自己嫌悪に陥る理由と精神疾患との関係。自分嫌いの治し方も解説。

他人に嫌われたり、嫌ったりすることは辛いですよね。

でも、一番大切な存在である自分自身を嫌うことは、もっと大きな苦しみとなります。

 

なぜ、人は自己嫌悪に陥るのでしょうか。

そこには理想と現実とのギャップやどうにか社会の価値観と折り合いをつけたいと、もがき苦しむ人間の姿があります。

 

この記事では、自己嫌悪に陥る理由と関係のある精神疾患、自分嫌いの治し方について解説していきます。

 

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Image by Gino Crescoli from Pixabay

何か大きな失敗をしたとき、「何をやってもダメだ」と打ちひしがれたとき、などに人は自己嫌悪することがあります。

特に、思春期から青年期にかけて、人は自己嫌悪しやすいと言われています。

 

思春期から青年期に人は自己嫌悪に陥りやすい

思春期から青年期、具体的には小学生高学年から大学生ころにかけて、人は自己嫌悪に陥りやすいとされています。

この時期に自己嫌悪に陥りやすい理由は2つあります。

  1. アイデンティティが不安的になりやすい
  2. 自分を客観的に見る事ができるようになり、理想と現実のギャップを認識することが多くなる

心理学者エリクソンの発達段階理論によると、アイデンティティの確立させることは青年期の課題でもありますね。

 

【エリクソンの発達段階理論に関する記事はこちら】

 

自分自身に嫌悪感を抱く理由

自分自身に嫌悪感を抱く理由は以下の通りです。

  1. 思春期から青年期にかけて、自分への関心が高まり、理想主義的になるから。
  2. 社会から拒絶されたとき、自分も社会の方に立って自分自身を嫌悪すれば、多数派でいられるから。

 

思春期から青年期にかけて、自分のことを客観視できるようになり、自分への関心も高まります。

すると、「自分はこんなもんじゃない!」「もっとすごいことができるはずだ!」と理想を掲げますが、実際はそんな上手くいかないと現実に直面し、自己嫌悪に陥ります。

 

社会的マイノリティとされている人々が感じる自己嫌悪の研究によると、社会から否定的な圧力を受けた時、その圧力を跳ね返せられれば良いのですが、実際はなかなか難しい。

そこで自分も圧力をかける社会の側に立って自分自身を嫌悪すれば、多数派でいられるということになります。

つまり、社会から否定される自分を自己嫌悪することで、社会の価値観との折り合いをつけようとしているのです。

 

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自己嫌悪と関係のある精神疾患

自己嫌悪と関係のある精神疾患

嫌悪の感情と関係の深い精神疾患があります。

精神疾患は自分だけの力ではどうにもならないことが多いです。

 

そのため、これから紹介する精神疾患に当てはまるかもと思ったら、精神科や心療内科を受診したり、カウンセリングを受けるなど、専門家の助けを得ましょう。

 

強迫性障害

強迫性障害(英語:Obsessive–Compulsive Disorder,OCD )とは、ある考えが頭から離れない「強迫観念」と、自分でもおかしいと思いつつ特定の行動を繰り返ししてしまう「強迫行動」からなる精神疾患です。

 

強迫性障害の代表的なものが、自分の身体が細菌などで汚染されているという嫌悪感を抑えきれず、手がボロボロになっても手洗いを止められないというケースです。

自分の身体だけではなく、周囲の物品も汚染されていると感じることがあります。

 

身体醜形障害(醜形恐怖症)

身体醜形障害(英語:Body Dysmorphic Disorder , BDD )とは、自分の外見や体形への嫌悪感が大きくなりすぎて、他人や外出を避けるようになる精神疾患です。

 

自分の体形へのコンプレックスから、摂食障害に至ることもあります。

 

自己臭恐怖症

自己臭恐怖症(英語:autodysomophobia)とは、自分の体臭や口臭などを異常に臭いと感じて、強い自己嫌悪に陥る精神疾患です。

 

他人との関わりを避けたり、外出できなくなることがあります。

 

摂食障害

摂食障害(英語: Eating Disorder, ED)とは、精神的な理由で食べられなくなったり、食べ過ぎてしまう精神疾患です。

「自分は太りすぎている」という自己嫌悪から極端に食べなくなるなど、嫌悪が関係しているケースがあります。

 

【摂食障害に関する記事はこちら】

 

自分嫌いを克服するには「セルフ・コンパッション」

自分嫌いの治し方

自分嫌いを克服するには、「セルフ・コンパッション」が役立ちます。

 

あなたはきっと親しい人が傷ついているときに、励ましたり、思いやりを持って接しますよね?

それと同じように、自分自身が傷ついているときは自分に思いやりを持ちましょう。

 

セルフ・コンパッションは3つの要素から成り立っています。

  1. 自分へのやさしさ‐自分の味方になって理解を示すこと。
  2. 共通の人間性‐自分もみんなも同じという気持ち。
  3. マインドフルネス‐良い悪いの評価にとらわれず自分の感情をそのまま受け入れる。

これらが出来ている人は、うつや不安、ストレスなどに強いとされています。

 

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まとめ

「嫌悪」という感情はよく、“ネガティブ”というレッテルを貼られ、あまり良くないとされがちです。

しかし、嫌悪は人間の基本的な感情の一つで、身体的・精神的に自分を守るために大切な役割を果たしています。

 

大変かもしれませんが、嫌悪を避けずに向き合ってみましょう。

一人じゃ厳しいってときは、家族や友人、専門家の力を借りましょう。

 

【引用文献】

科学雑誌「Newton」(2022/6)「数学教養教室 指数・対数編 嫌われる心理学」

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。