復職支援(リワーク)で治療中に利用できる制度の種類を解説

うつ病などの精神疾患で休職した際に有効だと考えられているのが、病気を再発させずに復職することを支援するプログラム「リワークプログラム」です。

ココロの病は厄介なので治療期間は平均3か月~1年間かかります。

そのあいだ心配なのが、経済的な問題

 

病気はしっかり治したいけど、仕事を休んだら収入が減るし、治療費用を払えるのか・生活していけるのか心配...

という不安を抱えている方は多いと思います。

 

この記事ではそんな不安を解消するために復職支援(リワーク)で治療中に利用でき、経済的な負担を軽減させる制度の種類を解説していきます。

リワークに関してはこちらの記事をご覧ください。

うつ病などで休職した方の復職支援「リワーク」とは?内容や費用や効果を解説

 

復職支援(リワーク)で治療中に利用できる制度の種類を解説

復職支援(リワーク)で治療中、「自立支援医療制度」「傷病手当金」「精神障害者保健福祉手帳」が利用でき、失業された方は「雇用保険(失業保険)」が使えます。

それでは、一つずつどんな制度なのか解説していきます。

自立支援医療制度

自立支援医療制度とは、心身の障害を除去・軽減するために通院されている方々の医療費を軽減するための公費負担制度です。

健康保険に加入している人は医療費が3割負担ですが、自立支援医療制度を利用すると1割負担になります。

マインドパレッサー
通院治療だと医療費がかさむので、負担が1割になるのはかなり助かりますよね

自立支援医療制度の対象者は以下の通りです。

  1. 精神通院医療:精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
  2. 更生医療:身体障害者福祉法に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳以上)
  3. 育成医療:身体に障害を有する児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳未満)

引用:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」

傷病手当金

傷病手当金とは、業務外の病気やケガによって会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に健康保険から給料の一部が支給される制度です。

およそ給料の2/3が1年6か月の間、支給されます。

【傷病手当金を受けるための要件】

  1. 業務外での病気やケガのために療養中である
  2. 労務不能である
  3. 連続で3日以上、仕事を休んでいる
  4. 給与の支払いがない(※給与の支払いがあっても、傷病手当金より報酬が低い場合はその差額が支給される)

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳とは、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。

精神障害者の自立と社会参加の促進を図るために手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。

 

精神障害者保健福祉手帳を持っていると以下のような支援が受けられます。

  1. NHK受信料の減免
  2. 所得税、住民税の控除
  3. 公共料金等の割引
  4. 福祉手当
  5. 通所交通費の助成 など

精神障害者保健福祉手帳は何らかの精神障害(てんかん、うつ、発達障害など)により、長期にわたって日常生活または社会生活への制約がある方を対象としています。

雇用保険(失業保険)

雇用保険とは、失業したときの再就職支援や、失業・育児・介護・定年後再雇用などによって収入が減少する労働者の生活を守り、生活を支援する社会保険制度です。

経済的な心配をせずに再就職や起業などの準備ができるよう、約3ヵ月間~1年間の範囲で、給与の代わりとなる「失業等給付」を支給することが主な役割です。

離職の日以前の6か月で毎月支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の50~80%が支給されます。

 

受給資格を得るためには、以下の2つの要件を両方満たす必要があります。

  1. 失業(退職)日直前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で半年~1年以上あること
  2. 現在失業しており、かつ、すぐにでも働く意思があること(求職活動を行えること)

精神保健福祉センターに相談してみよう!

精神保健福祉センターに相談してみよう!

精神保健福祉センターとは、心の病気について幅広く相談することのできる支援機関です。

精神保健福祉センターには医師などの専門家が在籍しており、相談や情報提供など幅広い支援を通じて自立や社会復帰を支えます。

精神保健福祉センターの役割

精神保健福祉センターの役割は大きく分けて以下の4つあります。

  1. 地域住民の精神的健康の保持・増進
  2. 心の病の予防
  3. 心の不調を持った人の自立支援
  4. 地域の保健福祉関連の施設における知識向上・技術向上

それぞれの内容を簡単に説明します。

1.地域住民の精神的健康の保持・増進

イベント・リーフレットによる広報活動などで住民のメンタルヘルスに対する知識を増やし、精神的な健康を維持・向上させることを目指す。

2.心の病の予防

相談活動などによって悩みや不安を持つ人に対処し、心の病を予防することを目指す。

3.心の不調を持った人の自立支援

専門的知識を持った担当者による適切な指導・援助によって、心の不調を持った人の自立や社会生活への円滑な復帰を目指す。

4.地域の保健福祉関連の施設における知識向上・技術向上

保健所などの関係各所を対象とした研修などを通して、地域の福祉サービス・保健福祉全般の技術向上・知識向上を目指す。

 

【引用文献】

cotree「精神保健福祉センターとは?その役割や業務内容を解説します!」

まとめ

  • 復職支援(リワーク)で治療中、「自立支援医療制度」「傷病手当金」「精神障害者保健福祉手帳」が利用でき、失業された方は「雇用保険」が使える
  • 自立支援医療制度は心身の障害を除去・軽減するために通院されている方々の医療費を軽減する公費負担制度
  • 傷病手当金は業務外の病気やケガによって会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に健康保険から給料の一部が支給される制度
  • 精神障害者保健福祉手帳は一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもので、精神障害者の自立と社会参加の促進を図るために様々な支援策が講じられる
  • 雇用保険は失業したときの再就職支援や失業・育児・介護・定年後再雇用などによって収入が減少する労働者の生活を守り、生活を支援する社会保険制度
  • 精神保健福祉センターには医師などの専門家が在籍しており、心の病気について幅広く相談できる支援機関

 

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