スマホやSNSは、今や私たちの生活に欠かせない存在。
友達とつながり、楽しい情報を共有できる一方で、ネットいじめや使い方によっては、心に深い傷を残してしまうこともあります。


もし、こんな気持ちを一人で抱えているなら、それは心からの大切なサインかもしれません。
この記事では、研究で分かってきた知見をもとに、ネットいじめとインターネット利用がメンタルヘルスに与える影響を、やさしく整理してお伝えします。
1. 「ちょっと使いすぎ?」に隠れた心のサイン
ネットいじめと深く関係しているのが、インターネットの「不適切な使用」です。
これは単に「長時間使っている。」という意味ではありません。
不適切な使用の例
- ネットのことでイライラし、睡眠や勉強に支障が出ている
- 使い始めるとやめられず、家族や友達よりネットを優先してしまう
- 周囲から「少し控えたら?」と心配されている
研究では、12歳頃にこのような使い方が続くと、16歳頃に抑うつや心の不調を感じるリスクが約1.6倍になることが示されています。特に、女子では抑うつのリスクが高まりやすいことも分かっています。
2. ネットいじめが「普通のいじめ」より苦しくなりやすい理由
ネットいじめには、対面のいじめとは違う特徴があります。
① 終わりが見えない「継続性」
一度書き込まれた悪口や写真は、完全に消すことが難しく、何度も目にしてしまうことがあります。
この「逃げ場のなさ」が、心をじわじわと追い詰めます。
② 見えない傷が深く残りやすい
殴る・蹴るといった身体的な攻撃よりも、無視・仲間外れ・噂といった「関係性のいじめ」は、
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強い孤独感
-
不安や抑うつ
といった内側に向かう心の問題を引き起こしやすいことが分かっています。
3. 「見ないと不安」FOMOが心を縛る
ここで大切なのが、FOMO(Fear of Missing Out:取り残される不安)です。
FOMOとは、以下のように感じる心理状態のこと。
「SNSを見ていないと、何か大事なことを見逃してしまう気がする」
「自分だけ仲間外れになっている気がする」
ネットいじめを受けていても、
-
「見なきゃもっと悪口を書かれるかも」
-
「今、何を言われているか確認しないと不安」
という気持ちから、つらい投稿を何度も確認してしまうことがあります。
このFOMOがあると、ネットから距離を取ること自体が、強い不安や恐怖になってしまい、
心の回復をさらに難しくしてしまうのです。
【FOMOに関する別の記事】
4. 日本の子どもたちが抱え込みやすい「隠れたSOS」
日本のいじめには、文化的な特徴もあります。
欧米では、いじめ被害があると、怒りを外に出す、問題行動として表に出る、ことが比較的多いとされます。
一方、日本では文化が強いため、つらさを外に出さず、「周囲に合わせる」「大人や集団を優先する」といった具合に、心の中に閉じ込めてしまう傾向があります。
これが、「隠れたSOS」です。
-
「自分が我慢すればいい」
-
「自分が悪いんだ」
と自分を責め続けることで、表面上は静かでも、心の中では抑うつや不安が深刻化しているケースも少なくありません。
5. 心の回復力を高めるためにできること
もし、あなたや身近な人が苦しんでいるなら、次のことを覚えておいてください。
① 「あなたが悪いわけではない」
いじめの原因は、あなたの性格ではなく、加害者の行動や、その場の状況の問題です。
「全部自分のせいだ」と考えず、原因を自分の外に切り分けて考えることが、回復の第一歩です。
② ネットと距離を置く「守るためのルール」
- 通知をオフにする
- 夜○時以降は見ない
- 使う時間を一緒に決める
など、自分を守るためのルールを大人と一緒に作ることが大切です。
③ 安全な場所で気持ちを吐き出す
感情を我慢し続けると、心の傷は深くなります。
親、先生、スクールカウンセラー、専門家など、安心して本音を話せる場所を見つけてください。
まとめ:あなたは一人ではありません
大切なポイントは3つです。
- ネットの不適切な使い方は、将来のメンタルヘルスに影響する
- 日本では、苦しみを内側に抱え込みやすい(隠れたSOS)
- いじめは「状況」の問題であり、自分を責める必要はない
研究では、「適切なサポートがあれば、人は回復する力(レジリエンス)を持っている」ことも分かっています。
もし今、暗いトンネルの中にいるように感じていても、あなたの苦しみは、決してあなた一人の責任ではありません。
あなたの味方になり、支えてくれる人は必ずいます。
一人で抱え込まないでくださいね。
【参考】
思春期におけるインターネットの不適切使用が精神病症状および抑うつのリスクを高めることを確認
【研究論文精読】日本のいじめに隠された「心のSOS」:海外のメタ分析が示す抑うつ・非行への影響と私たちにできること
デジタル機器及びソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の使用がメンタルヘルスに与える影響の解明のための研究
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