徴があります。

  • Depth of processing)物事を深堀しやすい
  • Overstimulation)刺激を過剰に受けやすい
  • Emotional reactivity and Empathy)共感しやすい
  • Sensing the subtle)小さな刺激や変化に敏感

一つずつ簡単に説明していきます。

(Depth of processing)物事を深堀しやすい

HSPは物事を深く分析したり、独創的な発想をしたりすることが得意です。

その反面、考えすぎることで課題を先延ばしにしてしまったり、心配しすぎることがあります。

(Overstimulation)刺激を過剰に受けやすい

HSPは刺激が多い状況下では、神経が高ぶってしまいます。たとえば、人前や人ごみでは、緊張して疲れやすくなってしまいます。

また、何かを初めて体験するときも、緊張しすぎてしまう傾向があります。

(Emotional reactivity and Empathy)共感しやすい

HSPは他人の喜びや悲しみを自分のことのように感じやすいのが特徴です。

その反面、他人の気持ちを優先することで、自分の気持ちは二の次になってしまうという「心の不安定さ」を持つ場合があります。

(Sensing the subtle)小さな刺激や変化に敏感

HSPは匂いや音、光などの感覚刺激に敏感です。たとえば、時計の針の音、掃除機の音などが気になって、作業に集中しにくいということがあります。

また、相手の細かい表情の変化を読み取ることなどは得意です。

しかし、他人の否定的な言動を重く受け止めてしまいがちなところもあります。

HSPセルフチェック

カチッカチッていう時計の音とかすごい気になるし、他人の気持ちの影響を受けやすいと思うんだけど、自分ってHSPなのかな?

と気になる方は、以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

  1. 周囲の些細なことによく気がつくと思う
  2. 他人の機嫌に影響される
  3. 痛みにとても敏感だ
  4. 忙しい日は、ベッドや暗い部屋、もしくはプライバシーを確保できて刺激から解放される場所に引きこもりたくなる
  5. カフェインに対して敏感だ
  6. まぶしい光、強いにおい、粗い生地、近くから聞こえるサイレンなどにすぐに反応する
  7. 豊かで複雑な内面世界をもっている
  8. 大きな音が苦手である
  9. 芸術や音楽に心を大きく揺さぶられる
  10. 良心的である
  11. すぐにおどろく
  12. 短時間でたくさんやることがあると混乱する
  13. 誰かが居心地の悪さを感じていると、その理由を察し(明かりを調整したり、席を変えたりなど)心地よくしてあげようと思うことが多い
  14. 一度にたくさんのことをやるよう言われると困る
  15. 失敗や忘れ物をしないよう、とても気をつけている
  16. 普段から暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
  17. 周囲で色々なことが起こると動揺してしまう
  18. 極度の空腹によって強い反応が引き起こされ、集中力や気分がそがれる
  19. 環境の変化に動揺する
  20. 繊細な、あるいは良質なにおい、味、音、芸術作品を堪能する
  21. 動揺や混乱を引き起こすような状況を極力さけて生活している
  22. 仕事で誰かと競ったり、評価されたりすると、普段より緊張し動揺してしまう
  23. 子どもの頃、親や教師から繊細、あるいは内気だと思われていた

出典:『敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術』エレイン・N・アーロン著, 片桐恵理子訳, パンロー株式会社, (2020)


明確な基準はないのですが、12個以上の質問で「はい」と答えた方は、HSPである可能性が高いです。

最後に

HSPの中には外界の刺激を受けすぎたり、他人に共感しすぎることで精神的に疲弊してしまう人がいます。

そんなこともあるため、「HSPは精神疾患になりやすい」とHSPのネガティブな側面に注目されがちです。

しかし、アーロン博士によると、「HSPのもつ特性は、物事に注意深く対処するという、生物としての生き残り戦略である」と語ります。

 

人間関係を良好に保つためには、他人に共感したり、小さな変化に気付けたりすることは役立ちます。

ただ、現在のようにCOVID-19が猛威を振るっていたり、状況が目まぐるしく変化する中では、刺激が多すぎるため、とりわけHSPにとっては辛い状況かもしれません。

「最近、何かツライ...」という方は、気付かぬうちに疲弊している可能性があるので、意識的にリラックスする時間を設けてみましょう。

 

【参考文献】

科学雑誌「Newton」コロナ時代の心理学。コロナはなぜ冬こそ危険か 2021/1

 

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