人間が直立二足歩行になった理由と問題。なぜ人類は立ち上がったのか

科学雑誌のNewtonを読んでいたら、面白い記事があったので紹介します。

その記事とは「人間が直立二足歩行になることによって生まれた問題」です。

 

自分たちが二足歩行なのは当たり前のこと過ぎて、あまり考えたことがないですよね?

そこで、この記事ではなぜ人間が直立二足歩行になった理由と直立二足歩行になったことで生じた問題などをご紹介します。

人間が直立二足歩行になった理由

人間が直立二足歩行になった理由

ズバリ結論から申し上げますと、人間が直立二足歩行になった理由は、頭が大きくなりすぎて首だけで支えるのが困難になったからです。

四足歩行をしていると、首だけで頭を支えなければいけません。

しかし、頭があまりにも大きくなったため、首への負担がすごいことになってしまいました。

そこで直立二足歩行になることで、首だけでなく、身体全体で大きな頭を支えるようになったのです。

そもそも、なんで人間の脳は大きくなったんだろう?

人間の脳が大きくなった理由

人間の脳が大きくなった理由には、さまざまな仮説があります。

その中で僕が「なるほど!」と思った仮説を紹介します。

 

人間はかつて自然界では、とても弱い存在でした。

獲物を見つけてもライオンやトラが最初に食べて、次にハイエナなどが残りをあさり、やっとこさ人間の番が来る頃には、あまり食べるところが残されていませんでした。

そんなツライ状況で人間が何を食べていたのかというと、「背骨に守られて残っていた骨髄」をすすっていたのです。

マインドパレッサー
「骨髄をすすっていた」と聞くと、ギョッとするかもしれませんが、骨髄にはカルシウム・リン・脂肪分が豊富で血液を作る栄養素がたくさん含まれているため、とても栄養価が高いのです。

栄養素がたくさん入っている骨髄を人間が摂取していたため、人間の脳が他の動物に比べて発達したのではないかという仮説です。

直立二足歩行になったメリット

直立二足歩行になったことで、次のような変化が起きました。

  1. 手が使えるようになった
  2. 言葉による複雑なコミュニケーションが可能になった
  3. 赤ちゃんが未熟な状態で生まれるようになった

手が使えるようになった

四足歩行のときは手は歩くために使っていました。

しかし、直立二足歩行になったことで歩くために使っていた手が自由に使えるようになり、道具を持てるようになりました。

また、手を使うようになり、さらに脳が発達しました。

マインドパレッサー
子どもにピアノを習わせると頭が良くなるってよく言われますよね?それです。

言語による複雑なコミュニケーションが可能になった

四足歩行のときは、獲物を食べるのに口を地面に近づけて食べていたため、口がイヌのように少し突き出ていました。

しかし、手を使って食物を食べられるようになったので、口が前に突き出ていなくても食べられるようになりました。

そのため、口が引っ込んで喉の構造が変化しました。

そのおかげで複雑な音を出すことが出来るようになり、言語によるコミュニケーションがとれるようになりました。

赤ちゃんが未熟な状態で生まれるようになった

女性の産道が直立二足歩行により垂直化したことで、人間の赤ちゃんは他の動物に比べて未熟な状態で生まれるようになりました。

生物は子孫を残すため「離巣性」か「留巣性」という戦略をとります。

離巣性では、出生児数は少ないけど、すぐに走り回れるくらい良く発達した状態で生まれてきます

牛や馬などは離巣性です。

 

一方の留巣性は出生児数は多いものの、未熟な状態で生まれてきます。

カエルや鮭、ねずみなどは留巣性です。

 

人間の赤ちゃんはどうでしょうか?

出生児数は少ないけど、未熟な状態で生まれてくるという離巣性と留巣性の中間です。

実は人間は進化史上新たに発生した戦略「二次的留巣性」という方法をとります。

人間の赤ちゃんは他の哺乳類と比べると1年ほど未熟な状態で生まれてきます。

 

それには、深いわけがあるのですが、それについてはこちらの記事をご覧ください

立ち上がったことで生まれた問題

直立二足歩行になったことで以下のようなの問題が生まれました。

生まれた問題
  1. 立ちくらみが起こるようになった
  2. 頸部脊椎症→背骨(脊椎)のうちの首の部分が変形し、神経が圧迫され、しびれたりする
  3. 椎間板ヘルニア(腰痛)
  4. 股関節炎
  5. 膝関節炎
  6. 血栓性静脈炎→静脈内に血液のかたまり(血栓)ができ、炎症を起こす

メリット+デメリット=トレードオフ

人間は直立二足歩行になったことで、手が使えるようになったり、コミュニケーションが円滑になったなどの恩恵を受けることができましたが、腰痛やさまざまな病気にもなりやすくなりました。

こうしたメリットとデメリットの関係は、進化医学では「トレードオフと呼ばれます。

現在でも、僕たち人間が直立二足歩行をしているのは、そうしたデメリットよりもメリットの方が大きかったことを意味しています。

実はこうしたトレードオフは進化医学の視点からみると、よく見られます。

「痛風」もその一つです。

 

進化医学とは、僕たちの心や身体の構造には何らかの進化的意味があるのではないかと考え、そういった視点で生物進化の歩みを振り返り、なぜ人間が病気にかかるようにできているのかを理解しようという取り組みのことです。

進化医学はすぐに治療に役立つというものではありませんが、病気のなりたちを深く理解するのに重要な考えなので、近年、注目が高まっています。

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。