【脳の機能局在】各部位の働きを分かりやすく解説

脳は部位ごとにさまざまな機能があります。

これを「脳の機能局在」と言います。

 

この記事では、脳の各部位の働きを簡潔に分かりやすく解説していきます。

この記事を読んで分かること
  1. 脳にはどんな部位があるの?
  2. 各部位にはどんな働きがあるの?
  3. 交感神経・副交感神経ってなに?

 

【脳の機能局在】各部位の働きを分かりやすく解説

【脳の機能局在】各部位の働きを分かりやすく解説
画像引用:脳のすべて

脳は各部位によってさまざまな機能を持っています。

この記事では、大脳(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉)と小脳脳幹大脳辺縁系の働きを分かりやすく解説していきます。

大脳の働き

大脳は意識的な体験、学習や言語などの知的な働きに関係しており、人間たらしめている部位です。

大脳は大きく以下の4つに分けられます。

  1. 前頭葉
  2. 頭頂葉
  3. 側頭葉
  4. 後頭葉

 

前頭葉‐脳の最高中枢

前頭葉は人間の最も高度な精神活動を担っているとされています。

具体的には、意思決定や状況判断、情動の制御、運動コントロールなどをになっています。

 

また、前頭葉には「ブローカ野」と呼ばれる運動性言語中枢があり、発音や語の流暢さなど発話の制御を担っています。

前頭葉が傷つくと、適切な状況判断や情動の制御が難しくなり、人間らしい理性的な行動が困難になります。

頭頂葉‐感覚情報のまとめ役

頭頂葉はカラダの*末梢神経から得られた感覚情報をまとめ、前頭葉の運動野と連携して*随意運動を制御する部位です。

触覚機能と関係が深いため、頭頂葉が傷つくと触った物体が何か分からない「触覚失認」と呼ばれる症状に陥ります。

用語説明

末梢神経‐脳・脊髄(中枢神経)と筋肉や体内のさまざまな器官とをつなぐ神経

随意運動‐歩く、走る、泳ぐなど自分の意志・意図に基づいた運動

側頭葉‐全般的な聴覚機能を担う

側頭葉は全般的な聴覚機能や長期記憶の保持を担っているとされています。

また、左半球には「ウェルニッケ野」と呼ばれる聴覚性言語中枢があり、語の意味を理解する機能があります。

 

側頭葉が傷つくと、聴覚機能などに障害をもたらします。

後頭葉‐全般的な視覚機能を担う

後頭葉は全般的な視覚機能を担っており、物体の形や色の処理に関係する部位です。

後頭葉が傷つくと、眼球自体は正常に機能しているのに目に映っているはずの物体が認識できなくなる「皮質盲」と呼ばれる症状に陥ることがあります。

 

小脳の働き

小脳の働き

小脳は*不随意運動を担う運動調節器官です。

小脳が傷つくと、姿勢や運動の調節ができなくなり、思うように手足が動かせなくなるだけでなく、記憶や問題解決などの高次脳機能への影響も出ます。

 

用語解説
不随意運動‐姿勢を保つ、まっすぐ歩くなど無意識的に行われている本能的な運動

 

脳幹の働き

脳幹の働き
Evolution of programmer. From monkey to computer man.

脳幹は脳の中心に位置し、生命維持活動を担っています。

脳幹は脊髄の先についた棒状のもので、その先端は左右の大脳半球につながっています。

 

脳幹は間脳(視床と視床下部)、中脳、橋、延髄に分けられます。

ここでは視床下部の働きを解説します。

 

もし脳幹が傷つくと昏睡状態に陥ります。

視床下部‐交感神経・副交感神経をコントロール

視床下部は自律神経(交感神経・副交感神経)の中枢として、体内環境を維持(ホメオスタシス)する機能を担っています。

視床下部の主な働きは「体温調整」「摂食の調節」「水分・体液代謝」「生殖・性周期の調節」「概日周期(サーカディアンリズム)」「ストレスへの対応」などが挙げられます。

いわゆる“本能”と呼ばれるような欲求や行動の調整を担っている。

 

視床下部‐交感神経・副交感神経をコントロール
画像引用:役に立つ薬の情報~専門薬学~

 

交感神経

交感神経は危機的な状況に対して身体活動を活発化させる役割を担います。

具体的には、心拍や血圧の上昇、呼吸数の増加、発汗、瞳孔の散大などが起こる。

ちなみに交感神経の活動を「闘争か逃走反応(fight or flight)」と呼びます。

副交感神経

副交感神経はカラダの休息と回復の役割を担います。

具体的には、心拍や血圧の低下、呼吸数の減少、瞳孔の縮小、消化器官の促進などが起こる。

 

大脳辺縁系の働き

大脳辺縁系は脳の奥深くに位置し、情動や記憶、意欲に関連している部位です。

ここでは記憶の生成に関連する「海馬(かいば)」と情動に関連する「扁桃体(へんとうたい)」について解説します。

海馬‐記憶を生成

海馬‐記憶を生成

すみません、海馬ちがいですね。笑

 

海馬は記憶にとって非常に重要な脳部位であり、脳の奥深くに格納されています。

ちなみに「海馬」という一風変わった名前は「タツノオトシゴ」という意味です。

海馬の形がタツノオトシゴの尾のように見えたためだと考えられいます。

 

【記憶に関する記事はこちら】

扁桃体‐情動の発生

扁桃体は情動の発生に関わる部位です。

感情は「情動」と「気分」に分類でき、情動(emotion)は急激に強く発生し、持続時間が短い感情のことです。

一方、気分(mood)は弱いが持続的に続く感情のことです。

 

【感情に関する記事はこちら】

 

まとめ

  1. 脳の機能局在‐脳は部位ごとにさまざまな機能があること
  2. 大脳は「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の4つに分けられる
  3. 前頭葉は思考や計画など人間の最も高度な精神活動、頭頂葉は触覚などの感覚情報のまとめ役、側頭葉は全般的な聴覚機能、後頭葉は全般的な視覚機能を担っている
  4. 小脳は不随意運動を担う運動調節器官である
  5. 脳幹は「体温調節」「摂食の調整」などの生命維持活動を担っている
  6. 大脳辺縁系は情動や記憶、意欲に関連している部位である

 

【参考文献】

八田武志(2003)脳のはたらきと行動のしくみ 医歯薬出版株式会社

【あわせて読みたい】

▼このブログを応援する▼

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。