自分が偽物のように感じる?インポスター症候群の原因と治し方を解説

 

上手くいったのは、ただ運が良かっただけ。他の人が本当の自分を知ったら、がっかりするかもしれない...

あなたはこんな思考に心当たりはありませんか?

これがインポスター症候群というものです。

これは、自分が成功したり何かを達成しても、それを自分の実力として受け入れられず、いつか他の人にバレてしまうと感じるものです。

この記事では、インポスター症候群を理解し、それに対処する方法についてわかりやすく説明します。

【この記事を読んで分かること】

  • インポスター症候群とは、成功を自分の実力だと思えない心理現象。
  • 多くの人が経験しており、どんなに成功していても感じることがある。
  • 主な原因は自己評価の低さや、他の人の努力が見えにくいこと。
  • 対策として、他の人と話をすること、ポジティブなフィードバックを活用すること、自分をもっと知ることが効果的。

 

インポスター症候群とは

インポスター症候群とは、自分の成功や能力に対して「これは自分の実力じゃなくてただの運だ」と思ってしまうことです。

たとえ良い成果を出していても、それを自分の力だと信じることができず、「いつか他の人にバレてしまう」と心配になります。

 

このため、自分に対する評価が低くなり、自信を持つのが難しくなります。

 

インポスター症候群という言葉は、心理学者ポーリン・ローズ・クランスによって生み出されました。

彼女は、多くの大学生が高い成績を持っているにもかかわらず、自分がその場所にふさわしくないと感じていることに気づき、この現象に名前を付けました。

この考え方はその後、職場や学校で多くの人に当てはまることがわかり、広く知られるようになりました。

 

インポスター症候群は誰にでも起こる?

インポスター症候群は誰にでも起こる?

インポスター症候群は、年齢、性別、仕事の種類に関係なく、誰にでも起こりうる現象です。

特に、マイノリティの立場にいる人や、社会的なプレッシャーを強く感じる人にとっては、この感情がより強くなることがあります。

例えば、職場で少数派の女性や、新しくキャリアを始めたばかりの若者などが特に強く感じやすいです。

 

アインシュタインもインポスター症候群だった!?

インポスター症候群は、有名な成功者にも見られる感情です。

以下の方々はインポスター症候群を経験したと言われています。

  • アルバート・アインシュタイン
  • マヤ・アンジェロウ(アメリカの活動家・女優・詩人・歌手)
  • トム・ハンクス(アカデミー賞受賞俳優 )
  • チャック・ロリ(脚本家)
  • ニール・ゲイマン(ベストセラー作家
  • トム・クーパー(コメディアン)
  • ソニア・ソトメイヤー(アメリカ最高裁判所長)
  •  エマ・ワトソン

このような人たちも、「自分は本当にこれを成し遂げたのだろうか?」と疑ったことがあったと言われています。

どんなに成功しても、この不安感が完全に消えることはないこともあります。

 

つまり、誰でも自分の能力に疑いを持つことがあるのです。

 

インポスター症候群の原因

インポスター症候群の原因

自己評価の歪み

インポスター症候群の原因の一つは、自分を正しく評価できないことです。

高いスキルを持つ人ほど、「他の人もこれくらいできるはず」と思い、自分の実力を過小評価しがちです。

 

その結果、自分の成功を正しく評価できず、「自分は特別じゃない」と感じてしまいます。

これにより、自己嫌悪や「自分は価値がない」という感情を持ってしまうことがあります。

 

多元的無知

多元的無知とは、他の人も同じように不安を感じているのに、それを口に出さないために、自分だけができていないと感じてしまうことです。

例えば、周りの人がみんな自信満々に見えるけれど、自分だけが不安を感じていると誤解してしまうのです。

 

このようにして感じる孤独感が、インポスター症候群をさらに悪化させる原因となります。

 

多元的無知は道端で人が倒れている時など、本当は助けが必要な状態なのに、人助け行動を抑制してしまう「傍観者効果」とも関連があると言われています。

▼詳しくはこちら▼

 

インポスター症候群の影響

インポスター症候群の影響

行動することを躊躇する

インポスター症候群を感じている人は、自分のアイデアを他の人と共有したり、新しい挑戦に応募したりすることをためらうことがあります。

その結果、チャンスを逃し、自分の成長の機会を失うことになります。

 

また、完璧でなければいけないと思い込み、過剰に準備したり、ストレスを感じやすくなります。

これが続くと、仕事や学業でのパフォーマンスが低下し、さらに自己評価が下がるという悪循環に陥ってしまいます。

 

ほめられると居心地が悪くなる

インポスター症候群を持つ人にとって、他の人から褒められるなどポジティブなフィードバックを受け取るのは難しいです。

それを「ただの運が良かっただけ」と感じ、自分の努力の結果だと思えません。

 

また、批判的なフィードバックを受けると、それを自分の無能さの証拠だと思い込みやすく、自己否定を強めてしまいます。

そのため、ポジティブなフィードバックを正しく受け入れることが重要です。

 

インポスター症候群への対策

インポスター症候群への対策

他の人とのオープンな対話

インポスター症候群に対して最も効果的な対策の一つは、他の人とオープンに話すことです。

この感情についてメンターや仲間と話すことで、「自分だけじゃないんだ」と安心感を得ることができます。

 

特に、同じ経験を持つ人との対話は、自分を孤立させずに安心させてくれる大切な方法です。

また、自分の不安を整理して、冷静に考えることにもつながります。

 

ポジティブフィードバックの活用

自分の成功やポジティブなフィードバックを記録して、定期的に振り返ることも役立ちます。

例えば、日記をつけて毎日の小さな達成を書き留めることで、自分の成長を見える形にし、それを確認することができます。

 

こうした振り返りは、「自分はちゃんとやっているんだ」という自信を持つのに役立ちます。

 

自己認識を向上させる

インポスター症候群を意識することで、「これは自分の本当の無能さではなく、インポスター症候群が原因なんだ」と理解することができます。

こうした認識を持つことで、その影響を減らし、自分の本来の能力に集中することができます。

 

また、他の人からの評価と自分の認識のギャップを理解することで、もっと正しい自己評価を持つことができるようになります。

 

自分がよくする思考について理解し、より適応的な思考ができるようになるには、「認知再構成法」が有効です。

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まとめ

インポスター症候群は、多くの人が経験する普遍的な感情です。

この記事を通して、自分の中の不安や疑念が他の多くの人にも共通していることを知り、少しでも安心してもらえたら嬉しいです。

 

一歩一歩、小さな成功を認めることから始めて、自分を信じる力を育てていきましょう。

誰もが、自分の価値をもっと感じられる日が来るはずです。

 

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【参考】

 

healthline「You’re Not a Fraud. Here’s How to Recognize and Overcome Imposter Syndrome

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。