視覚障害の定義とは?目が見えなくて困ること、発達への影響を解説

 

この記事はこんな疑問を持っている人に読んで欲しい!

  • 視覚障害の定義とは?
  • 具体的にどんなことに困っているのか?
  • 目が見えないことが発達にどのような影響を与えるのか?
  • 弱視の人はどんな風に見えているのか?
  • 視覚障害児の自立指導ってどんなことをするの?

生物は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を駆使して、外界から情報を得ます。

人間は視覚優位の生物なので、外界からの情報の80%ほど視覚に頼っています。

そんな大切な視覚が全くない、または著しく視力が低い「視覚障害」について解説していきます。

 

視覚障害の定義とは?

学校教育法施行令において、特別支援教育の対象となる「視覚障害者」とは、

両眼の視力がおおむね0.3未満の者、又は視力以外の視機能障害が高度なもののうち、拡大鏡などの使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な者

と定めています。

 

視覚障害は視力の程度によって「盲」と「弱視」に分けられます。

盲とは、目が全く見えない、またはほとんど見えない状態を言います。

一方、弱視は保有する視力を使いながら生活できる状態で、印刷したり書いた文字(墨字)の使用が可能ですが、拡大文字や視覚補助具などの視力を補う道具が必要です。

教育の現場では、使用する文字が「点字」か「墨字」かを基準に「盲」と「弱視」を分類することが多いです。

障害の発生時期による分類

障害の発生時期によって、「先天性視覚障害」と「後天性視覚障害」とに分けられます。

  • 先天性視覚障害は主に遺伝や胎生期要因によって、幼児期から視覚に障害がある状態
  • 後天性視覚障害は幼児期以降に、病気や自己などの要因によって視覚に障害をもった状態

およそ5~6歳を境に先天性視覚障害と後天性視覚障害を区別しています。

目が見えないとどんなことに困るの?

目が見えないで問題になってくることとして以下の4つが挙げられます。

  1. 行動の制限
  2. 視覚的情報の欠如
  3. 視覚的模倣の欠如
  4. 視覚障害児に対する社会の態度

それでは、1つずつ解説していきます。

行動の制限

外の世界に向かって手を伸ばす「リーチング」は健康な子どもだと生後5か月頃に見られますが盲乳児だと生後10か月頃です。

健康な子どもは目から入ってくる情報によって、色々なことに興味を持ち、外の世界を積極的に探索していくためリーチングが促されますが、盲乳児の場合はそれがありません。

そのため、盲児に対しては触覚的な刺激や音による刺激を、弱視児に対しては見やすく工夫した視覚刺激を与えることでリーチングを促していきます。

視覚的情報の欠如

健康な子どもは目から入ってくる情報によって、色んな物のイメージを形成していきます。

そのため、目からの情報が得られない視覚障害児は知識の全体量が少ないだけではなく、偏った知識や誤った知識を持ってしまう可能性があります。

したがって、視覚障害児には実物やレプリカなどを出来る限り見せたり触らせる、直接的な体験を増やす、言葉による説明を増やす、などの配慮が欠かせません。

視覚的模倣の欠如

健康な子どもは見よう見まねによって多くのことを学習します。

見よう見まねによる学習が困難な視覚障害児に対しては、日常生活に必要な動作や社会的なマナー・エチケットなどを一つ一つ丁寧に教える必要があります。

視覚障害児に対する社会の態度

視覚障害児に対する社会の態度、とりわけ養育者のネガティブな態度は視覚障害児のパーソナリティ形成や発達に大きな影響を与えます。

 

目が見えないことは発達にどんな影響を与えるの?

「目が見えない」ことは、運動能力や言語能力の発達にも影響を与えます。

健康な子どもは自分の手が届かないところでも、ハイハイしたり、つかまり立ちをして活発に興味を引くものがある方へと動き回ります。

しかし、視覚障害児はそういった経験が少ないので、骨や筋肉の発達が遅れます。

また、楽しく運動したり、思い切り走り回るといった機会がないため、運動することに対して苦手意識や恐怖心を持つ傾向があり、運動能力の発達が遅れます。

 

言語能力に関しては健康な子どもと変わらないと考える人がけっこう居るみたいですが、視覚障害児は単語の意味を間違って認識したりするケースが多々あります。

それは「外の世界」と「言葉」とを結びつけるための視覚情報があまり得られない中で、たくさんの言葉を機械的に覚えなければいけないからです。

弱視の人はどんな風に見えているの?

弱視の人の見え方は目の機能のどの部分に障害があるかで変わります。

ピンボケ状態

光の屈折を調節する機能に障害があり、見たいものに上手く焦点を合わせられない状態。

混濁状態

本来は透明であるはずの眼球の組織が病気によって濁ってしまい、まるですりガラスを通して物を見ているような状態。

暗幕不良状態

眼球内を暗く保てないため、眩しい部屋の中で映画を見ているような状態。

光源不足状態

光量が不足しているため、非常に暗い映画を見ているような状態。

振とう状態

目が無意識的に動いてしまい、小刻みに揺れてしまう状態。

視野の制限状態

視野の制限状態には「中心暗点」と「視野狭窄」の2つがあります。

中心暗点は視野の中心が欠けているため、細かいものを見ることができない状態。

視野狭窄は正面にあるものは見えるが、視野の周辺が欠けているために周囲ものが同時に見られない状態。

視覚障害児の自立指導について

特別支援学校で取り組まれている指導内容には、

  • 点字の初期指導(触察の指導)
  • 歩行指導
  • 日常生活動作(ADL)の指導
  • 保有する視力を有効に活用するための指導
  • パソコン、その他の支援機器類を用いた情報処理の指導 など

があります。

 

視覚障害児にとって触覚は非常に重要な感覚器官です。

視覚障害児は実物を手で触ってその物の特徴を理解し、手で触れないものはレプリカなどに触れて理解します。

触覚によって効率よく情報を得るには、手指を能動的・探索的に動かす必要があります。

 

具体的には、

  1. 両手で触る
  2. 隅々までまんべんなく触る
  3. 基準点を設けて触る
  4. 触圧をコントロールして触る
  5. 繰り返し触りながら全体像をイメージする
  6. 温度や重さを意識して触る

です。

こういったことを指導します。

最後に

当たり前のように視覚がある人にとって、視覚障害がある方がどのようなことに困っているのかなどを想像するのは難しいと思います。

この記事がそういったことの理解にお役立て頂けたら幸いです。

 

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