よくよく考えてみたら、変じゃないですか?
なんで、食べ物や飲み物を摂取する部分を重ね合わせて喜びを感じるのか。
実は人間は最初からキスをする習慣があった訳ではありません。
『種の起源』で有名なチャールズ・ダーウィンはキスについて以下のように述べています。
キスは人類の本能的な行動ではなく、特定の文化で生まれたものだ。
つまり、もともと人間にはキスをする習慣はなかったのですが、生物として種を存続させたり、生き残るためにキスが何らかの役割を果たしていると考えられます。
この記事では、キスのはじまり、キスが身体に及ぼす影響などを解説していきたいと思います。
人はなぜキスをするのか?
もともと、人間にはキスをする習慣がありませんでしたが、現在では世界の90%もの人がキスをする習慣があります。
また、人は生涯に平均20,160分もキスに時間を費やしているとも言われています。キスをどれだけ長くしていられるかのギネス記録は、なんと58時間35分58秒です。
そんなキスのはじまりに迫っていきます。
キスのはじまり
キスの起源は、顎の力がまだない子どもに食べ物を食べさせるのに、親が自分の口で食べ物を噛み砕いて口移しするという行為から来ていると言われています。
その後、奴隷が主人の手にキスをするのが、「服従の証」となり、頬にするキスは挨拶を意味するようになりました。
では、次に「キスの意外な役割」について解説していきます。
kissの重要な役割とは?
キスの社会・文化的な意味をご説明しましたが、この章ではキスの生物学的な役割を解説します。
キスには大きく分けて2つの役割があるとされています。
- 免疫力をつけるため
- 自分に合うパートナーを選ぶため
この2つの効果を詳しく解説していきます。
細菌を交換して免疫力アップ
2014年にオランダの微生物博物館「Micropia」とオランダ応用研究機関「TNO」の研究者たちが行った研究で10秒間ディープキスすると、なんと8000万もの細菌が交換されるということが分かりました。
この研究では17~45歳のカップルを21組集めて、10秒間ディープキスをしてもらいました。
ディープキスで口内細菌にどのような変化があるのかを調べるために、キスの前後で舌と唾液から細菌サンプルを綿棒で採取しました。
また、より細菌の変化が分かるように、カップルの片方にキスする前、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルト飲料を飲んでもらいました。
すると、ヨーグルト飲料を飲まなかった側の唾液中に元々あまりなかった乳酸菌やビフィズス菌がキスの後には3倍に増加していたのです。
さらに研究では、ディープキスをする頻度についても質問しており、少なくとも一日に9回キスをしているカップルは唾液中のほとんどの細菌を共有していることが分かりました。
交換される細菌の中でも特に注目すべきものが「サイトメガロウイルス」(cytomegalovirus;CMV)です。
妊娠初期に女性がサイトメガロウイルスに初感染すると、体内の赤ちゃんに感染し、流産や子宮内発育遅延、肝脾腫、小頭症、難聴などになる可能性が高まります。
日本では、年間約3000人の赤ちゃんがCMVに感染しています。
イギリスのウエストヨークシャー州にあるリーズ大学のコリン・ヘンドリー博士によると、キスをすることで、女性は妊娠前にサイトメガロウイルスに感染して免疫力をつけることができるとのことです。
特に有効なのが4か月間、定期的に同じ相手とキスをすることです。
パートナーを選ぶヒント
キスは自分に合うパートナーかどうかを見極めるのにも役立ちます。
イギリスの人類学者で進化生物学者のロビン・ダンバー氏は
人はキスによって、その人と関係を深めるかどうかを判断する
と述べました。そのことはニューヨーク州立大学が行った調査でも明らかになりました。
その調査によると、男性の59%、女性の66%がキスがパートナーとの上手くいかなかったことが原因で別れていました。
2013年にオックスフォード大学で行われた研究によると、男性よりも女性の方がキスを重要視していることが明らかになりました。
詳しくはこちらの記事をご覧頂きたいのですが、
女性は生物学的に男性よりもパートナー選びに慎重ならなければいけません。
女性は妊娠すると、約9か月間も身動きが取りずらくなりますし、食べ物には気を遣わないといけないし、出産のときは男性なら死んでしまうほどの激痛にも耐えないといけないですし、本当に大変です。
そんな思いをして産むんですから、なるべく良い遺伝子を持ったパートナーを選びたいと思うのは当然です。
その大切なパートナーを選ぶのに、キスを良い判断基準になってるんです。
キスをすると、交通事故に遭う確率が下がる!?
キスの役割はこれだけではありません。
カナダのオンタリオ州にあるウィルフリッド・ローリエ大学の研究によると、いってらっしゃいのキスをしてから出かけるカップルはキスをしないカップルよりも
- 寿命が5年長い
- 仕事を休む頻度が低くなる
- 交通事故に遭う確率が下がる
- 収入が25%アップ
という結果がでました。
キスをすると、
- 快楽物質のドーパミン増加
- 幸せホルモンのオキシトシン増加
- ストレスホルモンのコルチゾール減少
というように、健康にもプラスの影響を及ぼします。
また、ディープキスをすると男性の唾液に含まれている男性ホルモン「テストステロン」が女性に受け渡ります。
テストステロンには性欲を高める効果があるので、ディープキスをした後にセックスへ移行しやすいのです。
まとめ
キスをすると、
- お互いの口内細菌が交換されて、免疫力がアップし、健康な赤ちゃんを産むのに役立つ
- キスをするときに相手の体臭・フェロモンなどの情報から自分に合うパートナーなのかを見極めるのに役立つ
- 快楽物質ドーパミン増加・幸せホルモンのオキシトシン増加・ストレスホルモンのコルチゾール減少といった健康にプラスの影響を及ぼす
- 男性ホルモンのテストステロンがお互いの性欲を高めるため、セックスに移行しやすい
といった効果があるんですね。
最後に僕のキスに関するほろ苦い思い出をお話します。
あれは2017年の大みそか。
僕はカナダワーキングホリデー中で年越しをニューヨークですることにしました。
ニューヨークのタイムズスクエア前での年越しと言えば、年を越えた瞬間に「Happy New Year !」と言って隣の知らない人とハグ・キスをするのが有名ですよね。
僕は美女としたい!と強く思い、美女の隣を確保しようと有象無象を押しのけ、何とか美女の横をゲットしました。
今か今かと唇を赤くなるまで拭きながら、カウントダウンを待ちました。
そして、ついにその瞬間が来ました。
「Happy New Year !」と言い、美女の方を期待を込めて振り向くと、その美女はそそくさと立ち去っていたのです。
「えっ?ハグ&キッスは?」という疑問を抱えながら、しょんぼりホテルに戻りました。
さぁ、今日から「いってらっしゃいのキス」習慣始めましょう!
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