もし、答えが「単語帳をしっかり眺めて、頭に叩き込む」なら、かなり勿体ないことをしています。
単語帳を見て頭に叩き込むやり方をしている方は、何度もその単語を見ることで覚えられると考えていると思いますが、脳はそのようには出来ていません。
脳が記憶に残しておくべきかの判断は「どれくらいアウトプットするか」です。
こんな感じで判断します。
注意していただきたいのが、「この情報に出会う機会が多いな。よし!記憶に残しておこう!」ではないということです。
つまり、単語帳を眺めて頭に叩き込むよりも、単語テストを繰り返し解いて知識を実際に使う方が記憶に定着するのです。
これを「テスト効果(英語;Testing Effect)」と言います。
この記事では、テスト効果とは何なのか?単語を効率的に覚えるにはどうすれば良いかなどを解説していきます。
知っていると勉強がはかどる「テスト効果」とは?
「テスト効果(英語;Testing Effect)」とは、単に情報を見たり聞いたりするのに比べて、“情報を思い出す(検索する)”行為をすると、記憶が強化されて長期記憶になりやすいことです。
というとき、教科書や参考書などを読んだり、重要だと思うところをノートにまとめたりして勉強すると思います。
でも、実はこの方法はあまり効率が良くないのです。
なぜなら、脳が「記憶に残しておこう!」と考える情報は、よく見聞きする情報ではなく、よく使用する情報だからです。
記憶からある情報を引き出すプロセスを英語で「retrieval practice」と言いますが、これが勉強した知識を長期記憶にする上で非常に重要になります。
つまり、ある程度教科書や参考書で勉強したら、テストをして勉強した内容を思い出すことが大切なのです。
【記憶の種類やメカニズムに関する記事】
最も効率的な単語学習の方法
あなたは知らない英単語を40個勉強するとき、どうやって覚えますか?
僕がテスト効果を知るまでは、40個一通り勉強した後その単語の意味を問うテストをして、間違った単語のみを再び勉強して、間違った単語のみテストするという方法でした。
でも、この方法って実はあまり良くないんです。
有名な科学雑誌「サイエンス」に掲載された研究で、40個の単語を勉強した一週間後に最も覚えている勉強はどのような方法なのかを調査しました。
被験者は以下の4つのグループに分けられ、それぞれの勉強法で単語を覚えてもらいました。
- 40語勉強→テスト→40語すべて復習⇔40語すべての再テスト
- 40語勉強→テスト→間違えた単語のみ復習⇔40語すべての再テスト
- 40語勉強→テスト→40語すべて復習⇔間違えた単語のみ再テスト
- 40語勉強→テスト→間違えた単語のみ復習⇔間違えた単語のみ再テスト
いずれの方法も復習と再テストを40語すべて覚えるまで繰り返してもらいました。
そして、一週間後にどの程度、単語を覚えているかテストを行いました。
すると、①と②は8割覚えていたのに対し、③は36%、④は33%という結果でした。
勉強方法の違いでこれだけ差が現れるのです。
一週間後に8割、単語を記憶していた①と②の共通点は「間違えた単語だけではなく、40語すべて再テストをしていた」という点です。
つまり、記憶の引き出しから情報を引き出すというプロセスが記憶を強化するということですね。
①と②は一週間後の成績は同じですが②の方が労力が少ないので、②が最も効率が良い単語学習と言えるでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ
- 単語帳を見たり書いたりして頭に叩き込むやり方は非効率
- 情報を単に見たり聞いたりするよりも、テストなどで情報を思い出す(retrieval practice)方が長期記憶になりやすい→テスト効果
- 最も効率が良い単語学習法は「単語を勉強→テスト→間違えた単語のみ復習⇔すべての再テスト」
学校では勉強のやり方は教えてくれません。
なので、自分自身で自分に合った勉強法を確立していく必要があります。
人生は有限ですから、なるべく効率よく勉強したいですもんね。
人間の記憶のメカニズムを学習すると、勉強法を考えるヒントになるのでオススメです。
【参考】
【あわせて読みたい】
【BlogPickerオススメ記事】
【記憶について学べるオススメ本】