これは誰もが持ったことがある悩みではないでしょうか?
結論から言うと、人間は集中力がそんなに続かないようにできています。
言い換えると、人間の集中力があまり続かないのには、進化上の理由があるのです。
この記事では、集中力が続かない進化上の理由とは何なのかと集中力を持続させる方法を2つご紹介します。
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そもそも集中力ってどこから湧いてくるの?
そもそも人間の集中力がどこから湧いてくるのかというと、額の2~3cm奥の「前頭葉」という場所です。
人間が他の動物と大きく異なるのが、この前頭葉の大きさです。
前頭葉は「人を人たらしめ、思考・判断・計画・推測などを司る脳の最高中枢」だと言われています。
ちなみに感情や睡眠、食欲、性欲といった本能を司る部分は脳のもっと奥にあり、そこは他の動物とけっこう似ています。
集中力が続かない理由は「人間の進化」?
人の心とカラダの原型は狩猟採集時代にできたと考えられています。
そして、人間の集中力があまり続かないのは、狩猟採集時代を生き残るためなのです。
例えば、森の中で木の実を取っていたとします。
もし、木の実を取ってる人の集中力がめちゃめちゃ続いたら、木の実を取ることに没頭します。
そして、静かに近づいてくる猛獣に気付けず、食べられてしまいます。
恐らく、そういった集中力が続く人は猛獣などに襲われて自然淘汰されていき、我々の祖先のそんなに集中力が続かない人が生き残ったと考えられます。
と自分を責めたり、他人を責めるのはもう止めましょう!
集中力が続かない理由は分かったけど、現代人は学校の勉強したり、仕事したり、集中しないといけない時があるんだよなぁ。
何か集中力を持続させる方法はないのかな?
現代人は集中しなくちゃいけない時が多いですよね。
では、人間の脳の特性を使った集中力を持続させる方法を2つご紹介します。
集中を持続させる2つの方法
人間の集中力があまり続かないのは、狩猟採集時代に猛獣から不意打ちを受けずに生き残るためでした。
しかし、現代人は集中が求められる場面が多い。
そこで、ここでは脳の特性を使った集中力を持続させる方法を2つご紹介します。
①脳のエネルギーを節約する
実は人間は一日に約50,000回も意思決定を行っています。
朝起きてから、「朝ご飯は何食べよう」「靴は何を履こう」「会社行かないといけないかな?」などなど、約50,000回も意思決定を行っているんです。
この疲れた状態を心理学では「判断疲れ」といいます。
夜にぐっすり眠ることで、脳は回復し、朝起きた時が脳が一番働くゴールデンタイムになります。
よく例えられるのが、朝の脳は何も乗っていない机で、時間が経つにつれて、筆箱、お菓子、飲み物などがのっかりごちゃごちゃしてくるといったイメージです。
スティーブ・ジョブズが同じ服を着続けた理由
スティーブ・ジョブズがいつも黒のタートルネックにジーンズ、スニーカーという同じ服装をしていたのは有名な話です。
他にもfacebookのマークザッカーバーグなどの著名人も同じ服を着ています。
あと、メンタリストDaiGoさんはあらかじめ、上下のコーディネートを1週間分用意していて、それをローテーションで着ているそうです。
なぜ、彼らが同じ服を着ているのかというと、なるべく無駄な意思決定を排除して、脳のエネルギーを節約しているんです。
ちなみに同じ服を着ることは別のメリットもあります。
例えば、カフェでコーヒーを飲んでいると、色んなアイディアが浮かんできたとします。
後日、また同じように何かアイディアが欲しいと思って、カフェに行ったとしても、必ずしもアイディアが生まれてくる訳ではありません。
最初にアイディアが浮かんだのは、そのカフェのおかげかもしれませんし、コーヒー、天気、服装などなど、様々な要因があるので、アイディアが浮かんだ要因を特定するのは難しいです。
でも、同じ服装であれば1つ要因が消えるので、再現性が高くなります。
行動を習慣化する
脳のエネルギーを節約する方法として、行動を習慣化するというのがあります。
例えば、自転車の乗り方を覚えるときに、最初は右足を踏み込んで、バランスをとりながら左足、という風に前頭葉をフルで使いますが、自転車を乗るのに慣れてくると、ほぼ無意識に乗れるようになります。
無意識でも乗れる、つまり習慣化されてくると、前頭葉はあまり使われず、代わりに頭の後ろの方にある「小脳」が働いてくれるので、前頭葉のエネルギーを節約できるという訳なんです。
②運動と瞑想で脳のエネルギーの総量を増やす
脳のエネルギーの総量を増やす方法とは、ずばり運動と瞑想です。
運動をすると、脳由来神経栄養因子(BDNF:Brain-Devided Neurotrophic Factor)と呼ばれる物質が分泌されます。
これは脳にとっての肥料のようなもので、新しい脳細胞や脳細胞同士のネットワークの構築を促します。
つまり、運動をすると、文字通り頭が良くなります。
運動の効果についてはこちらの記事をご覧ください。
瞑想で脳を鍛える
しかし、瞑想の効果は脳科学の分野でもしっかり認められています!
瞑想の効果をざっと挙げると、
- ストレスレベルが下がる
- 感情のコントロール力が上がる
- 睡眠の質が上がる
- ワーキングメモリが向上する
などと、たくさんのメリットがあります。
瞑想をすると、勉強したことが記憶に定着しやすいという効果もあります。
人間の脳波は普段の活動中‐ベータ波(14~30Hz)
目を閉じてリラックスしている時‐アルファ波(8~14Hz)
浅い眠りのとき‐シータ波(4~8Hz)
深い眠りのとき‐デルタ波(0.5~4Hz)
瞑想をやり始めてまもない頃は瞑想をするとアルファ波が出ますが、長年瞑想をやっていると、浅い眠りのときに出るシータ波が出るようになります。
シータ波が出ている時に、脳は海馬で記憶の整理を行ってるので、勉強したあととかに瞑想を行うと記憶が定着しやすくなります。
瞑想をすると、海馬が大きくなるという研究もあるくらいです。
アルツハイマー病になると、真っ先に萎縮する部分が海馬なので、瞑想はアルツハイマー病予防にも効果があると考えられます。
瞑想は1日に30分ほどが理想ですが、継続が大切なので、1日1分とかから始めて、3分、5分と少しずつ伸ばしていくのが良いと思います。
まとめ
人間の原型ができた狩猟採集時代は、一つのことに集中していると、猛獣が近づいてくるのに気づかずにやられてしまっていました。
そのため、人間の集中力はあまり長続きしないようになりました。
しかし、現代では猛獣に襲われることはなくなった上、集中力が続かないと色々なことに支障をきたします。
この記事では、集中力を持続させる方法として、「脳のエネルギー節約する」「脳のエネルギーの総量を増やす」をご紹介しました。
集中力が続かなくて困っているという方はぜひ、やってみてください。
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【参考文献】
このDaiGoさんの本は僕が心理学に興味をもつきっかけとなった本です。
脳について、全然分かってないと思っていたけど、分かっていることも結構あるんだ!と衝撃を与えてくれました。
この本は人生で1回は読んだ方が良いと強くオススメできます。
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