「人間関係リセット症候群」リセットしたくなる心理と性格特性とは

  • 人間関係が続かない。
  • 人間関係を持ってもすぐに嫌になる。
  • 最初はうまくいくけど、途中から人間関係に疲れてしまう。

上記の項目に当てはまるという方はもしかしたら、「人間関係リセット症候群」かもしれません。

人間関係リセット症候群の方はSNSアカウントの削除、LINEのブロック、退職などの方法で人間関係をリセットします。

 

マインドパレッサー
僕は最近「人間関係リセット症候群」という言葉を知りました。そして、自分にもすごい心当たりがあるなと感じています。

僕は公認心理師実務従事者として、医療機関で働きながら公認心理師の資格取得に向けて、日々研鑽を積んでいる者です。

この記事では、人間関係をリセットをしたくなる心理やその人の性格特性について解説します。

 

「人間関係リセット症候群」リセットしたくなる心理

「人間関係リセット症候群」リセットしたくなる心理

人間関係をリセットする方の心理としては、以下のことが考えられます。

  • 心の叫び「わたしのことを分かって欲しい」
  • 見捨てられ不安が強い
  • 曖昧さ耐性がない
  • 話し合いスキルが低い

それでは、一つずつ解説していきます。

心の叫び「わたしのことを分かって欲しい」

人生の中で理解してくれる経験が少ない、または経験がない人は「わたしのことを分かって欲しい」と心の中で思っています。

「わたしのことを分かって欲しい」という思いが強い人は、新しい人間関係で「この人なら分かってくれるかな?」と思い仲良くします。

 

でも、「なんか違う」と思ったら、勝手にがっかりして、人間関係をリセットしてしまう可能性があります。

見捨てられ不安が強い

見捨てられ不安」は、自分の周りの人間関係が壊れてしまうのではないかと強い不安や孤立感を感じることをいいます。

マインドパレッサー
あなたは人間関係において、見捨てられるかもしれない、信頼を裏切られるかもしれない」と得体の知れない不安でどうしようもなくなってしまうことはありませんか?

 

見捨てられ不安は、マーラーというオーストリア生まれの精神科医の女性によって名づけられたものです。

マーラーは、発達心理学に関する理論を多く発表しました。

研究の過程で「生後 15 か月の子どもは母親から離れることを特に恐れるようになる」ということを発見したことから、見捨てられ不安と名づけました。

 

例えば、付き合っているパートナーからの連絡が来なくなると、

見捨てられ不安
どうして連絡がこないんだ...。もしかして嫌われた?自分を裏切る気?

と見捨てられるかもしれないという考えがぐるぐると頭の中を駆け巡り、すごく辛くなります。

こんなことが続くなら、いっそ関係を切ってしまった方が楽ということで人間関係をリセットするのです。

 

曖昧さ耐性がない

「曖昧さ耐性がない」とは以下のような心理状態です。

  • 中途半端な状況だと不安になる。
  • 白黒つかない状態が耐えられない。
  • 好きか嫌いかハッキリさせたい。

 

例えば、付き合ってるのか付き合っていないのか曖昧な関係のパートナーがいるとします。

曖昧さ耐性のない人の場合、相手が煮え切らない感じだと、「あーもういい!」と関係を切ってスッキリしたくなります。

 

人間関係リセット症候群のタイプ

人間関係をリセットする人の性格傾向

人間関係リセット症候群は「サイコパスタイプ」と「擬態・過剰適応タイプ」の2つに分けられます。

それぞれどんな特徴・性格傾向があるのかを解説していきます。

サイコパスタイプ

サイコパス(英語:psychopath)は良心の呵責がなく、自分の利益のためなら他人を傷つけても構わないと思っている人です。

攻撃的で衝動的、無責任な行動が多くみられます。

そのため、サイコパスタイプは学校を卒業した後や退職後に、自分に役に立たないと思った人間関係はバッサバッサ切っていきます。

 

ちなみに“サイコパス”は「反社会性パーソナリティ障害(ASPD:Antisocial Personality Disorder)」というパーソナリティ障害の一種です。

 

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

擬態・過剰適応タイプ

擬態・過剰適応タイプは周りが求める役割を無理に演じることで疲れてしまい、人間関係をリセットします。

人は一貫して同じ役割を演じている訳ではなく、所属するグループによって異なる役割を取っています。

例えば、職場なら上司として責任を背負う自分、家庭では奥さんに甘える自分、友人といる時は無邪気で明るい自分などなど。

 

ある友人グループでは物静かでほとんど話さない役割を取っている人が、違う友人では明るく振舞う役割を取ることもあります。

そうした人の中には、明るく振舞う役割を演じることに疲れてしまい、転居などに伴って、その友人グループメンバーのLINEを削除して、人間関係をリセットする人もいます。

 

擬態・過剰適応タイプの人の特徴は以下の通りです。

  • 感受性が強く、感情の起伏が激しい。
  • 白黒思考をベースとした完璧主義。
  • 周囲の視線や社会のルールを気にする。
  • 人付き合いが面倒だと感じる。
  • 素の自分を出すのが苦手。
  • 自分に自信がなく、自己肯定感が低い。

 

まとめ

  • 人間関係リセット症候群の特徴は「人間関係が続かない」「人間関係を持ってもすぐに嫌になる」「最初はうまくいくけど、途中から人間関係に疲れてしまう」
  • 人間関係をリセットする人の心理「心の叫び「わたしのことを分かって欲しい」「見捨てられ不安が強い」「曖昧さ耐性がない」「話し合いスキルが低い」
  • 人間関係リセット症候群は「サイコパスタイプ」と「擬態・過剰適応タイプ」の2つのタイプに分けられる。
  • サイコパスタイプは自分の利益にならないと思ったら、人間関係をどんどん切っていくタイプ。
  • 擬態・過剰適応タイプは周りが求める・期待する役割を演じることに疲れてしまい、人間関係をリセットするタイプ。

 

僕個人の意見としては、人間関係をリセットすることは悪いことではないと思っています。

まぁ僕自身が過去に少なからずやってきたからというのもありますが。笑

嫌なことに立ち向かうことも大切ですが、ときには逃げ出すことも自分を守るために大切だと思います。

 

進化心理学者のロビン・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar)氏曰く、人間一人が他者と交流を持てる人数は約150人程度だそうです。

150人には数年に1回しか会わない人も含まれているので、親しい付き合いの人は30人ほどです。

これはそもそも人間が狩猟採集の時代に小集団で暮らしていたからだと考えられています。

少人数としか関係を維持することができないなら、本当に自分が大切に思っている人とだけ付き合う方が合理的ですよね。

 

【あわせて読みたい】

 

【参考資料】

Direct Communication 「人間関係リセット症候群の心理,癖」

 

 

鈴木祐「 100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出した 最高の体調」CROSSMEDIA PUBLISHING

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。