大マーケティング時代のはじまり。マーケティングの4Pとは?

戦後、まだ食料や物資が不足していた頃は「作れば売れる時代」でした。

しかし、次第に生活が豊かになっていき、供給が需要を上回ると「売れるものを作る時代」にシフトしていきました。

そして、売る側の人たちは効率よく物を売るために、消費者の行動や心理を分析するようになっていきます。

 

この記事では、「マーケティングの時代の幕開け」とも言える、ヘンリーフォードの物語をご紹介し、マーケティングの基本、4Pとは何かについてご説明したいと思います。

 

 

 

 

大マーケティング時代のはじまり

高品質で手頃な値段の製品ならよく売れる!

そう考えたヘンリー・フォードはフォード・モータースを設立し、1908年に多くの消費者の手が届く手ごろな値段の実用車として、T型フォードを開発しました。

実際、T型フォードは発売から18年間で1546万台も販売されるという大成功を収めました。

しかし、1927年には全然売れなくなり、生産中止に追い込まれることになりました。

一体なぜこのような事態になってしまったのでしょうか?

フォード・モータースとゼネラル・モータース

gordon-jaeger by unsplash

 

T型フォードは上の写真のような黒一色の単一モデルで、スタイルはすべて同じでした。

ヘンリー・フォードは無駄を省いた合理的な製品化を行い、当時としては安くて性能の良い乗用車を販売することに成功しました。

そんな中、フォード・モータースのライバル企業であったGM(ゼネラル・モータース)は1921年に市場調査課も設置し、「消費者がどのような車を求めているか」を調べ始めました。

黒一色の単一モデルだったT型フォードに対して、GMは手ごろな値段の車から高級な車まで、また様々な色を用意するなど、消費者が求める車を自由に選べるようにしました。

また、GMはモデルチェンジや広告も積極的に行いました。

 

GMは市場調査からあることに気づいていたのです。

乗用車はすでに単なる「移動の手段」から「自己表現の手段」にシフトしていたことに

このときもフォードは相変わらず、「品質が良く手ごろな製品なら売れる!」と思い込んでいました。そのために、1927年に生産中止にまで追い込まれたのです。

 

これに対して、GMは消費者ニーズを分析し、消費者の求めるものを生産し始めたのです。いわば「売れるものを作る」という消費者ニーズをベースにした論理です。

これが消費者の心理や行動を出発点とする考え方であり、大マーケティング時代のはじまりです。

 

マーケティングの4Pとは?

製品を良く売るためには、企業がコントロールすることが出来るマーケティング活動の手段を適切に行わなければなりません。

マーケティングの手段とは、

  1. 製品(Product)
  2. 価格(Price)
  3. 流通(Place)
  4. 販売促進(Promotion)

の4つです。これらの頭文字をとって、マーケティングの4Pと呼ばれています。

ある製品をどうやって売っていくかを検討する上で、これらの基本的な要素をどのような内容にするか、が考えられていくことになります。

これらの要素を別々に検討するのではなく、それぞれを適切に組み合わせることによって、マーケティングの効果を相乗的に高めることを目標とします。

それでは、4つのPを1つずつ解説していきます。

製品(product)

製品には、製品の品質、性能、パッケージなどを含めて、どのようなコンセプトの製品やブランドを作り上げていくのか、を検討していきます。

赤ワインであれば、味や香り、ポリフェノールの効用、リラックス効果など。

消費者のニーズに製品の❝ 恩恵 ❞がマッチすることが何よりも重要である。

 

価格(price)

価格は消費者が「買うか買わないか」を決定するのに大きな影響を及ぼします。

割引をすると、消費者の購買意欲を促進しますが、一方で有名ブランドではイメージを保持するために、高い価格を設定することもあります。

 

経済的な貨幣の価値は万人に共通ですが、価格を消費者がどのように感じるかは人によって異なります。

このことを行動経済学の分野では「メンタルアカウンティング」と言います。

こちらの記事をご覧ください

パチンコで儲けた1万円と労働して得た1万円の価値が違う理由

流通(place)

流通では、小売や卸売、ネット販売を含めて、どのような流通経路を経て消費者に商品を届けるか、を検討します。

小売であれば、店の立地、品ぞろえやイメージ、店舗のレイアウトなどが消費者の購買に影響を与えます。

 

販売促進(promotion)

いくら高品質で手頃な価格の商品を作っても、消費者に知られなければ売れません。

新商品が発売されたなら、新商品が発売されたことを消費者に知らせる必要があります。そして、その商品には「こんな機能がある」「こんなに優れている」とアピールしなければなりません。

販売促進の手段としては、テレビや新聞、折込みチラシ、DMなど様々な媒体があります。

マインドパレッサー
最近ではSNSでの販促が主流となってきていますね。

それ以外でもサンプルの無料配布、クーポンの発行、ポイントカード、イベント開催など、さまざまな活動が行われます。

 

まとめ

供給が需要を上回る時代に突入してから、企業間の競争は生き残りをかけて激しさを増すばかりです。

消費者志向のマーケティングは当然ですが、それだけでは変化していく市場に上手く対応できない場面も見られるようになってきました。

 

これからは単に売り上げ増加とマーケットシェアの拡大を目標にするのではなく、

リレーションシップ・マーケティング

→売り手と買い手の関係性を長期にわたって良好なものにする

one-to-one マーケティング

→多数の消費者を対象とするのではなく、個々の消費者との1対1の関係性を重視する

の視点が大切になってきています。

また、環境問題の深刻さが叫ばれている中で、以前のような大量消費の戦略では、消費者の反発を受ける主要な要因になるので、環境問題に対応するエコロジカル・マーケティングや、社会問題を視野に入れたソーシャル・マーケティングの視点も見逃せません。

 

参考文献

『産業・組織心理学』古川久敬 朝倉書店

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