【精神疾患の治療】薬 vs カウンセリング、どっちが自分に合う?メリット・デメリット比較

こんなお悩みはありませんか?

 

  • 病院に行こうか迷っているけど、いきなり薬を出されるのが怖い…
  • カウンセリングだけで本当に良くなるの?
  • 薬とカウンセリング、どっちを選べばいいかわからない…

 

こうした不安を持っている方は、実はとても多いです。

この記事では、精神科・心療内科で働く心理士の立場から、「薬による治療」と「カウンセリング」の違いやメリット・デメリットを簡単に解説します。

最後まで読んでいただければ、「自分にはどちらが合いそうか」のヒントがきっと見つかると思います。

そもそも、なぜ治療が必要なの?

精神疾患(うつ病、不安障害、発達障害など)は、気合いや根性で治るものではありません。

たとえるなら、骨が折れているのに「気合いで走れ!」と言われても無理ですよね。心の病気も同じで、適切な治療やサポートが必要です。

 

その治療法の代表が、「薬」 と 「カウンセリング」 の2つです。

薬による治療ってどんなもの?

脳の中の 「神経伝達物質」 というものの バランスを整えるのが、薬の役割です。

もう少しわかりやすく言うと…

脳の中では、「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」などの物質が、気分・やる気、不安のコントロールをしています。

これらが うまく働かなくなっている状態 を、薬の力で 元に戻す手助けをするイメージです。

 

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薬の主な種類

種類 おもな対象 やっていること
抗うつ薬 うつ病・不安障害など 落ち込みや不安を和らげる
抗不安薬 不安障害・パニック障害など 強い不安や緊張をやわらげる
気分安定薬 双極性障害など 気分の波を安定させる
睡眠薬 不眠症など 眠りを助ける

お薬の処方は医師が行います。心理士は薬を出すことはできません。

薬のメリット・デメリット

メリット

  1. 効果が比較的早い
    → 強い不安や不眠などの「つらい症状」を、比較的早く和らげてくれます。
  2. 自分で頑張らなくても効く
    → 飲むだけでOK。気力がないときでも治療を続けられます。
  3. 重い症状に強い
    → 「ベッドから起き上がれない」「パニック発作がひどい」など、日常生活に大きな支障が出ている場合に頼りになります。

デメリット

  1. 副作用がある場合がある
    → 眠気、吐き気、体重増加などが出ることがあります(個人差が大きい)。
  2. 根本的な原因は解決しない場合がある
    → 薬は「症状をやわらげる」のが得意ですが、「なぜそうなったか」という原因そのものを解決するわけではないことがあります。
  3. やめるタイミングが難しい
    → 自己判断で急にやめると症状がぶり返すことがあります。必ず医師と相談が必要です。

カウンセリングってどんなもの?

専門のカウンセラー(臨床心理士や公認心理師など)と 「対話」 をしながら、考え方のクセや心の問題を一緒に整理していく のがカウンセリングです。

たとえるなら、「心の筋トレ」 のようなもの。

自分の考え方のパターンに気づいて、少しずつ ストレスに強い心の使い方 を身につけていきます。

カウンセリングの代表的な方法

方法 かんたんな説明
認知行動療法(CBT) 「考え方のクセ」に気づいて修正する
対人関係療法 人間関係のストレスを整理する
マインドフルネス 「今、この瞬間」に集中する練習
支持的カウンセリング 話を聴いてもらい気持ちを整理する

方法はいろいろありますが、どれが正解ということはなく、相性もあります。

 

精神科・心療内科に直接行くのはハードルが高いと感じる方や近くにカウンセリングを受けられる場所がない方は「オンラインカウンセリング」という手もあります。

カウンセリングのメリット・デメリット

メリット

  1. 根本的な変化が期待できる
    → 自分の考え方や行動パターンが変わるので、再発しにくくなります。
  2. 副作用がない
    → 薬と違って身体への副作用はありません。
  3. 自分自身への理解が深まる
    → 「なぜ自分はこう感じるのか」がわかると、日常生活全体がラクになります。
  4. 自分で対処する力がつく
    → 治療が終わった後も使えるスキルが身につきます。

