日本人が乗り物内で席を譲れない理由!傍観者効果と多元的無知とは?

日本人ってバスや電車の中で席を譲るのが苦手ですよね。

 

その理由として挙げられるのが、

  1. 周囲に人が居て、「うわっ良い人ぶってるよ」と思われるのが嫌だ
  2. 誰か他の人が譲るだろう

と考えるからです。

 

この記事では、日本人が乗り物内で席を譲れない理由や集団内において人が陥りやすい心理を解説します。

 

日本人が乗り物内で席を譲れない理由!傍観者効果とは?

人が他者を助けようという時に足かせとなるのが、周りの人の存在です。

自分と助けが必要な人だけの状況なら、高い確率で援助行動が出来るのに、周りに人が多ければ多いほど、援助行動が出来なくなります。

周囲に人がいると「誰か他の人が助けるだろう」「周りの人が助けに入らないんだから、大した状況じゃないのかな」と考えてしまい、援助行動を行いにくくなるからです。

これを傍観者効果と呼びます。

 

傍観者効果はアメリカの心理学者ラタネ,B.とダーリー,J.M.が提唱しました。

ちなみに英語では「bystander effect(バイスタンダー エフェクト)」と言います。

ラタネとダーリーの集団心理に関する実験

ラタネとダーリー(1970,竹村・杉山訳)は「傍観者効果」を実験で発見しました。

内容は以下の通りです。

  1. 実験に参加する大学生は、マイク付きのヘッドホンを渡され、別室にいる別の参加者と生まれ育った環境について話す
  2. 実験者は話の内容に影響が出ないよう、内容は聞かないと伝えられる
  3. マイクは順番に2分づつスイッチが入り、交互に話す

※実際は参加者の大学生以外に参加者はおらず、マイクからは録音された音声が流れるだけなのですが、参加者の大学生は知りません。

 

実験が始まるとすぐに、別室に居ると思っている参加者の発作に苦しむ声がマイクから流れてきます。

参加者の大学生は、実験者はこの会話を聞いてないと思っているので、急いでこの緊急事態を伝えなければと考えます。

そのときの助けを呼びに行くため、個室から出る時間を計測しました。

 

傍観者効果を調べる為に、3つのグループに分けられました。

1つ目は、大学生たちの会話を聞いている傍観者が0人と伝えられるグループ

2つ目は、傍観者が1人と伝えられるグループ

3つ目は、傍観者が4人と伝えられるグループ

 

個室から出る時間を計測したところ、

傍観者0人と伝えられたグループが最も早く、次いで1人、4人となりました。

つまり、傍観者の存在が援助行動を抑制してしまい、援助行動に移るまでに時間がかかってしまったと考えられます。

援助行動を抑制してしまう多元的無知とは?

ラタネとダーリーの実験で傍観者が多いほど援助行動が起こりにくかったのには、多元的無知も影響していると考えられます。

 

多元的無知とは、「他者の真意を正確に推測できないために、実際とは違う認識が共有されていると思い込んでしまうこと」です。

実験のときでいうと、「4人も傍観者がいて、行動しないんだからきっと大したことないんだ」と思い込んでしまうということです。

救命講習で「誰か○○」ではなく、「あなた○○」と言うのは責任の分散を防いでいる

困っている人の周りに自分以外の人がいれば、その人の責任も分散したように感じられ、援助行動を抑制します。

 

学校や運転免許を取る時に、救命講習を受けると思います。

誰かが倒れているのを発見した際に、その人の意識・呼吸の有無を確認し、必要であれば、周りの人に救急車を呼ぶようお願いします。

このとき「誰か119番通報をお願いします!」ではなく、

あなた119番通報をお願いします!」と言うように習います。

 

その理由は、1分1秒を争う状況で「誰か呼んでくれるだろ?」とみんなが思って、すぐに救急車を呼ぶことが出来ないという事態を防ぐために、「あなた」とピンポイントで指名することで責任の分散を防いでいるからです。

最後に

これは余談ですが、上記のような状況において、女性の方が男性よりも生存率が低いそうです。

それは女性が倒れていても、「人工呼吸をしていいのか分からない」とか「心臓マッサージの時、服をずらしていいのか分からない」と言った心理が働くからだそうです。

確かに、男性からしたらちょっと気が引けますが、命がかかっている場面ではそんなことを言ってらんないですよね。

 

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