あなたは「一人で過ごす」と聞いたら、どんな印象を持ちますか?
と思う人もいれば、
と思う人もいると思います。
今の時代、私たちを不安にさせることで溢れているので、考える時間があると、あれこれ考えて不安になることがあると思います。
こんな時代だからこそ、一人の時間をどう捉えるかや曖昧で不確定な状況を落ち着いて待てる力「ネガティブ・ケイパビリティ」が必要になります。
一人の時間って、実はすごく大事!
コロナ禍で学校が休校になったり、外出が制限されたりして、家で過ごす時間が増えました。
友達と遊ぶ機会が減って、なんだか寂しいと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで重要になってくるのが「一人でいられる力」です。
一人の時間には、2つのタイプがあります。
1つ目は自分で「今日は一人で過ごしたい」と思って選ぶ「能動的な一人時間」。
例えば、土曜日の午後、好きなマンガを一気に読むとか、ゲームにどっぷりハマるときのことです。この場合、「やったー!今日は自分だけの時間だ!」と楽しむことができますよね。
2つ目は「本当は誰かと一緒にいたいけど、一人で過ごさざるを得ない」という「受動的な一人時間」。
例えば、友達に遊びに誘われなかったときや、家族が忙しくて相手をしてくれないときがこれに当たります。この場合、なんだか寂しくて、気分が沈んでしまうことが多いでしょう。
この「受動的な一人時間」は、どうしてもネガティブな感情が多くなりがちです。
でも、「能動的な一人時間」は、リラックスしたり、自分と向き合ったり、時には新しい発見をしたりと、いろんな感情が入り混じって豊かになることが多いんです。
「一人の時間」にはどんな意味があるの?
一人の時間には、実は多くの意味が込められています。
ある調査によると、大学生の97%が「一人の時間って意味がある」と答えています。
例えば、リラックスする時間として使ったり、自分自身を振り返る時間にしたりすることができます。また、好きな趣味に没頭したり、考え事をしたりする時間にもなります。
また、一人の時間は、自分を見つめ直すチャンスでもあります。
「自分ってどんなことが好きなんだろう?」「将来はどんな大人になりたいんだろう?」といったことをじっくり考えることができるんです。
普段、友達と一緒にいるときにはなかなかできないこうした自分を見つめ直す時間が、一人の時間には詰まっています。
「一人でいられる力」を育てよう
さて、「一人でいられる力」って一体何でしょう?
これを簡単に言うと、「誰かがそばにいなくても、安心して自分の時間を過ごせる力」のことです。
実はこの力、小さいころから少しずつ育まれているんです。
例えば、赤ちゃんのころ、お母さんやお父さんがそばにいてくれることで、「この人たちは自分を守ってくれる」と感じ、安心感が生まれます。
この安心感が、「一人でも大丈夫」という気持ちの基盤になります。
この基盤があると、たとえ一人でいても、心の中には「誰かが自分を支えてくれている」という信頼感があるため、不安にならずに過ごせるようになるんです。
そして、この「一人でいられる力」は、心の健康や大人としての成熟度を測る指標ともなります。
一人でいられる力が強い人は、たとえ困難な状況でも冷静に対処でき、自分の時間を有意義に過ごすことができます。
逆に、この力が弱いと、一人の時間が苦痛になり、不安や孤独感に押しつぶされそうになることもあります。
コロナ禍での一人の時間と孤独感
コロナ禍で、多くの人が家にこもる時間が増えました。
最初は「やったー!自由な時間が増えた!」と思っていた人も、時間が経つにつれて、「なんだか寂しいな…」と感じることが増えたのではないでしょうか?
実際、コロナ禍で一人の時間が増えたことが、多くの人の幸福度に影響を与えています。
特に、人と接する機会が減ったことで、「一人ぼっち」という感覚が強まり、孤独感を感じることが多くなりました。
さらに、今の時代はスマホやSNSが当たり前になっています。
SNSで誰かとつながることで安心感を得られる一方で、情報が多すぎたり、人間関係でトラブルがあったりすると、逆に孤独感を感じることもあります。
たとえば、友達が自分の投稿に全然リアクションしてくれなかったり、SNS上でちょっとした誤解からケンカになったりすると、心がモヤモヤしてしまうこと、ありますよね?
ネガティブ・ケイパビリティって?
「ネガティブ・ケイパビリティ」というちょっと難しい言葉を紹介します。
でも、これを知っておくと、日々の生活が少し楽になるかもしれません。
ネガティブ・ケイパビリティとは、簡単に言うと「事実や理由をすぐに求めずに不確実さや曖昧な状況の中で、不安や迷いに負けずに答えがない状況でも落ち着いて待つ力」のことです。
例えば、テストの結果が出るまでの数日間、心配でドキドキしてしまいますよね。
そのときに、「まぁ、結果はどうあれ、今は待つしかない」と自分を信じて落ち着いて待てる力が、ネガティブ・ケイパビリティです。
コロナ禍では、どうしても不安や恐怖を感じることが増えました。
今まで経験したことのない状況に直面し、どうすればいいのか分からなくなることも多かったでしょう。
でも、このネガティブ・ケイパビリティを持っていれば、変えられないことを受け入れ、自分ができることに集中して過ごすことができます。
さらに、この力があれば、一人で過ごす時間も、ただの「孤独な時間」ではなく、自分を成長させる大切な時間として受け入れることができます。
例えば、新しい趣味を見つけたり、自分の将来についてじっくり考えたりすることができるのです。
まとめ
コロナ禍で一人の時間が増えたけれど、これを「つまらない」と思うか、「自分の時間だ!」と楽しむかは、自分次第です。
「一人でいられる力」を育て、ネガティブ・ケイパビリティを身につけることで、どんな状況でも自分らしく過ごすことができるようになるのです。
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【参考文献】
日下紀子(2023)コロナ禍における一人でいられる能力とネガティブ・ケイパビリティ 紀要Vol.47 No. 1(通巻 68号)15〜25(2023)
NHK クローズアップ現代「迷って悩んでいいんです 注目される“モヤモヤする力”」