デメリット

  1. 効果が出るまで時間がかかる
    → 数週間〜数ヶ月かかることが多いです。即効性はありません。
  2. 自分で取り組む努力が必要
    → カウンセラーに任せっきりではなく、自分で考えたり練習したりする必要があります。
  3. 費用が多くかかる場合がある
    → 保険が使えない場合、1回5,000円〜10,000円程度かかることもあります。
  4. 症状が重いときは難しい場合がある
    → 「考える気力もない」状態では、対話中心の治療が負担になることもあります。

【一目でわかる】比較表

比較ポイント カウンセリング
効果が出るまでの早さ ☆ 比較的早い ゆっくり(数週間〜数ヶ月)
副作用 ある場合がある ほぼなし
根本的な改善 △(症状を和らげるのが中心) ☆ 考え方の変化で再発予防に強い
費用 保険適用(比較的安い) 保険適用外のことも多い
重い症状への対応 ☆ 強い 重い時期は難しいことも
自分の努力 少なくてOK ある程度必要
再発予防 薬をやめると再発リスクあり ☆ 身についたスキルが残る

結局どっちがいいの? ケース別おすすめ

薬が向いているケース

  • 症状がとても重く、日常生活がままならない
  • 「考える」「話す」気力すらない
  • まず今のつらさを早く楽にしたい
  • パニック発作や強い不眠がある

 

カウンセリングが向いているケース

  • 症状は軽め〜中くらい
  • 同じ悩みを繰り返してしまう
  • 自分の考え方のクセを変えたい
  • 薬に頼りたくない・副作用が心配
  • 人間関係のストレスが原因になっている

 

両方の組み合わせが向いているケース

  • 症状はそこそこ重いが、根本的にも変わりたい
  • 薬で症状を落ち着かせてからカウンセリングに進みたい
  • 医師からも「併用がいい」と言われた

 

実は「どっちか一つ」じゃなくていい

ここが 一番大事なポイント です。薬とカウンセリングは、「どちらか一方を選ばなければいけない」ものではありません。

実際の臨床現場では、両方を組み合わせることがとても多いです。

イメージとしてはこんな感じです。↓

薬で「今のつらさ」を和らげながら、カウンセリングで「これからの自分」を変えていく。

この組み合わせが、多くの研究でも効果的だとされています。

治療を始める前に知っておいてほしい3つのこと

1. 最初から「正解」じゃなくていい

薬もカウンセリングも、やってみて合わなければ変えられます。 最初の選択が間違いだったとしても、全然大丈夫です。

2. 「薬を飲む=弱い」ではない

薬を飲むことに抵抗がある方も多いですが、糖尿病の人がインスリンを使うのと同じです。必要な治療を受けることは、弱さではありません。

3. 相性はとても大事

薬にも種類がありますし、カウンセラーにも相性があります。

この先生、ちょっと合わない!

と感じたら、遠慮せず変えてOKです。

まとめ

知りたいこと 答え
薬とカウンセリング、どっちがいい? どちらにもメリット・デメリットがある。組み合わせが効果的なことが多い
薬は怖くない? 副作用はあり得るが、医師と相談しながら調整できる
カウンセリングだけで治る? 軽〜中程度なら可能。重い場合はまず薬が優先のことも
どうやって決めればいい? まずは専門家(医師・心理士)に相談するのが一番

どの治療が合うかは人それぞれです。

大切なのは、一人で抱え込まず、専門家と一緒に考えること。

もし迷っているなら、まずは精神科・心療内科を受診して、「薬とカウンセリング、自分にはどちらがいいですか?」 と聞いてみてください。

それだけで大丈夫です。

あなたの回復を、心から応援しています。

 

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状や治療については、必ず主治医や専門家にご相談ください。

 

【オススメ本】

あと、下記の本は”読むセラピー”と本の帯に書かれるくらい、感覚的にどんな感じでカウンセリングが進んでいくのかが分かる本で、どんな感じか理解したい方にオススメです。

【参考資料】

e-ヘルスネット(厚労省)

日本うつ病学会

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ABOUT US
tetsuya
北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。