他人の不幸を喜ぶ「シャーデンフロイデ」。感じる自分は嫌な奴?

シャーデンフロイデ」という言葉を聞いたことがありますか?

 

シャーデンフロイデとは、「他人の不幸を喜んでしまう感情」を意味します。

 

他人の不幸を喜ぶなんて性格悪い!

と思う方もいると思いますが、この感情は実は誰しもが持っているものです。

 

しかし、「他人の不幸を喜んでいる自分は嫌な奴なのでは?」と悩んでしまう人もいるでしょう。

 

今回は、シャーデンフロイデとはどんな感情なのか、シャーデンフロイデが生じる理由とは何なのか、どんな人が感じやすいのか、などを解説していきます。

 

他人の不幸を喜ぶ「シャーデンフロイデ」。感じる自分は嫌な奴?

他人の不幸を喜ぶ「シャーデンフロイデ」。感じる自分は嫌な奴?

シャーデンフロイデとは?

シャーデンフロイデ(Schadenfreude)は「損害」「害」「不幸」などを意する “Schaden” と「喜び」を意する “Freude” を合成したドイツ語です。(引用:wikipedia「シャーデンフロイデ」

「他人の不幸を喜ぶ気持ち」もしくは「人の不幸を見聞きして生じる喜び」を意味します。

 

シャーデンフロイデは、以下のようなシチュエーションで感じやすいとされています。

  • 競争相手が失敗したとき
  • 自分と同じ失敗をしている人を見たとき
  • 嫉妬している相手に何か悪いことがあったとき
  • 不幸がそこまで深刻ではないとき

 

では、シャーデンフロイデが生じる理由とは何なのでしょうか?

 

シャーデンフロイデが生じる理由

シャーデンフロイデが生じる理由には、以下のようなものが考えられます。

自己肯定感の向上

他人の失敗を見て、自分が優位に立っていると感じることで、自己肯定感が向上します。

 

集団内での自分の立ち位置が上がるため

人間は生物として、「生存」と「生殖」が非常に重要になります。

男性も女性もより優秀なパートナーと、より優秀な子孫を残したいので、集団内の上位にいる人と結ばれたいと望みます。

下位にいる人はパートナーを獲得するために、今よりも上位に上がるために頑張るか、もしくは上位の人を引きずり下ろすことが必要になります。

 

なので、上位の人が勝手に不幸に見舞われて地位が落ちると、自分の地位が相対的に上がるため、嬉しいんですね。

 

【参考文献】

 

共感の裏返し

他人の不幸を喜んでしまうのは、他人と共感する能力の裏返しとも言われています。

共感が強い人ほど、シャーデンフロイデを感じやすいことがあるとされています。

 

次に、どんな人がシャーデンフロイデを感じやすいのか見ていきましょう。

 

シャーデンフロイデを感じやすい人の特徴

シャーデンフロイデを感じやすい人の特徴
Image by Gino Crescoli from Pixabay

シャーデンフロイデを感じやすい人には、以下のような特徴があります。

 

 自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、他人の失敗や苦境に喜ぶシャーデンフロイデを感じやすい傾向があります。

自分に自信がないため、他人のネガティブな経験を見ることで一時的に安心感を得ることができます。

この現象は、自分の立場や能力を相対的に高める効果があると感じることが原因です。

 

競争心が強い

競争心が強い人は、他人との比較を重視し、自分が上位に立つことに喜びを感じます。

そのため、他人の失敗や困難に遭遇したとき、シャーデンフロイデを感じやすくなります。

競争相手が弱体化することで、自分の地位が上昇したと感じるからです。

 

嫉妬心が強い

嫉妬心が強い人は、他人が成功や幸福を享受することに対して不快感を抱きがちです。

その結果、他人の不幸や失敗を目の当たりにしたとき、シャーデンフロイデを感じる可能性が高まります。

 

では、シャーデンフロイデを感じることは悪いことなのでしょうか?

シャーデンフロイデを感じることは悪いことではない

シャーデンフロイデを感じること自体は、悪いことではありません。

 

シャーデンフロイデは人間の感情の一つであり、自己保身のために他人と比較することが根底にあるため、誰しもが持っている感情です。

ただし、シャーデンフロイデに支配されて他人を陥れる行為や、他人の不幸に執着してしまうような場合は、自己理解が必要となります。

 

まとめ

シャーデンフロイデの感情を抱くことはまったく正常だということです。

しかし、シャーデンフロイデを感じることにどうしても罪悪感があるなど、悩んでいる方は一度カウンセリングを受けてみて、自己理解を深めるのも幸せな人生を送っていくために良いと思います。

 

シャーデンフロイデを上手にコントロールすることで、自分自身の感情を理解し、より良い人間関係を築いていくことができるでしょう。

大切なのは、シャーデンフロイデを感じたときに自分を責めず、自分の感情と向き合ってみることです。

 

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tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。