ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)とは?従来型との違い

あなたは「うつ病患者」と聞くと、どんな人を想像しますか?

 

恐らく多くの人は、几帳面で完璧主義、責任感が強く他人に気を遣うような人を想像するのではないでしょうか。

このような性格傾向を「メランコリー親和型」といい、この性格傾向の人がなるうつ病を「メランコリー親和型うつ病」と言います。

 

近年では、うつ病もどんどん多様化し、別のタイプのうつ病がみられるようになってきました。

メランコリー親和型うつ病には、「興味・関心があったことも楽しめなくなる」という特徴があります。

しかし、ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)では「職場に行くときは抑うつ状態になるが、休日や趣味は楽しめる」という特徴があるため、周囲からはうつ病と認識されないことがあります。

 

この記事では、ディスチミア親和型うつ病の特徴について解説します。

同僚や友人、家族がなったときにすぐに気づけるよう、覚えておきましょう!

ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)とは?

ディスチミア親和型うつ病」(新型うつ)とは、20~30歳代の若い世代に多く見られるうつ病です。

症状は全体的にぼんやりしていて、「やる気が出ない」といった漠然とした内容で抑うつ症状を訴えますが、深刻さはあまりなくて疲労感が中心。

仕事に対してやる気がなく、自分の仕事がうまくいかないのは上司や周囲の人が悪いからだという他責的な意識を持ちます

仕事に対してはやる気が出ないのですが、遊びや趣味などには意欲的に取り組むため、一見うつ病には見えず、周囲から理解が得られずらいという特徴があります。

 

ディスチミア親和型うつ病の特徴は大きく3つにまとめられます。

  1. 軽躁状態になりやすい
  2. 本人が苦手な環境・ストレスを感じる環境でのみ強い不安感を伴う、うつ症状や気分障害が出る
  3. やや自己愛が強いことが多く、他罰的なところがある

従来型のうつ病「メランコリー親和型うつ病」の回復には時間がかかるのに対し、ディスチミア親和型うつ病は居場所や環境を変化させるだけで急速に改善する可能性があります。

 

【参考文献】

新宿ストレスクリニック「ディスチミア親和型うつ病(新型うつ)について知ろう!」

新型うつ病とは?

新型うつ病は、従来型のうつ病「メランコリー親和型うつ病」とは異なる特徴を持つうつ病の総称です。

新型うつ病はメディアが作りだした言葉で、正式な病気の概念ではありません

日本うつ病学会ホームページでは、次のように書かれている。

“新型うつ病”という専門用語はありません。むろん精神医学的に厳密な定義はなく、そもそも概念すら学会誌やがっかいなどで検討されたものではありません。

新型うつ病と似た言葉に「非定型うつ病」という言葉があります。

非定型うつ病は、多くの人が「うつ病患者ってこんな感じの人だよね」と考える典型的なタイプとは合致しないうつ病・抑うつ状態を広く指して用いられます。

新型うつ病とほぼ同義で使われることが多いです。

 

新型うつ病として、「逃避型うつ病」「現代型うつ病」「未熟型うつ病」「ディスチミア親和型うつ病」などといった概念が提唱されています。

新型うつ病の種類

ディスチミア親和型うつ病以外の3つの新型うつ病を簡単に説明します。

逃避型うつ病

逃避型うつ病」は、1977年に提唱された新型うつ病の先駆けとなる概念です。

従来型のうつ病は困難に挑むも疲れ果てて発症するのに対し、逃避型うつ病では困難があるとすぐに逃げたり挫折してしまって、追い込まれてしまうとうつ状態になってしまいます。

他にも以下のような特徴があります。

  • 自己愛・自尊心が強い
  • 現実認識が甘く自信過剰
  • 等身大の自分と向き合うことができずに逃げてしまう
  • 自分の正当性・つらさなどを周囲に分かってもらおうと演技的になる傾向がある

現代型うつ病

現代型うつ病」は、以下のような特徴があります。

  • 職場などの社会的な役割に対して合わせようしない
  • 几帳面さがあまりない
  • マイペース
  • 仕事に対して目標を高く持つことを避ける
  • 自責感があまりない
  • 「身体が動かない」「頭が働かない」といった身体の不定愁訴(ふていしゅうそ)がみられる

未熟型うつ病

“未熟型”といっても、幼稚な人ということではありません。

未熟型うつ病」は元々もっているエネルギーは高いにもかかわらず、それをコントロールするための人格が未熟だと考えられています。

そのエネルギーが攻撃性や行動化という方向に出てしまうのが未熟型うつ病です。

他には以下のような特徴があります。

  • 自己中心的
  • 他人に依存しがち
  • 他責的
  • 不安・焦燥感・衝動性が強い

 

【参考文献】

元住吉こころみクリニック「新型うつ病とは?うつ病の種類の多様化」

メランコリー親和型うつ病(従来型)とディスチミア親和型うつ病の違い

メランコリー親和型うつ病(従来型)とディスチミア親和型うつ病の違い
Image by Gino Crescoli from Pixabay

ここでは比較しやすいように、メランコリー親和型うつ病(従来型)とディスチミア親和型うつ病の違いを説明します。

メランコリー親和型うつ病 ディスチミア親和型うつ病
年齢層 中高年層(35~55歳くらい) 青年層(20~30歳くらい)
性格傾向
  • ルールを重んじる
  • 基本的に仕事熱心
  • 几帳面
  • 責任感が強い
  • 自責的
  • ルールはストレスだと感じる
  • あまり仕事熱心ではない
  • プライドが高い
  • 漠然とした万能感
  • 他責的
症状
  • あらゆる物事に対して意欲を失う
  • 焦燥感、疲弊
  • 罪業感(申し訳なさを感じる)
  • よく考えられた自殺企図
  • 趣味や休日には活動的になれる
  • 不全感、ダルさ
  • 他罰的感情(他者を非難する)
  • 衝動的な自殺企図
食欲 ない ある
睡眠 寝つきが悪く、不眠がち どれだけ寝ても寝足りない
治療関係 初期にはうつ病の診断に抵抗する 初期からうつ病の診断を積極的に認め、協力的

こうして比べてみると、だいぶ違いますよね。

まとめ

  • うつ病は多様化して色々なタイプがある
  • 新型うつ病は従来型のうつ病である「メランコリー親和型うつ病」とは異なるうつ病の総称
  • 新型うつ病には、「逃避型うつ病」「現代型うつ病」「未熟型うつ病」「ディスチミア親和型うつ病」の4つがある
  • ディスチミア親和型うつ病は青年層に多く、自己愛がやや強い、自分よりも他人を責める傾向がある、仕事に対してはやる気が出ないが休日や趣味に対しては活動的といった特徴がある
  • ディスチミア親和型うつ病はこういった特徴があるため、従来型うつ病よりも周囲からうつ病だと認識されずらい

 

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北海道在住の35歳。 元ホテルマン。30歳で一念発起して、大学に入り直し、心理学を学ぶ。医療機関で実務経験を積んだのち、公認心理師を取得。月に10冊以上本を読んだり、論文を読み漁ったりして得た知識をブログでシェアします。