集団の意思決定・思考・特性を解説!人が集まると何が起きるのか?

 

集団」とは、2人以上からなる社会的な人のまとまりです。

「集団としての目的を持ち、メンバーがお互いに助け合っているもの」と定義されています。

つまり、2人以上の人が集まっても、相互に関係がないうちは何となく近くにいるだけで「集団」としては機能しません。

 

集団には、個人とは異なる意思決定・思考・特性があります。

たとえば、集団での意思決定は個人の意思決定よりも正確な知覚ができたり、Googleを使った検索作業で必要な情報を早く見つけられたりと多くのメリットがあります。

しかし、集団の意思決定は個人の意思決定よりも意見が極端な方向にいきやすいなどの特徴もあります。

 

この記事では、集団に特有の意思決定、集団思考とは?そして、集団の特性について解説していきます。

 

参考文献

 

集団の意思決定・思考・特性を解説!人が集まると何が起きるのか?

集団内には、色々な人が居て、それぞれの人の経験や知識が共有されます。

つまり、集団は個人の時よりも多くの経験・知識を持っているということになります。

 

そのため、冒頭でもご紹介したように集団は個人よりも正確な知覚・判断ができるといったメリットがあります。

 

しかし、集団の中には、

手抜き
自分一人くらいサボっても大丈夫かな!
フリーライダー
うちのグループ優秀だから、自分はあまり頑張らないでおこぼれにあずかろう!

と考える人も出てきます。

 

こちらの記事をご覧ください。

 

また、意思決定に関しても集団の意思決定は極端な方向に流れやすいという特徴があります。

集団での意思決定は極端になりやすい!?「リスキーシフト」と「コーシャスシフト」

集団で意思決定を行うと、意見が過激でリスクを伴った方に流れやすいということが分かっています。

これをリスキーシフトと呼びます。

「赤信号、みんなで渡れば、恐くない」

これがまさに、リスキーシフトです。

つまり、普段は常識的な考え方をしていて、節度を守っているような人でも、集団の中に入ると、極端な言動に反論せず、他の人と一緒になってリスクがある言動を取りやすいというものです。

 

一方、コーシャスシフトとは、極端に慎重な意見に偏るという現象です。

たとえば、会社で業務効率化のために、古くなったパソコンを新しいものに買い替るかについて議論したときに、

(名前)
う~ん。業務は確実に早くなるけど、新しいパソコン買うのに結構かかるし、今のままで良いんじゃない?

と現状維持の方向にいきやすくなります。

 

集団での意思決定はこのようにリスクが高い方向か、ものすごく慎重な方向か、という個人の意思決定よりも極端な方向にいきやすく、集団極性化と呼ばれています。

リスキーシフトか、コーシャスシフトかは集団の初期の方向性次第です。

集団極性化が起こる理由

人は自分が他の人と同じか、違うかを常に意識しています。

そして、集団と自分の意見が違う場合は、集団の他のメンバーに好印象を与える為、自分の意見を集団の意見の方に寄せていきます。

 

また、集団だと責任が分散されるということも原因として挙げられます。

つまり、個人の意思決定では、責任は当然その人にありますが、集団の場合は責任が自分だけではなく、メンバー全員で負うため、「何かヤバそうだな~」と思っていても、

その意見、めちゃくちゃ良いね!

と言ってしまうです。

非現実的で楽観的な思考。「集団思考」の罠

友人の何人かのグループで授業の課題をどのように進めるかを相談していると、

楽観的な人
大丈夫!何とかなるっしょ!

と楽観的な計画を立ててしまい、結局、課題が進まず失敗するということがあります。

 

このように集団で相談をすると、非現実的で楽観的な思考を促進してしまうことがあります。

これを集団思考と言います。

 

集団思考の原因としては、自分が所属する集団に対する過大評価です。

集団思考に陥っている集団は、自分たちが物事を完璧に進めていると考える傾向があります。

集団の特性。「集団凝集性」と「集団規範」とは?

集団には、「集団凝集性」や「集団規範」といった特徴があります。

集団のメンバー同士のまとまりの強さ「集団凝集性」

集団凝集性とは簡単に言うと、集団内でのメンバー同士のまとまりの強さです。

凝集性が高まると、集団として協力して課題解決を図ることができたり、メンバーにその集団の一員であるという所蔵意識が芽生えて、安心感が生まれます。

しかし、凝集性が高すぎると、自分たち以外の集団に対して排他的になったり、集団内での友好関係を意地でも保とうとして、集団内の決定に反論できなくなったりします。

 

凝集性が高いと、「自分が所属している集団はめちゃくちゃ優れている!」と思い込んでしまうことがありますが、それを「内集団ひいき」と呼びます。

内集団ひいきについてはこちらの記事をご覧ください。

集団内では自然にルールが生まれる「集団規範」

集団ができると、自然にその集団でのルールが生まれます。

これを集団規範と言います。

 

たとえば、

年齢に関係なく、率直に意見を言い合おう!

というその集団の公式ルールみたいなものもあれば、

あの人はいつも気難しいから、そっとしておこう。

という暗黙のルールもあります。

まとめ

自分一人だけで出来ることは限られていますが、集団となれば出来ることはかなり増えます。

集団にはたくさんのメリットもありますが、この記事でご紹介したように、

 

  1. リスキーシフト
  2. コーシャスシフト
  3. 集団思考
  4. 内集団ひいき

 

など、注意しなければならないこともあります。

 

集団の特徴を覚えておくと、集団のデメリットに対処しやすくなるので、是非この記事を参考にしてみてください。

 

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参考文献

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。