草食系男子が増えた進化心理学的な理由。草食化はモテるための手段!?

草食男子

この言葉は2006年10月にコラムニストの深沢真紀氏が使ったことから、世間にも広く使われるようになりました。

草食男子の定義は、性格がおだやかで協調性に富み、恋愛や異性関係に対して執着の薄い男性のことです(コトバンク,“草食男子”)。

保全生態学に精通する五箇公一(ごか こういち)氏は草食男子が増えた、すなわち、男性の中性化の背景には、人間社会の成熟男女間に能力の差がなくなってきたことを挙げています。

 

この記事では、より詳しく草食系男子が増えた進化心理学的な理由を解説していきます。

生き物は遺伝子の多様性を保つために進化してきた!

地球に生物が生まれたばかりの頃、生物の繁殖方法は「無性生殖」でした。

無性生殖は自分の分身を作って増える方法で、いわゆる「クローン繁殖」のことです。

現在でも、

  • アメーバ
  • ミドリムシ
  • ゾウリムシ
  • イソギンチャク
  • クラゲ

といった生物は無性生殖によって繁殖していきますが、人間を含む脊椎動物では、オスとメスで遺伝子を交換する「有性生殖」が普通です。

 

良い質問をする人
どうして人間などの脊椎動物は無性生殖じゃなくて、有性生殖をするようになったんだろう?
マインドパレッサー
それは自分と同じ遺伝子を持った個体ばかりを増やしても「多様性」がなく、環境の変化やウイルス、バクテリアなどによって死んでしまう可能性が高いからです

 

単純に考えたら異性のパートナーを探して子孫を残すよりも、自分だけで子孫を残せた方が効率的です。

しかし、たとえば自分の遺伝子に「ウイルスA」に対して弱いという性質があると、無性生殖で自分のクローンを増やした場合、子孫は生き残ることが出来ません。

 

一方、有性生殖の場合だと、確かに無性生殖よりも色々と大変ですが、異性のパートナーの遺伝子に「ウイルスA」に対して強いという性質があれば、子孫は生き残る確率が高くなります。

つまり、有性生殖によって遺伝子を交換し、多様化することで、環境の変化やウイルスなどに晒されても生き残れるように進化してきたのです。

オスとメスの分業体制へ

人間の生物としての目的は、自分の遺伝子を残す、つまり、自分の子孫を残すことです。

人類は子孫を効率的に産み・育てるために、

  1. 子孫となる細胞「卵細胞」を産み育てるメス
  2. 卵細胞へ新しい遺伝子を運ぶための「精子」を備えたオス

という「性の分化」が起こりました。

そして、女性は家で子どもを育て、森で木の実などを採集。一方、男性は森や草原を駆け回り、獲物を狩猟するようになりました。

それに伴い、体格や性格といった性的特徴の差もどんどん大きくなり、「女らしさ」「男らしさ」という特徴がそれぞれ備わるようになっていきました。

昔のモテる男の条件

狩猟採集時代の男性は獲物を捕ってくることが何よりも重要でした。そうしなければ、家で待っている妻も子どもも飢え死にしてしまうからです。

女性からしてみれば、魅力的な男性というのは、

  1. 獲物を捕るための「強い肉体
  2. 凶暴な動物にも立ち向かう「勇気
  3. 新しい狩場を探索する「好奇心

を兼ね備えた男性です。

それらの性質を兼ね備えた優れた男性こそが、女性にとって自分と我が子を守り、食料を供給してくれる男の中の男として高く評価されたのです。

つまり、確実に食料を持ち帰る強い男ほどモテてていたのです。

しかし、文明が進んだ現代社会では、変化が生じてきました...

草食系男子が増えた進化心理学的な理由とは?

Photo by Jason Briscoe from Unsplash

狩猟採集時代と比べ、現代は文明は高度化し、人間社会が成熟しました。それに伴い、食料や住む場所も女性一人で獲得できるようになりました。

そうなると、必然的に男性に求められる価値観も変化します。

強いだけの男はもう不要!?

現代は男性も女性も関係なく、社会に進出し、生計を立てることが可能です。

つまり、現代では狩猟採集時代のように「強いだけの男」はもうモテないのです。

 

そうなってくると、男性は女性にアピールするために、新たな価値を提供しなけらばなりません。

そこで2000年代後半から登場してきたのが「草食系男子」です。

タンパク質摂取量の減少が影響してるかも!?

草食系男子が増えた理由には、もしかしたら「タンパク質摂取量の減少」が影響している可能性があります。

 

1972年~2011年にかけて、高齢者を除いても日本人のカロリー摂取量が減少してきました。

その要因としては、仕事や生活における日本人の肉体作業が減り、デスクワークが増えたことが原因として挙げられます。

カロリーの摂取量が減っても1990年代後半まではたんぱく質の摂取量は横ばいだったものの、2000年ごろを境に、カロリー摂取量の減少以上にたんぱく質の摂取量が減るようになりました。

 

マインドパレッサー
もちろん、これだけでは草食化の原因が動物性たんぱく質の減少にあったとは言い切れませんが、栄養摂取の内容変化というのは、大いにあり得る仮説の一つだと思います。

 

【参考文献】

 

実は「草食化」はモテるための手段だった!?

「生物」という観点から考えると、以前までと比較して現代社会では、男性が活躍する場が減ってきています。

森や草原を駆け回り獲物を捕る必要もありませんし、力仕事が減り、デスクワークが増えてきた現代社会では、男性と女性の能力の差はなくなりました。

そうなってくると、女性が男性に求めるものも変化します。

 

「強い肉体」「勇気」「好奇心」があれば昔はモテていたましたが、現代社会では昔ほどそれらの要素は魅力的ではなくなったしまったのです。

その変化に対応するため、男性の一部が「草食化」しました。

今のモテる男の条件

現代では男性が持てるためには、

  1. 料理ができる
  2. 優しい
  3. 退屈させない

といった日常的に女性を満足させる要素が求められるようになってきたのです。

現代のカップルのほとんどは共働きですから、男らしさで我を張るよりも一緒に料理をしたり、仕事で疲れているときに気を遣ってくれたり、一緒にいて楽しい男性がモテるようになったのです。

草食系男子に対しては、「自分に自信がなさそう」「頼りない」といったネガティブな意見もありますが、生物学・進化心理学の観点からみると、社会環境の変化に対する適応・順応と言えるのです。

まとめ

男性は仕事、女性は家で家事といった分業体制は終わりを告げ、男性も女性も仕事をし、家事も分担という体制へと変化しました。

その変化に伴い、女性が男性に求めるものも「強い肉体」「勇気」「好奇心」といった“男らしい”要素から、「料理ができる」「優しい」「退屈させない」といった一緒に居て楽しい要素へシフトしました。

つまり、男性の草食化は女性の価値観が変化する中での適応的・順応的な反応と考えることができるのです。

 

【引用文献】


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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。