おそらく、今あなたは座ってこの記事を読んでいることでしょう。
少しの間、座ることは全然問題ないのですが、座りすぎはカラダにさまざまな影響を及ぼします。
というのも、人のカラダはじっと座っているようには出来ていないのです。
人間のカラダは滑らかに動けるように、360の関節と700の骨格筋から構成されています。
いろいろな動きに対応できるように皮膚には弾力がありますし、肋骨が腹部まで覆ってないのはカラダをひねって投擲能力を得るためだと考えられています。
つまり、人のカラダは隅々まで、動きまわるようにできているのです。
では、そんなカラダを持つ人間がずっと座った状態にいるとどうなるのか、解説していきます。
なぜ「座りすぎ」はカラダによくないのか?6つのリスクと対策を紹介
人間のカラダの原型は狩猟採集時代にできたと考えられています。
その時代は獲物を追いかけたり、森へ野菜や木の実を取りに行ったりと、とにかく動いていました。
そのように動くことを前提に設計されている私たちのカラダは、ずっと座った状態だとどうなってしまうのか、解説していきます。
腰痛
背骨(脊柱)は脊椎骨と椎間板でできており、筋肉と靭帯によってその形を維持しています。
まっすぐ立っている状態だと余計な負荷がかかりませんが、猫背になると脊椎に不均衡な圧力をかけてしまいます。
1本の柱がまっすぐに立っていれば倒れる心配はありませんが、柱が傾いていると倒れないように支えないといけません。
背骨も同じようにまっすぐ立った状態だと最小限の力でバランスを取ることができますが、背中が曲がった状態だと支えるために一部の筋肉や靭帯を酷使してしまいます。
そして、背中が曲がった状態が長時間続くと、椎間板に摩擦が生じて腰痛の原因になってしまいます。
血中に取り込まれる酸素が少なくなる
座っている間、多くの人は背中が丸まった状態になります。
すると、心臓や肺がある胸腔が圧迫され、肺が拡張するスペースが小さくなってしまいます。
結果、肺に入る酸素が一時的に減ってしまうため、血中に取り込まれる酸素が少なくなってしまうのです。
しびれ・むくみ
長時間、座っているとしびれ・むくみが出ることがありませんか?
人間の骨格の周りには、筋肉や神経、動脈・静脈などの繊細な組織があります。
長い間座っていると、一部の組織が圧迫されます。
すると、その部位の神経、動脈・静脈がブロックされるため、しびれてしまうのです。
また、手足の血流が低下することで、むくみます。
脂肪を燃焼しにくくなる
毛細血管壁には「リポ蛋白リパーゼ(LPL)」という、血中の中性脂肪を分解する酵素があります。
このLPLは長時間座っていると、一時的に非活性化してしまいます。
そのため、座っている時は動いている時よりも、脂肪を燃焼しにくくなってしまうのです。
脳活動が低下する
先ほど、長時間座っていると胸腔が小さくなるため血中に取り込まれる酸素が少なくなり、血流が悪くなると説明しました。
血中の酸素が少なくなると脳に供給される酸素も少なくなりますし、血流が悪くなると脳への栄養供給が滞るため、脳活動が低下してしまいます。
一部のガンや心臓病、糖尿病などの罹患リスクが上がる
ここまで長時間座ることによる「短期間の悪影響」を説明してきましたが、悪影響は短期間だけに留まりません。
最近の研究では、長時間座ることが一部のガンや心臓病と関連しており、糖尿病、肝臓・腎臓の疾患を引き起こす可能性があると指摘されています。
また、研究者らは世界中で起こった早死にのうち、年間9%が運動不足によるものとしています。
その数はおよそ5百万人にものぼります。
リスクを防ぐための対策
それでは、解決策を2つご紹介します。
背筋を伸ばす
1つ目の解決策は「背筋を伸ばす」です。
どうしても座らなければいけない人は、意識して猫背にならないように背筋を伸ばしましょう。
もしずっと座っている必要がないなら、30分おきに立ち上がり動くのが良いです。
スタンディングデスク
あなたは「スタンディングデスク」をご存じでしょうか?
スタンディングデスクは立って使う机で、現在ではGoogleやAppleといった世界的な大手IT系企業、日本国内の大手企業でも導入されています。
僕自身も今年の3月からスタンディングデスクを使っています。
最初は足が疲れますし、足をついつい動かしてしまい集中できないということがありました。笑
ただ、今は集中して作業に取り組むことができています。
座っていると脳の働きが悪くなるような感覚があったのですが、立った状態だとそんなこともなく、眠気にも襲われないため、作業効率が上がった気がします。
スタンディングデスクの値段はピンキリで安いものだと2千円台のものもあります。
ちなみに僕は横に本を置きたかったので、ラックが付いたものを買いました。
スタンディングデスクは高さが重要なので、アジャスターが付いてないタイプはホームセンターなどで下に敷くものを買って調節するのが良いと思います。
まとめ
- 人間のカラダは隅々まで、じっと座っているためではなく、動きまわるようにできている
- 長時間座っていると、「腰痛」「血中に取り込まれる酸素が少なくなる」「しびれ・むくみ」「脂肪を燃焼しにくくなる」「脳活動が低下する」「一部のガンや心臓病、糖尿病などの罹患リスクが上がる」という悪影響がある
- これらのリスクを解消する方法として、猫背にならないように「背筋を伸ばすこと」と「スタンディングデスクの利用」が挙げられる
現代人は立っている時間よりも座っている時間の方が長くなりがちです。
しかし、長時間座っていると脳の活動が低下したり、太りやすくなったり、さまざまな病気になるリスクが上がったりといった悪影響があります。
たくさん働いてお金を稼いでも、不健康な状態では幸せとは言えません。
これからの長い人生を幸せに暮らしていくためにも、座っているときの姿勢を気にしたり、スタンディングデスクの導入を検討してみてください。
【参考】
TEDトーク「なぜ座ることはカラダに良くないのか」‐ムラート・ダルクルンチュ
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1.なぜ「座りすぎ」はカラダによくないのか?6つのリスクと対策を紹介
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