EQは Emotonal Intelligence Quotientの略で、日本語だと「心の知能指数」とか「感情知能」、「情動知能」と訳されます。
EQとは、自分自身や他者の心の動きに気づき、その気づきを使って、自分の行動や人間関係をマネジメントする力です。
少し専門的な話になりますが、人が見たり、聞いたり、触ったりした外からの刺激は電気信号となって、細胞内を伝わっていき、脳に到達します。
人が思考、計画、推論、判断などを行うのが脳の前頭葉にある前頭前野という部位なのですが、その部位に到達する前に人間の感情や本能を司る大脳辺縁系という領域を通ります。
簡単にいうと、人は感情に支配されやすい脳の構造になっているのです。
前頭葉と大脳辺縁系は常にコミュニケーションを取り合っていて、理性と感情のバランスを取っています。
このコミュニケーションの中から、EQは生まれます。
EQを高めると周りの人たちとの関係が良好になるだけではなく、年収が上がるという研究もあります。
また、社会で成功を収めている人たちを調べると、IQの高さではなく、EQの高さと関係していたそうです。
IQは遺伝によるところが大きいので、鍛えることは難しいのですが、EQはIQが低い人、高い人、外向的な人、内向的な人関係なく、鍛えることが出来るんです。
EQは自己認識力、自己管理力、社会的認識力、人間関係管理力の4つに分かれます。
それぞれどういった能力なのかを説明して、鍛える方法をご紹介します。
1.自己認識力
2.自己管理力
2-1.目標を公開する
2-2.あなたが出会うすべての人から学ぶ
3.社会的認識力
3-1.「今」に集中する
3-2.ドラマ、映画の中にEQを学ぶ
4.人間関係管理力
4-1.相手に心を開いて好奇心を持つ
4-2.気にかけていることを行動で示す
自己認識力
「自己認識力」とは、自分のことを深く知り、ポジティブな感情もネガティブな感情も含めて、ありとあらゆる感情の動きに気づく力です。
自分の感情を「良い」か「悪い」かで見ない
人は、悲しいは「悪い」、嬉しいは「良い」など、感情に「良い」「悪い」のラベルを張りがちです。
でも、そんな風に感情にラベルをペタペタ貼ってしまうと、本当に自分が感じていることが分からなくなってしまいます。
したがって、自己認識力を高めるには、感情を「良い」「悪い」で判断せず、
とありのままの感情を受入れることが大切です。
自分の感情ボタンを押す人や物を知る
誰にでも「これを言われると腹が立つ」や「この人に合うと自然と笑顔になる」ってことがあると思います。
自分の感情ボタンを押す人や物を知ることで、自分を客観的に見ることが出来るので、落ち着きを保ち、冷静さを取り戻すのに欠かせません。
自己管理力
「自己管理力」とは、自分の感情に気づき、その気づきをもとに、自ら言動を選ぶ力のことです。
自分の感情を理解し、言動をコントロールできるようになれば、難しい状況でも適切な対応をできるようになります。
目標を公開する
目標を公開すると、それを達成しなければ!というモチベーションになります。
何を達成しようとしているのかを友人・家族などにはっきりと宣言することで、その人たちが見ていることを意識し、やり遂げようという強い思いになります。
あなたが出会うすべての人から学ぶ
あなたが出会うすべての人が貴重な教訓を教えてくれます。
人それぞれ独自の経験をしてきているので、誰からでも学ぶことはあります。
他人から何か学ぼうと心がけていれば、怒ったり、弁解したり、ストレスを感じることは確実に少なくなります。
社会的認識力
「社会的認識力」とは、他者の心の動きを察知し、感情を理解する力のことです。
ホテルのフロントスタッフが自分が何を求めているのか分かっているんじゃないかって思うことありませんか?
