- 英語を話せるようになりたくて、勉強を始めたけど全然続かない
- 今日中に仕事終わらせないといけないけど、モチベーションが上がらない
- 部下が全然やる気がなくて困っている
など、モチベーションに関する悩みは多くの人が抱えているはず。
ではそもそも、モチベーション(動機付け)とは一体何なんでしょうか?
モチベーション(動機付け)とは、人間の欲求や期待などから生み出されるものです。
つまり、自分や部下がどんな欲求・期待を持っているのかを正しく理解できたら冒頭のような悩みは解決します!
この記事では、モチベーション(動機付け)に関する有名な理論とモチベーションアップの方法をご紹介します。
モチベーション(動機付け)とは何なのか
と聞くと、ある人は
と答えますし、またある人は
と答えます。
「人それぞれ」と言ってしまえばそうなんですが、組織心理学において、モチベーションは仕事をする上で重要な概念なので、昔から研究されていました。
モチベーションに関する理論は「内容理論」と「過程理論」の2つに分けられます。
それぞれの理論を簡単に解説していきます。
内容理論‐何が行動を活性化するのか
「内容理論(Content theory)」とは、人の行動がなぜ活性化するのか、何が人の行動を方向づけるのか、といった「what」からたどろうとする理論です。
モチベーションの源をたどっていくと、人間の「欲求」の存在に至ります。
内容理論で有名なのが、マズローの欲求階層説、アルダーファのERG理論、マクレランドとアトキンソンの達成動機理論、ハーツバーグの動機づけ‐衛生要因理論などがあります。
マズローの欲求階層説に関しては、こちらをご覧ください。
過程理論‐行動はどのように維持されるのか
「過程理論(process theory)」とは、モチベーションがどのような過程を経て強まったり弱まったりするのか、すなわち「why」「how」に注目する理論です。
内容理論では、人が行動をおこす動機をさまざまな欲求によるものだと考えますが、同じ欲求を満たす場合でも、人によって実際にとる行動が異なること、または同じ人でも状況によってとる行動が異なることを説明するのが難しいです。
例えば、「お金が欲しい」という欲求を満たす場合でも「働いて稼ぐ」「身の回りのものを売る」「人から奪う」と人によってとる行動は違います。
過程理論は、こういった行動の違いを探ることができ、その時点でとりうる行動を予測できる点で現実的な有効性を持っています。
過程理論で有名なものが、ブルームの道具性期待理論、ロックとレイザムの目標設定理論です。
ブルームの道具性期待理論では、人間のモチベーションは努力すれば報酬や目標が手に入るだろうという「期待」とその報酬・目標の「魅力」を掛け合わせた値によって決まるとされます。
この理論では、「モチベーションの大きさ=期待×魅力」で決まるのでどちらかが0の場合はモチベーションが湧きません。
例えば、あなたに気になる異性がいます。
その人はとんでもない美女(イケメン)であなたによって高嶺の花でどんなに努力をしても、付き合えそうもなければモチベーションは湧きません。
逆に、簡単に付き合えそうな人がいても、その人が自分にとって魅力的でない場合もモチベーションが湧きません。
その異性があなたにとって魅力的で、なおかつ努力をすれば付き合えそうと思えた時に、あなたはプレゼントを贈ったり、頻繁に連絡を取ったりして、猛烈アピールをするという訳です。
今すぐ出来るモチベーションアップの方法を2つご紹介
って方もいらっしゃると思うので、その方法を2つご紹介します。
前進している感覚
職場のモチベーション研究が専門のハーバード大学のテレサ・アマビール教授によると、やる気を出すのに一番大切なことは「目標に向かって前進している感覚」だと言います。
テレサ・アマービル教授らは7つの会社から238人のビジネスマンを集めて、毎日のモチベーションの変動を12,000時間も記録を続けるという、途轍もなく手間がかかる研究をしました。
その結果、自分にとって意味のある仕事が前に進んでいるとき、人間は最もモチベーションが高まりました。
モチベーションに関する有名な2010年の実験をご紹介します。
この実験では、参加者を以下の2つのグループに分けました。
- 「コーヒーを10杯買えば無料で1杯をサービス」と書かれたスタンプカードを渡す
- 「コーヒーを12杯買えば無料で1杯をサービス」と書かれたスタンプカードを渡す。ただし、そのカードにはすでに2つのスタンプが押してある
つまり、どちらも10杯買わないと無料サービスを受けられないという条件は同じですが、実際は「コーヒーを12杯買えば無料」のグループの方がスタンプの貯まるスピードが速かったのです。
本当は前に進んでいなくても、前進してるようにさえ感じられればモチベーションは上がるというわけです。
「前進している感覚」を作りだすのに、アマービル教授がオススメしている方法が「小さな勝利」です。
これは大きな目標に向かって進むのではなく、一日単位で達成できそうな目標をクリアしていくというものです。
具体的な方法としては、
- 1日に最低20分は自分にとって最重要な作業をする時間を持つ
- どんな小さなことでもいいから、自分の前進レベルを記録したノートをつける
などです。たとえば、ダイエットでも「体重が100g減った」と書くだけでもモチベーションは続くわけです。
「記録の力」は本当に偉大ですね。
実際は100gなんて誤差の範囲なんですが、それでも書き残すことで大きな効果があるんです。
下方比較と上方比較
「下方比較」とは、自分より厳しい状況にいる人や自分より劣っていると思われる人と比較することです。
これだけ聞くと、「何か嫌なやつみたい」と思うかもしれませんが、下方比較の効果は絶大です。
例えば、テストで悪い点数を取った時に自分よりも点数が悪かった生徒と比べて、
と思い、やる気を取り戻せます。
職場でミスをしてしまった時、病気になり辛い時も、自分よりも大きな失敗をした人・自分より辛い思いをしている人のことを考えると、自分に対する否定的な感情が和らぎ、モチベーションを回復することが出来ます。
一方、「上方比較」とは、自分よりも優れた人と比べて「あ~あの人すごいなぁ。あの人のようになりたいなぁ」と自分を奮い立たせる方法です。
ただ、上方比較は人によっては「すごいなぁ」「羨ましいな」という感情から「憎い」「自分はダメだ」という感情に変わってしまうことがあるので、注意が必要です。
最後に
複雑に見える人の行動もその背後に隠れている動機を探っていくと、案外単シンプルなことがあります。
モチベーションについて理解することは、現実に起きている問題を解く手掛かりになります。
この記事があなたの問題を解決する一助になれば幸いです。
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【参考文献】
「最強のモチベーション術」太田肇 日本実業出版社
パレオな男「科学的に最強の『やる気を出す』方法は『ウソでもいいから前に進んでる感じを作る』
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