仕事が大好き!という人もいるとは思いますが、僕は働かないでお金を貰いたい派です。
「働かずにどっかからお金が降ってこないかな~」とぼんやり考えていると、ふと頭の中に疑問が浮かびました。
僕は別に、札束や硬貨を集めたくて、働いている訳ではありません。その先で得られる楽しさ・喜びを感じたいから今日も必死に働いているのです。
つまり、「幸せになるために」お金を稼いでいるのです。
実は、幸せになるためにたくさんのお金は必要ありません。
そして、興味深いことに、お金は自分のために使うよりも他人のために使った方が幸せになるということが研究によって明らかになっています。
この記事では、自分のためじゃなく、他人のためにお金を使うことが幸福度を上げることを示した実験の内容とスティーブ・ジョブズが死の間際に語った最後の後悔について述べていきます。
「幸せ」はどれだけお金を持っているかではなくお金の使い方で決まる
2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマン氏は年収と幸福度の関係を調べるために調査を行いました。
すると、年収が7万5000ドルに達するまでは年収が増えると幸福度も比例して上がっていきましたが、7万5000ドルを超えるといくら年収が上がっても幸福感は上がりませんでした。
つまり、ある程度お金を持っている状態では「いくらお金を持っているか」よりも「どうやってお金を使うか」の方が幸福度を上げるために重要ということです。
それでは、幸せになれるお金の使い方について解説していきます。
お金は「自分のため」ではなく、「他人のため」に使うのが吉
カナダはブリティッシュコロンビア州にあるサイモンフレーザー大学で向社会的行動・ウェルビーイング・幸福などについて研究しているララ・アクニン教授がある実験を行いました。
その実験では、実験参加者にランダムで封筒に入ったお金を配りました。お金は5ドル or 20ドルです。
封筒にはお金と一緒に「自分のために今日の午後5時までにお金を使ってください」「他人のために今日の午後5時までにお金を使ってください」という2種類のメッセージも入っています。
つまり、封筒は以下の4種類あります。
- 5ドル‐自分のためにお金を使ってください
- 5ドル‐他人のためにお金を使ってください
- 20ドル‐自分のためにお金を使ってください
- 20ドル‐他人のためにお金を使ってください
アクニン教授はどの封筒を受け取ったグループが一日の終わりに幸福度が最も高いのかを調べました。
と思う方が大半だと思いますが、実験結果は違いました。
実は、自分のためにお金を使うよりも他人のためにお金を使った方が大幅に幸福度が上がっていたのです。そして、5ドルでも20ドルでも幸福度は変わりませんでした。
つまり、幸せになれるお金の使い方はたとえ少額でも、自分のためではなく、他人のためにお金を使うことなのです。
また、この調査では「貧困にあえいでいる人たちに寄付する」などではなく、ほんの些細な、たとえば「友達にジュースをおごる」などでも、幸福度は変わりませんでした。
なので、肩ひじ張らずに軽い気持ちで、パートナー・子ども・友達にちょっとしたものを買ってみましょう!
モノよりも経験にお金を使った方が幸せになれる
人は適応する生き物です。
右も左も分からない状態で入った会社も、時が経つにつれて慣れていきますし、異国の地での生活にも適応できます。
しかし、この“適応する能力”は「幸せ」にも当てはまります。
つまり、ずっと欲しいと思っていたモノが手に入った幸せな状態にも、すぐに慣れてしまうのです。
夢にまでみた高級車、最高にクールな腕時計、お洒落なバッグ。
これらがもたらす幸せはすぐに色あせてしまいます。
このように、幸せがずっと続かずに幸せな状態に慣れてしまうことを「ヘドニック・トレッドミル現象」と言います。
それでは、カタチがない「経験」にお金を費やした場合はどうでしょうか?例えば、旅行に。
旅行は楽しいことばかりではありません。不愛想な店員に会ったり、ボッタクられたり、料理がおいしくなかったり、バスに乗り遅れたり。
記憶はとても曖昧なもので、自分の都合の良いように飾り立てられ、都合の悪い部分は葬り去られます。
そして、あなたの中で半永久的に残り、その時のことを思い出すたびにそれは色鮮やかに蘇ります。
「モノよりも経験に費やした方が幸せになれる」。これは数多くの研究によって示されています。
【ヘドニック・トレッドミル現象についてはこちらの記事をご覧ください】
スティーブ・ジョブズの最後の後悔
知らない人はいない、Apple社の共同設立者の一人であるスティーブ・ジョブズ。
CEOに就任して以来、基本給は1ドルしか受け取っていなかったため、“世界で最も給与の安い最高責任者”と呼ばれていましたが、株やビジネスジェット機を与えられていたため、莫大な富を築いていました。
スティーブ・ジョブズ氏は2011年に胃ガンで命を落とす前に病床で最後の後悔を周りの人に伝えました。
I reached the pinnacle of success in the business world. In others’ eyes, my life is an epitome of success.
However, aside from work, I have little joy. In the end, wealth is only a fact of life that I am accustomed to.
At this moment, lying on the sick bed and recalling my whole life, I realize that all the recognition and wealth that I took so much pride in, have paled and become meaningless in the face of impending death.
‐一部省略‐
Now I know, when we have accumulated sufficient wealth to last our lifetime, we should pursue other matters that are unrelated to wealth…
Should be something that is more important: Perhaps relationships, perhaps art, perhaps a dream from younger days …
Non-stop pursuing of wealth will only turn a person into a twisted being, just like me.
【日本語訳】
私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、いま思えば仕事を除くと、喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、お金と富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。病気でベッドに寝ていると、人生が走馬灯のように思い出される。私がずっとプライドを持っていたこと、認められることや富は、迫り来る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。‐一部省略‐今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。もっと大切な何か他のこと。それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。引用:スティーブ・ジョブズの遺言、最後の後悔とは
誰もが認める成功者、スティーブ・ジョブズは一代で莫大な富を築き上げましたが、死の間際に悟りました。
終わりを知らない富への欲求を追い求めるよりも、若い頃からの夢や人間関係を大切にする方がよっぽど大切なのだと。
死ぬ瞬間の5つの後悔についてはこちらの記事をご覧ください
まとめ
少額でも他人のためにお金を使ったり、他人のために時間を使うことは自分自身の幸福度をあげます。
さらに、別の研究では他人に親切にすることは、
- 自分の寿命を伸ばす
- 自己肯定感を向上させる
などのことが分かってきています。
という方もいらっしゃると思いますが、100円、200円でも他人のために使えば、幸福度が上がります。
自分が欲しいものを買ったら、多少は幸福度が上がると思いますが、それを100円、200円で買えるとは思えません。
そう考えると、幸せになりたいなら、他人のためにお金を使った方が断然、効率的ですよね。
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