行動分析学から学ぶ「行動の機能」。あなたの行動は簡単に説明できる。

挙手する犬
Photo by Camylla Battani on Unsplash

道端で手を挙げている人がいるとします。

あなたはその人は何をしていると思いますか?

 

おそらく以下のようなことを考えたのではないでしょうか。

  • タクシーをとめようとしている。
  • 待ち合わせをしていて、相方に合図している。
  • 日差しが強いため、手で日陰を作ろうとしている

このように「手を挙げる」という行動一つとってみても、このように様々な機能があるのです。

 

行動分析学では、行動の「見た目」は重視しません。大切なのは、行動の「機能」です。

そして、行動の機能は以下の4つしかありません。

  1. 物や活動が得られる。
  2. 注目が得られる。
  3. 逃避・回避できる。
  4. 感覚が得られる。

 

この記事では、上記の行動の機能を具体例をあげながら、分かりやすく解説していきます。

自分がいつも取りがちな行動を客観的に振り返ってみたり、子どもの行動を理解することにも役立つ内容です。

 

【引用文献】

 

行動分析学から学ぶ「行動の機能」。あなたの行動は簡単に説明できる。

行動分析学(英語:Behavior Analysis)」は「人はなぜその行動をとるのか」を分かりやすく説明でき、堅苦しくなく“使える”心理学です。

 

例えば、スーパーのお菓子売り場で自分の子どもが「チロルチョコが欲しい」と床に転げまわって駄々をこねているとします。

他のお客さんの迷惑になるからとチロルチョコを買い与えると、子どもは以下のことを学習します。

チロルチョコ

そして、恐らく次からスーパーのお菓子売り場に来ると同じ事が起こるでしょう。

周りからはただ単にわがままを言っているように見える行動でも、その子どもにとっては「チロルチョコを得るため」という機能を持った行動なのです。

行動の機能は以下の4つにまとめられます。

 

①物や活動が得られる。

物や活動が得られる
Image by Pezibear from Pixabay

行動の機能1つ目は、特定の事物や活動などの触れられる報酬を得られることです。

先ほど紹介したチロルチョコの例やお金を稼ぐために働くこともそうですし、以下のような行動も「物や活動が得られる」行動に当てはまりますね。

甘える

 

②注目が得られる。

注目が得られる
Photo by Marten Newhall on Unsplash

行動の機能2つ目は、他者からの注目などの手に取ることはできないような社会的な報酬を得られることです。

例えば、弟が生まれて母親が相手をしてくれなくなり、兄が赤ちゃんに戻ったような振舞いをする場合などですね。

注目

これは「退行」と呼ばれる防衛機制で、無意識に自分を守るための機能でもあります。

防衛機制についてはこちらの記事をご覧ください。

 

③逃避・回避できる。

逃避・回避ができる
Image by Gerd Altmann from Pixabay

行動の機能3つ目は、その場にある嫌なことから逃れる、または嫌なことが起こりそうな場面を回避できることです。

例えば、パートナーが楽しみにしていたアイスクリームを勝手に食べて、パートナーから詰め寄られる場面などですね。

問い詰め

 

④感覚が得られる。

感覚が得られる

行動の機能4つ目は、特定の感覚的な報酬が得られることです。

例えば、お香を焚いていい香りに包まれ、リラックスする場合などですね。

お香

行動の機能を知るとウソを見抜ける

行動の機能を知るとウソを見抜ける

「学校へ行きたくない」と子どもが言い出しました。

理由を尋ねると、「お腹が痛いから」と答えました。

さて、あなたはどうしますか?

 

本当にお腹が痛い場合もありますが、もしかしたらどの子にとって別の機能があるのかもしれません。

それを知るためには、学校を休んでどのような過ごし方をしているのかを確認する必要があります。

 

もし、家でマンガを読んだり、ゲームをして過ごしているなら、「お腹が痛い」というのは口実で「物や活動が得られる」機能があるのかもしれません。

もし、やたらと母親の近くに居ようとするのなら、母親から「注目を得られる」という機能があるのかもしれません。

 

行動の機能を分析するためには、行動の「見た目」ではなく、行動の「機能」に注目する必要があるのです。

子育てでも、人付き合いでも、特定の行動がその人にとってどんな機能を持っているのかを考えてみると、適切な行動がとれるようになります。

 

まとめ

  • 行動分析学は「人はなぜその行動をとるのか」を分かりやすく説明できる“使える”心理学。
  • 行動には「物や活動が得られる。」「注目が得られる。」「逃避・回避できる。」「感覚が得られる。」という4つの機能がある。
  • 行動の機能を分析するためには、行動の「見た目」ではなく、行動の「機能」に注目する必要がある。

 

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