カウンセリングでは、45分~60分くらい話を聞いてもらうと、3000円~15000円ほど費用がかかります。
「ただ話を聞いてもらうだけのに、どうしてカウンセリング高い費用がかかるんだろう?」と思ったことはありませんか?
そんなにお金がかかるなら、友達に話を聞いてもらった方がいいと思う人も多いと思います。
この記事では、心理カウンセラーと単なる聞き上手な友人との違いを簡単に説明します。
カウンセリングを受けようか迷っている方などの参考になればと思います。
心理カウンセラーは単なる聞き上手?聞くのが得意な友人との違いとは?
心理カウンセラーは「うんうん。そうだよね。」と話を聞くだけの人というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かにカウンセラーの仕事はクライエントの話を聞くことがメインになりますが、ただ聞いているわけではありません。
人の心理に関する知見に基づき、クライエントがどんな人物で、困りごとの背景には何があるんだろうと見立てを立て、方針を定めているのです。
外から見たら、カウンセラーは「ただ人の話を聞いている人」のように映るかもしれませんが、クライエントの話を聞いている最中、カウンセラーの頭の中ではフル回転してクライエントのアセスメントをしているのです。
カウンセラーは見立てを立てたら、クライエント自身が答えを探すことをサポートします。
カウンセラーはあまりアドバイスをしません。
アドバイスというのは、対処療法的な側面があるので、また別の問題が生じたときはまたアドバイスが必要になります。
カウンセリングでは、カウンセラーがクライエントの気持ちに共感を示し、内省を促すような質問をすることで、クライエント自身が精神的に成長することを目指します。
【心理カウンセラーと聞き上手の違い】
聞き上手な友人 | 心理カウンセラー | |
費用 | 無料 | 有料 |
アドバイスを送るか | 自分の経験に基づいて、アドバイスを送ることが多い | 基本的に評価やアドバイスはしない |
専門的な知識が有しているか | ないことが多い | 人の心理に関する専門的な知識を有する |
秘密が漏れる可能性があるか | 打ち明けた秘密が漏れる可能性がある | 秘密保持の義務があるため、秘密が漏洩する可能性は極めて少ない |
関係性 | 関係性は継続していく | *多重関係は避けられているため、カウンセリングルームの中のみの関係 |
※多重関係:「カウンセラーとクライエント」という関係以外に「上司と部下」「恋人関係」など複数の関係を持つ状態。
多重関係を持つと、中立性や客観性が損なわれたり、利害の対立や個人的な意見が絡む恐れがあります。
また、クライエント自身が十分な自己開示ができない可能性も出てくるため、多重関係は避けられています。
“心理カウンセラー”は誰でもなれる
実は“心理カウンセラー”は誰でも名乗れます。
あなたが今から心理カウンセラーを名乗ってカウンセリングを行っても、それを規制する法律は今のところ存在しません。
「心理カウンセラー」という資格はないので、誰もが名乗りたい放題です。
心理系の資格で有名なのが、「臨床心理士」や「公認心理師」だと思います。
臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院を卒業し、試験に合格していなければなれません。
一方、公認心理師は公認心理師カリキュラムを持つ4年制大学の学部を卒業後、病院など特定の機関で2年以上の実務経験を積むか、公認心理師カリキュラムを持つ大学院に入学・修了し国家試験に合格する必要があります。
そのため、これらの2つの資格を持っている人は専門性や信頼性が高いと言えます。
しかし、心理系の資格には、通信で数か月受講すればすぐに取れるものも数多くあり、“心理カウンセラー”を名乗る人の実力も人によって全然違います。
従って、カウンセリングを受けようか迷っている方は、カウンセラーの持っている資格や積んできた経験なども考慮して選んだ方が良いと思います。
まとめ
- 心理カウンセラーは人の心理に関する知見に基づき、クライエントがどんな人物で、困りごとの背景には何があるんだろうと見立てを立て、方針を定めている。
- 心理カウンセラーは基本的にアドバイスはせず、クライエントの気持ちに共感を示し、内省を促すような質問をすることで、クライエント自身が精神的に成長することを目指す。
- 心理カウンセラーには秘密保持の義務があるので、話した内容が外に漏れる可能性は極めて低い。
- “心理カウンセラー”は誰でも名乗れるので、カウンセリングを受ける際はカウンセラーの持っている資格や経験などを考慮する。
【参考文献】
玉瀬耕治(2008) 有斐閣 『カウンセリングの技法を学ぶ』