統合失調症の4つのステージにおける特徴・症状を簡単に解説

統合失調症はかつて「精神分裂病」という、おどろおどろしい病名が付けられていたほど非常に治りづらい病気でした。

しかし、20世紀半ばに開発されたドーパミンを抑制する「抗精神病薬」によって、回復する可能性が劇的に上がりました。

 

統合失調症は早期発見が重要な精神疾患です。

これから説明する統合失調症の「前兆期」の症状に気づき、病院へ行くことができれば、発症を予防したり症状を軽くすることができます。

本人には自覚がないことが多いため、周りの人が気づき、やさしく受診をすすめることが大切です。

 

この記事では、統合失調症の4つのステージにおける特徴や症状を簡単に解説していくので、参考にしていただければと思います。

統合失調症の4つのステージにおける特徴・症状を簡単に解説

統合失調症(英語:Schizophrenia)」の病状の経過は、主に「前兆期」「急性期」「休息期(消耗期)」「回復期」という4つのステージに分けられます。

適切な治療を行えば4つのステージを経過して回復へと向かっていきますが、治療が行われない場合は症状の慢性化や再発を起こしてしまうことが多いです。

ちなみに、Schizophreniaはギリシャ語に由来し、「Schizein(分裂)」+「phren(心、精神)」という意味です。

それでは、4つのステージにおける特徴・症状を解説していきます。

前兆期

前兆期」は統合失調症発症前に軽い症状が現れる時期です。

前兆期は「将来、統合失調症になるかは分からないが、何らかの精神疾患の発症のリスクが高い状態」と捉え、「ARMS(at risk mental state:発病危機状態)」と呼ぶこともあります。

前兆期には、以下のような症状があります。

  • イライラする
  • 眠れない
  • 物音や光に敏感になる

この時期の早期診断によって、発症の予防やその後の治療に効果的です。

急性期‐陽性症状が現れる時期

急性期」は統合失調症を発症し、さまざまな「陽性症状」が現れる時期です。

陽性症状は脳の活動が過剰になることが原因だと考えられていて、妄想や幻聴といった周りの人が理解できないようなことが起こります。

 

陽性症状には以下のようなものあります。

  • 自分の悪口が聞こえるように感じる
  • 理解できない論理で人を疑う
  • よくしゃべる、独り言が増える
  • 脈絡のない会話をする
  • 自分の考えが筒抜けになっているように感じる
  • あとをつけられていると思う
  • 見張られていると思う
  • 自分が超越的な存在だと思う

統合失調症の発症後、数週間から数か月で「休息期」に移行します。

休息期(消耗期)‐陰性症状が現れる時期

休息期(消耗期)」はさまざまな「陰性症状」が現れ、集中力や記憶力の低下といった「認知機能障害」が顕在化する時期です。

認知機能障害とは、「集中力」「記憶力」「整理能力」「計画能力」「問題解決能力」などに問題が生じた状態をいいます。

集中力が低下しているので本が読めなかったり、映画やテレビ番組の話の筋が追えなかったり、指示通りに物事ができなかったりします。

 

陰性症状は陽性症状の時とは一転して脳の活動が低下したことが原因で、本来あるべき、または見られるべきものが見られないことです。

陰性症状には以下のようなものがあります。

  • 喜怒哀楽が乏しくなる(感情鈍麻
  • 部屋に閉じこもる
  • 身だしなみが乱れる、歯を磨かなくなる
  • 抑うつ状態になる
  • 集中力や記憶力が低下する
  • 発言が少なくなる

治療や休養の効果が出ている場合は、数か月から数年で「回復期」に移行します。

回復期

回復期」はだんだんと意欲が湧いてきて、周囲への関心が戻り、気持ちにゆとりが出てくる時期です。

社会生活を取り戻すために、対人関係の君r年や運動といったリハビリテーションを行いはじめます。

統合失調症は再発の可能性が高いため、回復期でも薬を飲みつづける必要があります。

薬物療法と認知行動療法で“疑い”を払う

薬物療法と認知行動療法で“疑い”を払う
Photo by Wei Ding on Unsplash

陽性症状が出ているときは「アイツはスパイに違いない」「悪口を言われている」などと疑ったりするため、統合失調症は「疑いの病気」と呼ばれることがあります。

統合失調症の治療では、このような“疑い”を払うために、「薬物療法」や「認知行動療法」が行われます。

 

陽性症状は脳の活動が活発になることが原因で起こるため、それを抑えるために「抗精神病薬」が処方されます。

第二世代の抗精神病薬である「非定型抗精神病薬」は陽性症状を抑えつつ陰性症状にも効果がみられ、認知機能障害が改善する場合もあります。

服用すると、体重増加や血糖値上昇が起こることもありますが、副作用は比較的少ないです。

 

認知行動療法では、たとえば「アイツはスパイに違いない」という疑いは非合理的であることを丁寧に説明していきます。

丁寧に説明し、疑いが少しずつ晴れていけば、回復につながっていきます。

【認知行動療法に関する記事】

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まとめ

  • 統合失調症には「前兆期」「急性期」「休息期(消耗期)」「回復期」の4つのステージがある
  • 前兆期は統合失調症発症前に「イライラ」「不眠」「物音や光に敏感になる」といった軽い症状が現れる時期
  • 急性期は統合失調症を発症し、幻聴や妄想といった陽性症状が現れる時期
  • 休息期(消耗期)は「身だしなみが乱れる」「抑うつ状態になる」といった陰性症状、集中力・記憶力の低下といった認知機能障害が現れる時期
  • 回復期はだんだんと意欲が湧いてきて、周囲に対する関心がもどってくる時期
  • 統合失調症は早期の発見が重要
  • 薬物療法・認知行動療法によって、統合失調症患者の“疑い”を払うことが重要

 

【参考文献】

科学雑誌「Newton」(2020/10)精神の病気の取扱説明書

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