頂き女子りりちゃんのマニュアルは人の心理を分析し、ビジネスにも応用できそうと話題になっていますよね。
そのマニュアルにも登場する「ギバーおじ」「テイカーおじ」「マッチャーおじ」は、実はペンシルベニア大学ウォートン校教授で組織心理学者のアダム・グラントさんが提唱した以下の3タイプを基にしていると思われます。
- ギバー(Giver) → 人に惜しみなく与える人
- テイカー(Taker) → 自分の利益を優先する人
- マッチャー(Matcher) → 損得のバランスを考える人
この記事では、3タイプをより詳しく解説し、どのタイプが世の中で成功、失敗しているのかについて説明します。
是非、自分も含め、周りの人がどのタイプになるのかを考えながら読み進めてみてください。
『Give & Take』の要点まとめ:ギバー、テイカー、マッチャーとは?
冒頭で紹介したギバー・テイカー・マッチャーの特徴をより詳しく解説します。
ちなみに、アダム・グラントさんの調査によると、その割合は以下の通りです。
- ギバー 25%
- テイカー 19%
- マッチャー 56%
したがって、約半分の方はマッチャーということになります。
ギバー(Giver)
ギバーは相手を中心に考えて、相手が何を求めているのかに注意を払います。
そして、まず相手に与えよう(ギブ)しようとします。
相手から奪う(テイク)を目的としている訳ではありませんが、結果的に自分に返ってきます。
ギバーになるのに、マザーテレサやガンディのようになる必要はありません。
ただ、他人の利益のために行動することを心がけ、助けたり、助言したりすればOKです。
イェール大学の心理学者、マーガレット・クラークさんは以下のように述べています。
親密な人間関係では多くの人がギバーとして振舞います。家族や友人に対しては、いつでも打算なしで相手の役に立とうとします。
しかし、職場となると話は違います。
「手柄をあげたい」「昇進したい」と自分のために動くので、職場でギバーになるのはなかなか困難です。
テイカー(Taker)
テイカーは何でも自分中心で考えて、自分の利益を得ることばかりを考えます。
目的はあくまでも奪う(テイク)にありますが、自分が利益を得るためなら、相手に与えることも惜しみません。
テイカーにとって世の中は、食うか食われるか、弱肉強食の世界です。
テイカーって嫌なやつに聞こえると思いますが、大抵のテイカーは非情でなければ、冷酷でもありません。
ただ、自己防衛的で用心深く、「自分の身は自分で守らないと!」と考えているのです。
マッチャー(Matcher)
マッチャーはいつも頭の中に”バランスシート”をもっていて、自分と相手の利益・不利益を考え、公平に保とうとします。
相手を助けるときも、テイクを求めることで自己防衛し、逆に相手に助けてもらったら、ギブしたくなります。
職場では、多くの人が相手の出方に合わせ、助けあい、ギブとテイクが五分五分になるように調整するマッチャーになります。
世の中で最も失敗している人は...
世の中で失敗している人に多くみられたタイプはマッチャー・テイカー・ギバーのどのタイプだと思いますか?
答えは「ギバー」です。
一番他人のために行動している人が最も失敗しているというのは、悲しいですよね。
他人のことを考えすぎて、自分が損をしてしまう場合があるようです。
エンジニア業界では、一番失敗しているギバーは他人の仕事を手伝うのに忙しく、自分の仕事に手が回らなかったため、仕事の成績が悪くなっていました。
営業でも、最下位はギバーでした。
最下位のギバーは顧客のことを常に思い、「自社の粗悪品を売りつける訳にはいかない」と考えたため、全然売れなかったそうです。笑
どの職種でもギバーは思いやりがあり、人を疑うようなことはせず、相手の利益のためなら自分の利益を犠牲にすることも気にしません。
ただ、そのせいでギバーはテイカーに比べて収入が平均14%ほど低く、犯罪の被害者になるリスクは2倍になることがわかっています。
ギバー・テイカー・マッチャー。世の中で最も成功している人は?
世の中で最も失敗している人がギバーなら、最も成功している人はどのタイプでしょうか。
テイカー? マッチャー?
実は、世の中で最も成功している人もギバーなんです。
えっ?て話ですよね。
では、失敗するギバーと成功するギバーは何が違うのでしょうか?
成功するギバーは、「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」を持っています。
他者志向性とはチームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出すことを目的とすることです。
例えば、みんなでアップルパイを分けるとします。
失敗するギバーはひたすら自分の分のアップルパイを他人に分け与え、自分を犠牲にしてしまいます。
しかし、成功するギバーはアップルパイ自体をどうすれば大きく出来るのかを考え、行動し、結果的にみんなの取り分が大きくなります。
なぜ、テイカーが一番成功できないかと言うと、テイカーが勝つには必ず負ける人が出てきます。
アップルパイの例でいうと、決められた大きさのアップルパイでどれだけ自分の取り分を大きくするかを考え、行動するため、結果的に取り分が少なくなってしまう人が出てきてしまうという訳です。
そのため、成功したテイカーは妬まれやすく、「何とかしてぶっ潰してやろう」と画策するマッチャーによって、叩きのめされるからです。
ギバーであるメリット
ギバーでいると、周りから”信用”を得ることが出来ます。
現代では”信用”がどれだけあるかがとても重要になってきます。
信用される人物になると、評判が評判を呼び、「ゆるいつながり」がたくさんできます。
「ゆるいつながり」とは、何回か一緒に仕事したことがある、知り合いから紹介されたことがあるなど、ちょっとした知り合いです。
自分が落ち込んでいるとき、辛いときは家族や親しい友人などの「強いつながり」が重要になりますが、ビジネスにおいては「ゆるいつながり」の方が大切です。
というのも、「強いつながり」の人々は自分と似通った経験・知識を持っている人が多いので、そこから新たなビジネスのアイディアや多種多様な情報というのは得られずらいのです。
一方、「ゆるいつながり」は異なるネットワークの方により開かれているので、新しいきっかけを見つけやすくなります。
また、周りからの信用があると、自分が何かにチャレンジするときに、周りの人々が助けてくれます。
最後に
ギバー、テイカー、マッチャーのどのタイプかということは、勤勉さや才能、幸運と同じくらい、世の中で成功できるかどうかを大きく左右します。
アダム・グラントさんによると、「ギバーであること」は人間の本性なので、人間がもともと持っている本性をきちんと理解すれば、自然とあるべきギバーに戻っていくそうです。
テイカーももともとはギバーだったけど、他のテイカーにこっぴどくやられ、テイカーになってしまったという人もいます。
世の中から完全にテイカーを排除することは困難なので、テイカーを見分ける目を養い、自分が消耗しないようにしながら、ギバーとして振舞うことが大切です。
アップルパイの例でも言いましたが、「自分の利益」と「他人の利益」は両極端にあるわけではありません。
つまり、自分も他人、みんなの利益を増やす方法もあるはずなんです。
まずは「他人に利益を増やす=自分の利益が減る」というマインドブロックを外して、みんなが幸せになれるように行動しましょう。
これらの内容はすべてアダム・グラントさんの『GIVE & TAKE』に書かれています。
この本はメンタリストDaiGOさんがオススメしてて、読んだんですが、”読めば心と体が突き動かされる本”でした。
【あわせて読みたい】
ブログ村のランキングに参加してます。
下のバナーをポチッと押して応援してくれるとすごい助かります。