ドメスティックバイオレンス(DV)の3つの原因とサイクル理論とは?

私たちの人生にとって、家族や恋人、配偶者との関係は言うまでもなく、とても大切です。

一緒に笑い合ったり、悲しみを共有したり。

1人では感じることの出来ない、人生の喜びを得ることが出来ます。

しかし、その関係は時に、あなたに苦悩を与えるものに変わってしまうことがあります。

 

この記事では、ドメスティック・バイオレンス(DV)の定義、原因、そしてDVから抜けるのがなぜ大変なのか、を解説したいと思います。

 

 

DVの定義

ドメスティック・バイオレンス(DV)とは、配偶者の間で起こる暴力・ハラスメント行為のことです。

ちなみに、恋人との間での暴力はデート・バイオレンス(dete violence)と言います。

 

DVには以下のような行為が含まれます。

  1. 身体的暴力 → 殴る、蹴るなど
  2. 性的虐待 → 性行為の強要、避妊の拒否、中絶の強要・拒否など
  3. 心理的虐待 → 暴言、脅迫、無視、行動の監視、服装・髪型の強要など
  4. 経済的虐待 → 生活費を渡さない、給料をすべて取り上げるなど

 

「加害者は男性で被害者は女性」というイメージが強いですが、女性が加害者になることも珍しくありません。

ただし、男性が被害者になる場合は警察に届け出ることが少ないので、警察が把握している件数よりも実際は多いと考えられています。

 

DVの原因

DVはなぜ起こってしまうのでしょうか。

ここでは、DVが起こる原因を3つご紹介します。

 

ジェンダーステレオタイプ

ジェンダーステレオタイプ、つまり、性別に対する固定観念です。

例えば、女性に対して暴力をふるう男性が

暴力夫
男性は強くなきゃいけない!妻を力で支配して当然だ!妻が反抗するなら、誰がボスかを分からせないといけない!

 

という古典的な性別に対する固定観念を持っているというものです。

時代遅れのようにも感じますが、実際にこのようなステレオタイプを持っている人は今でも多く存在します。

 

精神病理理論

精神病理理論はDVの原因が人格障害によるものです。

人格障害の中でも、特に関連しているのが境界性人格障害自己愛性人格障害です。

 

境界性人格障害の人は、気分の波が激しく感情が極めて不安定で、良い・悪いなどを極端に決めたり、激しいイライラ感を抑えきれなくなったりするという症状を持ちます。

自己愛性人格障害の人は、「自分は特別な存在だ」「自分は偉大な人物だ」と思っており、それにふさわしい扱いを受けられなかったりすると、激しい怒りを抱きます。

 

どちらも対等な人間関係を築くのが苦手だったり、困難な人格障害なので、

支配‐被支配 という人間関係を作りがちです。

 

社会学的な特性

最近の夫婦は、ほぼほぼ共働きですがが、まだ多くの家庭で収入の大部分は男性が担っていると思います。

そのために、女性が男性に従うという立場に置かれるケースが多いのが現状です。つまり、社会のシステムが原因という訳です。

 

この場合、女性が男性から暴力を受けていても、別れると収入を失い、生活が困難になるので、その状況から抜け出すのは困難です。

実際、経済的に対等でないカップルにおいて、DVが多く発生します。

 

DVのサイクル理論

引用:舞鶴市「DV(ドメスティック・バイオレンス)について」

 

1979年にアメリカの心理学者ウォーカーは「DVのサイクル理論」を提唱しました。

 

これはDVが以下の3つのフェーズをくり返すという理論です。

緊張期

→加害者は些細なことからくるストレスを蓄積し、夫婦間に緊張が高まっていきます。

爆発期

→被害者に暴力をふるいます。

ハネムーン期

→加害者は被害者に暴力をふるったことを謝罪し、極端に優しくなったり、プレゼントをあげたりします。

 

多くの被害者はハネムーン期で「あの人(加害者)は私がいないとダメなんだ」などと考えて、許してしまいます。その結果、緊張期→爆発期と同じサイクルを繰り返してしまうのです。

 

DVに一番有効な対処法

DVをする加害者に対して、どのような対処法が有効なのでしょうか。

 

この問題を検討したのが、ミネアポリス家庭内暴力実験プロジェクト(Sherman & Beck,1984)です。

この研究では、DVの通報に対して、逮捕別居カウンセリングを行った場合の効果が比較されました。

314件のデータが集められ、6か月の追跡期間中の再犯や自己申告での暴力を調べた結果、逮捕が一番効果的であるということが示されました。

 

警察はDVなどの家庭内での問題にあまり積極的に介入したがらないのですが、それが原因で暴力がエスカレートする可能性もあるのです。

アメリカではこの研究以降、警察が積極的にDVに対して介入するようになりました。

 

「あれっこれってDVかも」と感じているから方は、市町村によってはDV相談窓口を設けているところもあるので、1人で抱え込まず、相談してみましょう。

 

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参考文献

「犯罪心理学」越智啓太 サイエンス社

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