表情からは感情を読み取れない!?他人の心を読む方法とは?

 

あなたは海外ドラマの『Lie to me(ライ・トゥ・ミー)』をご存知でしょうか?

 

copy right @メンタリストから学ぶ人の心を自在に操る心理テクニック

 

このドラマは精神行動分析者のカル・ライトマンが「micro expressions(微表情)」と呼ばれる、本人が自覚していない一瞬の表情や仕草から嘘を見破り、犯罪捜査などのトラブル解決に協力するというものです。

主人公のカル・ライトマンは実在するアメリカの心理学者ポール・エクマンがモデルです。

ポール・エクマンは表情と感情に関する先駆的な研究を行った人物で、20世紀の傑出した心理学者100人にも選ばれました。

 

「本人が意識していない微表情に感情が現れる」というのは、いかにも本当っぽくて説得力があるのですが、最新の研究では表情から人の感情を読み取るのは難しいとされています。

この記事では、その根拠となる実験をご紹介し、他人の心を読む力を鍛える方法をご紹介したいと思います。

 

 

表情からは感情を読み取れない!?

表情から感情を読み取れたら便利ですが、実際はそんな甘くはなさそうです。

たとえば、「男性が女性に何かを言って女性が泣き出している写真」を見せられたとしたら、あなたは女性がどのような感情を抱いていると思いますか?

 

もしかしたら、男性に酷いことを言われて傷ついているかもしれませんし、あるいは、プロポーズをされて嬉しさのあまり泣いているのかもしれません。

つまり、その場面だけを切り取った表情だけで感情を推測することは困難だということです。

 

そして、表情は割と自分でコントロールできますし、表情が意味していることも文脈や文化によって、多少異なります。

それらを証明した実験をご紹介します。

文脈や文化によって、人は違う表情をする!

アメリカ科学振興協会で発表されたオハイオ州立大学・ノースイースタン大学・カリフォルニア工科大学・ウィスコンシン大学が表情と感情に関する共同研究を行いました。

いくつかの実験が行われましたが、その実験の1つでは被験者に「男性が顔を赤くして叫んでいる、顔部分だけ写った写真」を見せました。

 

多くの被験者は、

被験者
うわーこの人、めちゃくちゃ怒ってるな!

と考え、彼は何かに向かって怒鳴っていると予想しました。

 

しかし、写真の全体像を見てみると、ゴールを決めて喜んでいるサッカー選手でした。

 

研究を率いたAleix Martinez氏は以下のように説明しています。

文脈や文化によって、人はみな違う表情をします。

笑顔の人がみな幸せ、というわけではないことに気づくことが重要です。

また幸せな人がみな笑顔なわけでもない。

極論を言えば、ニコニコしていないほとんどの人は、必ずしもアンハッピーというわけではないのです。

Podcast 『バイリンガルニュース』ep400 topic4「表情と感情」

この研究で明らかになったことは、他人の感情を読み取る際に顔の表情は確実な指標ではない可能性があるということです。

 

感情が表情に現れやすい人もいれば、表情があまり変化しない人もいます。

僕も感情を顔に出さないタイプなので、周りからはよく

  • 何を考えているか分からない
  • 感情をどこかで失くしたの?
  • 何をしているときが楽しいの?

と聞かれます。笑

顔に出ないだけで、『ONE PIECE』『鬼滅の刃』を読んでいたらめちゃくちゃ楽しいですし、驚かされたら内心、心臓が飛び上がるくらいビックリします。

マインドパレッサー
表情だけで感情を把握するのは難しいということですね。

 

この世の中には、ニコニコしていても実はうつ病気味という人もいます。

いわゆる「笑顔のうつ病」です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

表情よりも声に注目した方が的中率が高い!?

イェール大学で1800人の男女を対象とした表情・声と感情に関する実験を行いました。

被検者は3つのグループに分けられました。

  1. 顔の表情だけから、相手の感情を推測するグループ
  2. 声だけを聴いて、相手の感情を推測するグループ
  3. 顔の表情と声を聴いて、相手の感情を推測するグループ

それぞれのグループには、男女がからかい合うなど感情がコロコロ変化するシーンを見て(聴いて)もらい、感情を正しく把握できているかを調べました。

 

その結果、驚くことに②の声だけを聴いたグループが圧勝だったのです。

 

人間は視覚優位の生き物でして、外界から得る情報の約80%は視覚からの情報です。

つまり、人間は視覚に頼りすぎる傾向があるのです。

 

ちょっとした表情の変化でも、

勘違いする人①
うわっ今、眉間にシワが寄ったから、イライラしてるのかな?
勘違いする人②
おっこの子、上目遣いで俺を見てくるぞ!さては、俺に気があるな!

と安易に捉え、間違った判断をすることがあるのです。

 

もちろん、表情からはたくさんの情報が得られますし、感情もある程度は読み取れますが、表情を重視し過ぎると、誤った判断をしてしまう危険性があるのです。

他人の心を読む方法とは?

では、他人の心を読む方法はないのか?

実は他にも他人の感情・心を読む方法はあります。

その方法とは、感情知能(EQ)を高めて、共感力を鍛えるというものです。

感情知能(EQ)を高めて、共感力に磨きをかけよう!

感情知能(EQ)とは、自分自身や他者の心の動きに気づき、その気づきを使って、自分の行動や人間関係をマネジメントする力のことです。

EQを高めると、周りの人たちとの関係が良好になるだけではなく、社会的に成功しやすくなり、年収が上がるという研究もあります。

IQは遺伝によるところが大きいので、鍛えることは難しいのですが、EQはIQが低い人、高い人、外向的な人、内向的な人関係なく、鍛えることが出来るんです。

 

EQを高める方法としては、

  • 自分の感情を「良い」か「悪い」かで見ない
  • 目標を公開する
  • ドラマ、映画、本からEQを学ぶ
  • 相手に心を開いて好奇心を持つ

などの方法があります。

 

感情知能(EQ)について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

EQに関するオススメ本

 

まとめ

表情から色々なことが分かりますが、表情だけで他人の感情を読み取ることは出来ません。

あのメンタリストDaiGoさんも「表情からは何も分からない」と言ってます。

DaiGoさんは瞑想をしたり、本をたくさん読んで共感力を鍛えたそうです。

 

感情をうまく表に出せない人、ニコニコしてるけど心の中では泣いている人がこの世の中にはたくさんいます。

表情に現れていることだけが、真実ではありません。

感情知能を高めて、共感力に磨きをかけましょう!

 

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参考

Podcast『バイリンガルニュース』ep400 topic4「表情と感情」

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