急いでいるお客さんもいれば、地元の観光情報を詳しく聞きたいっていうお客さんなど、お客さんによって対応は異なると思います。
社会的認識力が高いフロントスタッフは自然とそれぞれのお客さんに合った対応が出来てしまいます。
「今」に集中する
人は「さっき、ああ言えば良かった~」とか「明日のプレゼンどうしよう」など過去の出来事や未来の不安で、「今」がおろそかになってしまうことがけっこうあります。
「今」を離れてしまうと、「今」に戻ってきたときに、「ごめん、今なんて言った?」などと、相手が出しているサインを逃してしまいます。
そうならないためにも、「今」この瞬間に集中する習慣を身に付けましょう。
ドラマ、映画の中にEQを学ぶ
ドラマや映画の中にはEQスキルが様々な形で表現されていて、真似るべき行動ややらない方が良い行為を見ることが出来ます。
社会的認識力を鍛えるには、他者の心の中で何が起こっているのかを読み取る練習が必要になります。
ドラマや映画によっては、心の声をご丁寧にも教えてくれるものもあるので、とても勉強になります。
次にドラマ、映画を観るときはそういった視点で登場人物の人間関係や心の中の葛藤に焦点をおいて観てみてください。
人間関係管理力
「人間関係管理力」とは、自分と他者の心の動きを理解し、その理解を利用して人間関係をマネジメントする力のことです。
アドラー心理学によると、“人の悩みは元をたどれば、すべて人間関係に行きつく”とのこと。
それほど、人間関係というのは、人の人生において必要不可欠な要素であり、同時に人生を豊かにするものです。
人間関係の片側は自分なので、人間関係が上手くいくかどうかの責任の半分は自分にあります。
相手に心を開いて好奇心を持つ
「心を開く」とは、あなた自身について他者に打ち明けるということです。
心を開くことで、相手があなたのことを理解してくれるので、誤解される可能性が減ります。
また、人には「返報性の法則」というのがあり、あなたが心を開くと、相手も心を開いてくれる場合が多いです。
その結果、より親密になるという訳です。
余談になりますが、僕たちはよく返報性の法則を利用して、人間関係を親密にしています。
それが飲み会です。
普段、僕たちは理性が優勢なので、「これは言わない方が良いかなぁ」と自分のことを話すのを躊躇してしまいますが、お酒を飲んで、前頭前野の働きを鈍くさせて、自分のことをペラペラ話して、相手も同じくペラペラ話し、親密になるという訳ですね。
気にかけていることを行動で示す
あなたの周りには素晴らしい人たちがたくさんいます。
自分がその人たちを気にかけていることを行動で示すことが出来ると、間違いなく絆が深まります。
日本には「以心伝心」という言葉があり、「言わなくても分かるだろ?」的な風潮がありますが、言わなくちゃ伝わらないことだってたくさんあります。
ちょっと照れくさいかもしれませんが、自分の周りの素晴らしい人たちにたまにお菓子をプレゼントしてみたり、感謝の言葉を改めて伝えたり、形は何でも良いので、気にかけていることを行動で示してみてください。
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【参考文献】
より詳しくEQについて知りたい方は『EQ2.0』を読んでみてください。
この本で自分のEQがどれくらいなのかを測るテストもついてます。
ただ、テストを受けるにはその本独自のシリアルナンバーを入力するのですが、古本だともう使えない可能性があるので、テストも受けたい方は新品で購入することをオススメします。
自分のEQがどれくらいなのかを知りたい方はEQテストを受けてみてください。
心の知能指数テストを無料実施 – EQテスト (eqtest.biz)
日本では言わなくても分かるだろっていう風潮が特に強いですよね。
周りの素晴らしい人に対して言葉をかける事、気にかける事も人間関係に有効なんですね!
日常生活の参考にしたいと思います。
ナミペロさん、コメントありがとうございます!
そういう風潮ありますよね~ まぁでも海外の方から日本の接客が素晴らしいって言われるのも、言わなくても”察してくれる”からなんですよね。
参考にしていただきありがとうございます。これからも出来るだけ毎日ブログ更新していくので、たまに覗いてみてくださいね。