75歳までに50%の人が経験!?意外と身近な精神疾患の真実

 

うつ病や適応障害、PTSDなどの精神疾患は心の弱い人がなる疾患ではなく、誰もがなりうる身近なものです。

調査によると、75歳までに人口の約50%の人は、何らかの精神障害を発症するということが分かっています。

 

この記事では、最新の国際調査データを基に精神疾患がどの時期に最も発症しやすいか、また、その生涯にわたるリスクについて記載した論文内容を紹介します。

 

 

【この記事を読んで分かること】

  • 約半数の人が75歳までに精神疾患を経験する可能性がある。
  • 男性はアルコール使用障害と大うつ病性障害が多く、女性は大うつ病性障害と特定の恐怖症が最も一般的。
  • 精神疾患は思春期から若年成人にかけて初めて発症することが多い。
  • 早期発見と適切な治療が重要。

 

 

 

 

75歳までに50%の人が経験!?意外と身近な精神疾患の真実

75歳までに50%の人が経験!?意外と身近な精神疾患の真実

精神疾患は誰にでも起こりうる?

精神疾患は、特定の人にだけ起こるものではありません。

調査によれば、75歳までに約50%の人が何らかの精神疾患を経験するとされています。

つまり、精神疾患はありふれたもので、決して特別なものではないということです。

 

ストレスの多い現代社会では、誰もが心の健康を保つために注意を払う必要があるのです。

生涯にわたる精神疾患のリスクと統計

最新の国際調査によると、男性の46.4%、女性の53.1%が75歳までに精神疾患を経験するリスクがあることがわかっています。

こうした統計データは、精神疾患が幅広い人々に影響を及ぼしている現実を浮き彫りにしています。

 

 性別による違い:男性と女性の精神疾患

性別による違い:男性と女性の精神疾患

男性に多い精神疾患

男性に多く見られる精神疾患の一つが、アルコール依存症です。

これは、ストレス解消のためにアルコールに依存する傾向が強いことが一因とされています。

 

また、男性は感情を表に出さず内にため込む傾向があり、それが大うつ病性障害の発症リスクを高める要因となっています。

 

女性に多い精神疾患

女性では、大うつ病性障害が最も多く見られ、次いで特定の恐怖症が発症しやすいとされています。

女性はホルモンの変化や、社会的な役割に伴うプレッシャーから、ストレスを感じやすい環境に置かれることが多いのが特徴です。

これらの要因が、精神疾患のリスクを高める要因として考えられます。

 

精神疾患の発症時期とピーク年齢

精神疾患の発症時期とピーク年齢

若年層に多い精神疾患

精神疾患は、特に思春期から若年成人にかけて初めて発症することが多いです。

15歳前後での発症が多く、学校生活や将来への不安、人間関係などが大きなストレス源となります。

この時期に適切なサポートを受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。

精神疾患の初発年齢:男性と女性の違い

男性の精神疾患の発症は平均19歳、女性は20歳で初めて症状が現れることが多いとされています。

この違いは、社会的な役割やホルモンの影響など、さまざまな要因が影響していると考えられます。

しかし、どちらも思春期や若年期に発症するケースが多く、早期の介入が重要です。

 

早期発見と治療の重要性

早期発見と治療の重要性

早期に気づくためのサインとは?

精神疾患の早期発見には、普段の生活の中で感じる小さな変化に気づくことが大切です。

例えば、寝つきが悪くなる、興味を持っていたことに関心を失う、疲労感が強くなるなど、日常生活に支障をきたす兆候が見られることがあります。

これらのサインを見逃さず、早めに専門家に相談することが、重症化を防ぐカギとなります。

早期介入がもたらすメリット

早期に精神疾患の症状を発見し、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることが可能です。

特に、思春期や若年期における精神疾患は、迅速な対応が長期的な生活の質に大きく影響します。

家族や友人、学校や職場でのサポートも、回復に大きな役割を果たします。

 

予防とケア:精神疾患にどう対処するか?

予防とケア:精神疾患にどう対処するか?

自分自身を守るための予防策

精神疾患の予防には、日々の生活の中で心の健康を保つ習慣が重要です。

十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動は、心の健康を支える基本的な要素です。

 

また、ストレスを感じたときに無理をせず、リラックスする時間を持つことも予防につながります。

自分の限界を知り、周囲に助けを求める勇気を持つことも大切です。

社会全体でのサポート体制の構築

精神疾患の予防や治療には、個人だけでなく、社会全体でのサポートが必要です。

学校や職場でのメンタルヘルス教育、カウンセリングの利用促進、医療機関の充実など、社会的なサポート体制の構築が求められます。

 

誰もが気軽に相談できる環境を整えることが、精神疾患の早期発見と治療の鍵となります。

 

まとめ

精神疾患は、特別な人だけが経験するものではなく、誰にでも起こりうる身近な問題です。

日常生活の中でのストレスや悩みが、精神的な不調の原因となることは珍しくありません。

自分や他人の心の健康にもっと関心を持つことが、精神疾患への理解を深め、サポートの輪を広げる第一歩です。

 

生活の中で心の不調を感じたときには、無理をせず自分のペースで休むことが大切です。

また、信頼できる人に話を聞いてもらうことで、気持ちが軽くなることもあります。

日常の小さな変化やサインに敏感になり、早めに対処することで、精神疾患の発症や悪化を防ぐことができます。

 

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【参考文献】

Age of onset and cumulative risk of mental disorders: a cross-national analysis of population surveys from 29 countries The Lancet psychiatry Volume 10, Issue 9p668-681September 2023

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。