コロナ禍でADHDの症状が増加!その理由と対策を詳しく解説

 

コロナウイルスが広がり、みんなの生活は大きく変わりました。

学校が休みになったり、友達に会えなくなったりして、不安な気持ちになる人も多かったと思います。

特に、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ子どもたちは、コロナの影響で普段以上に大変な思いをしたと言われています。

 

この記事では、ADHDの子どもたちがどのような変化を経験したのか、なぜ症状が悪化したのかについて、具体的に説明していきます。

 

 

【この記事を読んで分かること】

  • コロナ禍でADHDの症状が悪化し、集中力の低下や落ち着きのなさが目立つようになった。
  • 学校の休校やオンライン授業が、ADHDの子どもたちにとって特に厳しい環境だった。
  • 年齢や性別による大きな違いはないものの、ADHDを持つすべての子どもたちに共通して症状の悪化が見られた。
  • ADHDの子どもたちには、今後もっとサポートが必要であり、家族や学校の協力が欠かせない。

 

 

 

コロナ禍でADHDの症状が増加!その理由と対策を詳しく解説

まずはADHDとは何かについて説明します。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、発達障害の一つで集中するのが苦手だったり、じっとしていることが難しかったりする障害です。

学校では、授業中に先生の話を最後まで聞けなかったり、家でも宿題を始めてもすぐに他のことが気になってやめてしまったりします。

 

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コロナがADHDに与えた影響

コロナがADHDに与えた影響

メタ分析の結果

2023年に発表された研究では、コロナがADHDの子どもたちにどのような影響を与えたかが詳しく調べられました。

この研究では、世界中の6,000人以上の子どもたちを対象にして、コロナの前後でADHDの症状にどんな変化があったのかを分析しています。

その結果、集中できない「注意欠陥」や、じっとしていられない「多動性」の症状が悪化したことがわかりました。

 

例えば、普段でもじっとしていられない子が、家でのオンライン授業ではさらに気が散ってしまい、授業に集中することができなくなりました。

これにより、学業の成績が下がったり、家庭内でのトラブルが増えたりするケースが増えたのです。

 

年齢・性別による影響の違い

この研究では、年齢や性別による大きな違いはほとんど見られませんでした。

男の子は一般的に多動性の症状が強く出ることが多いですが、コロナの影響に関しては男女問わず症状が悪化していることがわかりました。

また、幼い子どもから中学生くらいまで、年齢に関係なく同じようにADHDの症状が悪化しているという結果が出ています。

 

オンライン授業が与える集中力の問題

オンライン授業が与える集中力の問題

コロナ禍では多くの学校がオンライン授業に切り替わりました。

最初は便利に思えたかもしれませんが、家の中で授業を受けることには多くの問題がありました。

例えば、授業中に家族の声が聞こえたり、テレビやおもちゃが近くにあったりして、どうしても集中が途切れてしまいます。

 

学校では先生がすぐに注意してくれますが、家では誰も見ていないため、気が散りやすくなるのです。

たとえば、普通の授業だと「もう少しで休み時間だから頑張ろう」と思えるかもしれませんが、家にいると「ちょっとだけゲームをしよう」という気持ちが生まれやすくなります。

 

これが、ADHDの子どもたちにとって大きな障害となり、授業に集中できないだけでなく、次の授業にも遅れるなどの問題が起こります。

オンライン環境は、ADHDの子どもたちにとって、さらに厳しい状況を作り出してしまったのです。

 

今後どうサポートしていくべきか

今後どうサポートしていくべきか

ADHDを持つ子どもたちが、このような状況に置かれたときに、どのようにサポートすれば良いのでしょうか。

まず、子どもたちが集中できる環境を整えることが大切です。

例えば、オンライン授業の時は、テレビやおもちゃが見えない場所に机を置いたり、家族が静かにして授業に集中しやすい環境を作ってあげることが必要です。

 

また、学校側も、ADHDの子どもたちがどうして授業に集中できないのかを理解し、その子どもたちに合ったサポートを提供することが求められます。

例えば、授業中に休憩時間を増やしたり、特別に集中しやすい教材を使ったりすることで、少しずつ集中力を取り戻す手助けができます。

 

家族や先生たちの協力で、ADHDの子どもたちが少しでも安心して学べる環境を作ることが、今後の大きな課題です。

彼らが安心して過ごせるようなサポートがあれば、コロナ禍の中でも子どもたちは自分のペースで成長し続けることができるでしょう。

 

まとめ

コロナによってADHDの症状が悪化したことは事実ですが、適切なサポートと理解があれば、その影響を最小限に抑えることができます。

子どもたちの未来を明るくするためには、家族や学校が協力して彼らをサポートすることが何よりも大切です。

 

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【参考文献】

Maria A. Rogers, Jaidon MacLean(2023) ADHD Symptoms Increased During the Covid-19 Pandemic: A Meta-Analysis Journal of Attention Disorders 2023, Vol. 27(8) 800 –811

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。