社会で生活していくためには、感情をコントロールすることが必要です。
スーパーでいきなり一人で陳列棚のトマトとかにキレてたら、
「あの人ちょっと危ない!」と思われちゃいますもんね。
そこで疑問が湧いてきます。
嬉しい、悲しいといった感情は基本的に主観的であり、自分自身の感情状態を知るのは自分だけです。
「この今にもスキップしそうなくらいワクワクしている感情は”嬉しい”という感情なんだな!」
「この今にも涙がこぼれ落ちそうで気持ちが沈む感情は”悲しい”という感情なんだな!」
という風に感情状態に名前をつけて、感情をコントロール出来るようになるためには、環境からのフィードバックが欠かせません。
その理由をご説明します。
・感情のコントロールを学ぶには周りのフィードバックが大切な理由
例えば、自分の子供がおもちゃ屋さんで欲しいおもちゃがあったけど、買ってもらえず、怒って床に転げまわっているとします。
このときに、養育者が「おもちゃが欲しかったんだね」となだめたり、
「怒っちゃったんだね。でも、床で転げまわったらだめだよ」
と諭したりすることで、子供が落ち着き、
「自分の思い通りにならなくてイライラする感情は”怒り”で、おもちゃを買ってもらえなくても、床でジタバタしたらダメなんだな」
と感情に名前があることを知り、感情をコントロールすることが必要だということも学びます。
しかし、このときに養育者がいきなり大声で怒鳴ったり、強く叩いたりするなどの過度な罰を与えてしまうと、子供にとって効果的なフィードバックとはならず、過度の罰によって引き起こされた強い恐怖で必要以上に自分の感情を押し殺してしまうようになってしまう可能性もあります。
このようなフィードバックに関して、バックら( Buck & Powers 2005)は養育者の適切なレベルの抑制が子供の正常な感情表出につながると論じました。
つまり、養育者の抑制が強すぎると、自分の感情を押し殺す傾向が強くなり、抑制が弱すぎると、過剰な感情表出をする傾向になる可能性があるということです。
また、どのような場面でどんな感情表出をすれば良いのかというのも周りのフィードバックから学びます。
例えば、プレゼントをもらった時に嬉しそうにすると、プレゼントをくれた人も喜びますが、不満そうにすると、プレゼントをくれた人が悲しそうな顔をします。
このようなフィードバックを受けることで、
「プレゼントをもらった時は、嬉しい顔をした方がいいんだ!」
と感情を表すときの規則を学んでいくのです。
子育て中の方は是非、参考にしてみてください!
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参考文献