近年、オンライン授業が普及する中、授業動画の視聴方法にも変化が見られます。
特に、倍速視聴機能の利用が増加しており、その影響は無視できません。
本記事では、早送り機能が学習効果に与える影響についての実証調査結果を紹介し、効率的な学習方法について考察します。
早送り機能で学習効果は変わる?
学生たちは多忙なスケジュールの中で、授業を効率的にこなす必要があります。
そのため、授業動画を倍速で視聴するなど、時間短縮を意識した視聴スタイルが普及しています。
調査によると、学生の86.6%が早送り機能を使用しており、主な理由として「視聴時間を短縮するため」が挙げられました。
それでは早速、授業動画などを早送り機能で視聴した場合の学習効果は変わるのかについて解説していきます。
再生速度が学習効果に与える影響
結論から言うと、早送りで視聴しても、等倍速度と同様の学習効果が得られることが確認されています。
石原らの研究(2022)では、授業動画の再生速度が学習効果に与える影響を実験的に検証しました。
実験では、動画を等倍、1.5倍、2.0倍の速度で視聴し、その後のテストで学習効果を測定しました。
その結果、再生速度の違いによって学習効果に差は見られませんでした。
早送り機能の利点と限界
倍速視聴は、効率的な学習方法として有効ですが、その反面、その効果には限界もあります。
短時間での学習ができますが、情報の定着や深い理解がしずらい可能性があります。
言い換えると、再生速度を上げることで、一時的な学習効果は等倍視聴と変わらないものの、長期的な定着は困難な場合があります。
効率的な学習のための視聴方法
学生が効率的に学習できるようにするために学習者が自分に最適な視聴速度を選択できるようなシステムの導入が有効だと思われます。
例えば、動画配信プラットフォームにおいて、倍速視聴機能を標準装備することで、学生が自分の学習ペースに合わせた学習が可能になります。
まとめ
この記事では、早送り機能が学習効果に与える影響について詳しく解説しました。
オンライン授業が普及する中、効率的な学習方法の選択肢が増えています。
倍速視聴をうまく活用することで、短時間でも効果的な学習が可能になります。
忙しい日々の中で、時間を有効に使うための一つの手段として、ぜひ試してみてください。
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【参考文献】
石原茉優,泉田健太,稲葉奈保,大野朝香,岡上士門,齊田真澄,佐藤佑磨,谷藤勇真,竹馬望,仲子通正,服部怜奈,濵田歩実(2022)オンデマンド授業動画視聴における実態調査と早送り速度が学習効果に与える影響についての実験
1.早送り機能で学習効果は変わる?
2.早送り機能の利点と限界
3.効率的な学習のための視聴方法
4.まとめ