【一部ネタバレ注意!】
ホアキン・フェニックス演じる悪のカリスマ「ジョーカー」
彼は自分の意志とは関係なく、突然笑い出してしまう、脳神経の病を患っていた。
バスの中で子どもを笑わせてて、その子の親に注意されたときも。
地下鉄で絡まれたときも。
トーマス・ウェインと対面したときも。
そして、周りから冷たい目で見られ、言われるこの一言 「何がおかしい?」
このように「笑い」は本来、好ましいものですが、状況が間違えば不快で不気味ものになります。
この記事ではジョーカーが患っている可能性がある精神疾患について解説しています。
「ジョーカー」の笑う病気は実在するのか!?
笑いたくもないのに笑ってしまう。
現実に存在する笑いの病を4つご紹介します。
解体型(破瓜型)統合失調症
解体型(破瓜型)統合失調症の症状は、
- 思考がまとまらない
- 感情の変化が激しい
- 行動が予測不能
- その場にそぐわない行動をとる(おかしくないのにクスクス笑うなど)
- 自己満足的・自己陶酔的な笑いをする
- 妄想・幻覚
「破瓜(はか)」とは思春期を意味する言葉で、この病も通常15~25歳で発症します。
他のタイプの統合失調症に比べて発症時期が早く、思春期に発症する人が多いため、この名称になりました。
ホアキン・フェニックス演じるジョーカーには、突然笑い出してしまう症状の他に妄想癖もあったので、もしかしたらこの病気なのかもしれません。
失笑恐怖症
失笑恐怖症は別名「笑い恐怖症」とも呼ばれる対人恐怖症の一つです。
お葬式、結婚式、面接など緊張を伴う場面で、緊張をほぐすために別に面白くもないのに、笑いが込み上げてくるという病です。
まさに僕がこの失笑恐怖症でした。
この記事を執筆するにあたって色々調べてたら、「えっ!?これって自分じゃん!」って思い、本当にびっくりしました。
今でも記憶に残っているのが、大学生の時の就活の面接中に、あまり意識はしていなかったのですが、僕は緊張からニヤニヤしてしまっていたそうで、面接官から怒られました。
当然、その企業は落ちてしまいました。
もう一つのエピソードが就職してから、クレームを言ってきたお客さんの対応をしているときに、またもやニヤニヤしてしまいました。
お客さんは「何がおかしいのよ!」と大激怒。
緊張感が高まる、絶対笑ってはいけないときに限って、笑ってしまう。
本人には、悪気があるわけではないのに。
あの蛭子能収さんもこの失笑恐怖症だそうです。
蛭子さんが「自分は失笑恐怖症だ」と告白して、広くこの病が認知されたので、「蛭子病」とも呼ばれています。
ジョーカーも緊張が高まる場面に限って笑っていたので、この病の可能性もあります。
トゥレット症候群
トゥレット症候群は、1000~2000人に1人の割合で発症する脳機能の障害で、主な症状に「チック」があります。
チックは「運動チック」と「音声チック」に分けられます。
運動チックの症状
- まばたき
- 首振り
- 腕振り
- 顔をしかめる など
音声チックの症状
- 咳払い
- 鼻をならす
- 奇声を発する
- 卑猥な言葉や汚い言葉を言う など
トゥレット症候群は本人の意思とは関係なく症状が出るし、トゥレット症候群になりやすい性格として、「真面目で完璧主義」「ストレスをためやすい」人がなりやすいとされています。
ジョーカーはセラピストとの会話の中で、
All I have are negative thoughts(ネガティブな考えしかない)
と言ってるので、ストレスをためやすい性格ということが言えます。
情緒調節障害
情緒調節障害は自分の意思とは関係なく、突然泣いたり、笑ったりといった「情動発作」を特徴とする神経性障害の一つです。
情緒調節障害の人は情動発作の出現や感情の変化を自覚することもありますが、多くの場合、自分ではコントロールできず、症状は数分間によって持続します。
症状が出現すると、何でもない場面なのに泣き出す、怒りを感じているのに笑い出すなど、場にそぐわない感情表現をします。
情緒調節障害は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症などの神経変性疾患や頭部外傷などに併発してみとめられます。
アーサーもまさに、場にそぐわない感情表現を用いていたので、情緒調節障害の可能性があると考えられます。
R指定映画では異例の大ヒット!
映画「ジョーカー」が異例の大ヒットを記録しています。
R指定映画としては、MARVEL(マーベル)の「デッドプール」を抜き、その興行収入はなんと、1000億円にものぼります。
そのほか、
- 「第76回ヴェネツィア国際映画祭」のコンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞
- 「第77回ゴールデングローブ賞」4部門にノミネート
- 「第25回放送映画批評家協会賞」7部門にノミネート
- 「2020年全米映画俳優組合賞」2部門にノミネート
- 日本での観客動員数は343万人超え
など、記録をどんどん塗りかえていきました。
「共感性羞恥」の人は観るのがツライかも
「ジョーカー」は他のDC映画のように見終わったあとの爽快感はこの映画には一切ありません。
むしろ、映画を見終わったあと、何とも言えない気持ちになり、気分が落ち込みます。
特に「共感性羞恥」の傾向がある人にとっては、見ていられないシーンが所々に出てきます。
共感性羞恥は映画やドラマなどを観ているときに、登場人物が「これから恥をかく」というシーンになると、いたたまれなくなって、画面を観ていられなくなるという症状です。
僕には、この共感性羞恥の傾向があります。
実際、共感性羞恥の僕も映画「ジョーカー」の中で、アーサーが自分のネタを披露するシーンなど、いたたまれなくなるシーンがいくつかありました。
【共感性羞恥についてはこちらの記事をご覧ください】
でも、僕は人生で一度は見るべき映画だと思います。
それはこの映画が現代の格差社会の闇を浮き彫りにしており、あなたの人生とも無関係ではないからです。
見ているうちに、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーにどんどん魅了され、引き込まれていくことでしょう。
ジョーカーのことが大好きな「ハーレイ・クイン」の映画も公開予定
2020年3月20日に『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が公開しました。
『スーサイド・スクワッド』に登場し、一躍有名になった「ハーレイ・クイン」主役のこの映画。
『スーサイド・スクワッド』と同じマーゴット・ロビーが本作でもハーレイ・クインを演じ、さらにプロデュース・製作総指揮を兼任します。
この映画もオススメです。
【あわせて読みたい】
【BlogPickerオススメ記事】
▼このブログを応援する▼