- 来ないなら、置いてっちゃうよ!
- 良い子にしてないと、鬼が来ちゃうよ!
- 今日はお金がないから、お菓子は買えないよ!
など、親はときおり子供に嘘をつきます。
おそらく、どこの家庭でも多かれ少なかれ、子どもに嘘をつくことがあるのではないでしょうか?
ただ、親が子どもに嘘をつくと、子どもが攻撃的な性格になる可能性があります。
この記事では、子育てに嘘をたくさん使うと子どもにどんな影響が出るのかを調べた研究をご紹介します。
親が子供に嘘をつくと子供は攻撃的な性格になるかも
シンガポールにある国立大学ナンヤン工科大学の研究で、親が子どもにつく嘘に関して、379人の若者を対象に調査を行いました。
最初の調査では、過去に親が自分についた嘘について尋ね、次に自分が親に嘘をつく頻度を種類ごとに尋ねました。
嘘の種類は以下のような嘘です。
- 自分の行動に関する嘘→どこにいくのか親に聞かれ、行き先を偽るなど
- 善意の嘘→料理が不味いけど、美味しいよと答えるなど
- 出来事を大げさに言う嘘
そして最後に、自分が社会にどのくらい適応しているか、自己中心的な言動をとる傾向、衝動的になる傾向を尋ねました。
すると、子育てに嘘を多く使うことと攻撃性・規則を破るなどの問題行動を起こすリスクに相関関係が見られました。
「相関関係」と「因果関係」の違いとは?
相関関係とは、Aという事柄とBという事柄があった場合、単にこの2つの事柄に関連があるということを意味します。
一方、因果関係は
- AがBの原因である
- BがAの原因である
- 未知の第3の要因Cがあり、CがAとBの原因である
A→B、B→A、C→A and Bといった方向があります。
「親の嘘」と「子どもの攻撃性」の間に相関関係があるということは、親の嘘が子どもの攻撃性の原因かもしれないし、子どもの攻撃的な性格のため、やむを得ず親が嘘をつくのかもしれません。
相関関係なので、方向は分かりません。
ただ、「親の嘘」と「子どもの攻撃性」の間には何らかの関係があるのは間違いないようです。
良い嘘と悪い嘘
この研究では、嘘を2種類に分けました。
1つめが「親の権力を主張するもの」。
例えば、「良い子にしてないと、海に捨てちゃうよ!」など。
2つめが「子どもに規則・ルールを教えるためのもの」。
例えば、まだ本当は家にお菓子があるけど、ご飯が食べられなくなるので「もうお菓子ないからこれで終わりだよ」というなど。
研究チームは親が権力を主張する嘘は、子どもの主体性を傷つける可能性がある、としています。
最後に
といった答えにくい質問を子どもはバンバン繰り出してくるので、嘘をつかなければならない場面も出てくると思います。
ただ、親の権力を振りかざすような嘘はあまりつかない方が良いかもしれません。
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【引用文献】
「バイリンガルニュース」エピソード383 Topic2親の嘘
「犯罪心理学」越智啓太 サイエンス社
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1.【親の悪習慣】親が子供に嘘をつくと子供は攻撃的な性格になるかも
1-1.「相関関係」と「因果関係」の違いとは?
2.良い嘘と悪い嘘
3.最後に